タクシーアプリで人生が変わった話|ASD×計算障害の私が「外出の恐怖」を克服できた理由

あなたも「外出」が怖いですか?
結論から言います。
タクシーアプリ(GO・Uber)を使い始めてから、私の外出に対するストレスは90%減りました。
大げさじゃありません。本当の話です。
はじめまして、りゅうぞうです。38歳、妻と子供が一人ずついる、ごく普通の家庭を持つ父親です。
ただ、私には「普通」とは少し違う特性があります。
自閉スペクトラム症(ASD) と 限局性学習症(SLD) という2つの発達障害を抱えて生きています。
特に困るのが計算です。暗算が、本当に、壊滅的にできません。
500円玉を出して「お釣りはいくら?」と聞かれたら、頭が真っ白になります。レジで小銭を数えている間、後ろに人が並んでいると思うだけで手が震えます。
そして会話。タクシーに乗って「どこまで行きますか?」と聞かれた瞬間、住所がうまく伝えられない。道順を説明しようとして、自分でも何を言っているかわからなくなる。
「ここを右に曲がって…いや、左かな…すみません、えっと…」
運転手さんの困惑した顔。後部座席で縮こまる自分。
タクシーに乗るたび、小さな「失敗体験」が積み重なっていきました。
だから私は、外出が怖かった。
できることなら一生、家から出たくないとすら思っていました。
でも今は違います。
スマートフォン一つで、行き先を告げる緊張も、支払いの計算も、すべてが「ゼロ」になりました。
この記事では、かつて外出恐怖症だった私が、タクシーアプリによってどう変わったかをお話しします。同じような困りごとを抱えるあなたに、**「こんな方法もあるんだ」**という小さなヒントになれば嬉しいです。
【体験談】27歳で障害がわかるまで、私は「ダメ人間」だと思っていた
暗闘の20年間
私が自分の障害に気づいたのは、27歳のときでした。
それまでの20数年間は、まさに「暗闇の中で手探りをしている」ような毎日。
小学校の算数の時間、みんなが「簡単だ」と笑っている問題が、私には宇宙語に見えました。九九は覚えられたけど、二桁の足し算になると頭がフリーズする。テストの点数はいつもクラスで下から数えた方が早い。
「お前、やる気あるの?」
先生にも親にも、何度そう言われたかわかりません。
中学生になっても高校生になっても、状況は変わりませんでした。アルバイトを始めればレジ打ちで失敗して怒られ、社会人になれば経費精算でミスを連発して呆れられる。
努力が足りないのか? 自分は根本的にダメな人間なのか?
自分を責め続ける日々。外出するたびに失敗が増え、人と関わるたびに傷つく。だんだんと、外の世界が怖くなっていきました。
診断がついた日
27歳のある日、たまたま見たテレビ番組で「大人の発達障害」という特集をやっていました。
画面の中の人が話す症状が、全部、自分のことだった。
「これだ」と思いました。
病院を受診し、検査を受け、「自閉スペクトラム症」と「限局性学習症(算数障害・書字障害)」の診断がつきました。
ショック? いいえ、安堵でした。
「やっと理由がわかった」
20年以上抱えていた「なぜ自分だけできないのか」という問いに、ようやく答えが出た瞬間でした。
【私の「できない」と「できる」】障害があっても人生は詰まない
正直に言う「苦手なこと」
障害があるからといって、すべてができないわけではありません。
でも、苦手なことは確実にあります。私の場合はこんな感じです。
【苦手なこと(できないこと)】
- 暗算:二桁の足し算で止まる。お釣りの計算は絶望的
- 暗黙の了解を読み取ること:「空気を読め」と言われても、その空気が見えない
- 急な予定変更への対応:パニックになる。頭が真っ白になって動けなくなる
- 口頭での道案内:自分の頭の中の地図を言葉にできない
- 手書きの書類作成:文字を書く行為自体がストレス
意外と「できること」
一方で、得意なこともあります。
【得意なこと(できること)】
- 興味のある分野への深い集中力:株式投資の情報収集は何時間でも没頭できる
- 独自の視点で物事を捉えること:人と違う角度から考えるのが得意
- パターン認識:一度覚えたルーティンは完璧にこなせる
- 同じ悩みを持つ人の痛みに寄り添うこと:経験があるから、わかる
ちなみに、計算が壊滅的にできない私ですが、現在の資産は約3,400万円(うち90%が株式投資) です。
「え? 計算できないのにどうやって?」と思いましたか?
答えは簡単です。「計算しなくていい仕組み」を徹底的に使っているからです。
証券会社のアプリが全部計算してくれます。積立設定をすれば自動で買い付けてくれます。私がやることは「決めたルールを守る」だけ。
苦手なことを克服しようとするより、「苦手なことをしなくていい方法」を探す方がずっと楽だと気づきました。
タクシーアプリも、まさにその延長線上にあります。
GOとUber、どっちがいい?実際に使い比べてわかったこと
タクシーアプリとは何か?(初心者向け解説)
タクシーアプリとは、スマートフォンでタクシーを呼び、支払いまで完結できるサービスのことです。
従来のタクシーは、
- 道で手を挙げて止める
- 行き先を口頭で伝える
- 到着後、メーターの金額を確認して現金やカードで支払う
という流れでしたが、アプリを使うと、
- アプリで行き先を入力してタクシーを呼ぶ
- 乗車して目的地に向かう
- 到着したら降りるだけ(決済は自動)
会話も計算も、ほぼゼロになります。
現在、日本で主流なのは「GO」と「Uber」の2つです。
GOの特徴
GO(ゴー) は、日本発のタクシー配車アプリです。
【GOの良いところ】
- 日本全国の対応エリアが広い:地方都市でも使えることが多い
- 提携タクシー会社が多い:配車までの時間が短い
- 「AI予約」機能:指定時間に合わせてタクシーを自動配車してくれる
- 「GO Pay」でキャッシュレス決済:降車時の支払い作業が不要
【GOの注意点】
- 迎車料金がかかる場合がある(0円〜500円程度、地域による)
- 混雑時は配車できないことも
私の使い方: 通院や子供の送迎など、「確実に時間通りに着きたい」ときに使っています。AI予約機能が本当に便利で、出発の30分前にアプリを開いて焦る必要がなくなりました。
Uberの特徴
Uber(ウーバー) は、アメリカ発のライドシェアサービスです。日本ではタクシー配車アプリとして機能しています。
【Uberの良いところ】
- 事前に料金が確定する:乗る前に「だいたいいくらかかるか」がわかる
- 世界中で使える:海外旅行時も同じアプリでOK
- ドライバー評価システム:レビューで安心感がある
【Uberの注意点】
- 地方では対応エリアが限られる
- 東京・大阪などの大都市向け
私の使い方: 都心部での移動時に使っています。事前に料金が確定するのが、計算苦手な私にはめちゃくちゃありがたいです。「思ったより高かった…」というストレスがない。
比較まとめ
| 項目 | GO | Uber |
|---|---|---|
| 対応エリア | 広い(地方もOK) | 都市部中心 |
| 料金表示 | 乗車後に確定 | 事前に確定 |
| 決済方法 | GO Pay | クレジットカード |
| 予約機能 | あり(AI予約) | あり |
| おすすめシーン | 地方・確実な配車 | 都市部・料金把握 |
私の結論: 両方インストールしておいて、状況によって使い分けるのがベストです。
【実践編】ASD×SLDの私がタクシーアプリを使うときの具体的なコツ
コツ① 行き先は「住所」ではなく「施設名」で検索
口頭で住所を伝えるのが苦手な私にとって、アプリの検索機能は救世主です。
「〇〇区〇〇町1-2-3」と入力するより、「〇〇病院」「〇〇駅」「〇〇保育園」と施設名で検索した方が早いし確実。
さらに、よく行く場所は「お気に入り登録」しておきます。毎回検索する手間すら省けます。
コツ② 乗車前にスクリーンショットを撮っておく
これ、意外と大事です。
アプリで配車すると、迎えに来る車のナンバーや車種が表示されます。これをスクショしておくと、「どの車に乗ればいいかわからない」という不安がなくなります。
ASDの私は、「間違った車に乗ってしまったらどうしよう」という不安が強いんです。スクショがあれば、照合するだけ。安心。
コツ③ 「アプリ決済です」と最初に一言
乗車時に「決済はアプリで済んでます」と一言伝えておくと、到着時のやり取りがスムーズです。
運転手さんによっては「お支払いは?」と聞いてくることがあるので、先に言っておくと楽。
コツ④ チップや追加料金の心配は基本不要
日本のタクシーは、基本的にチップ文化がありません。アプリで表示された料金がすべてです。「本当にこれだけ?」という不安を感じる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。
タクシーアプリと「合理的配慮」の交差点
少しマニアックな話をさせてください。
2024年4月から、改正障害者差別解消法により、民間事業者にも「合理的配慮の提供」が義務化されました。
「合理的配慮」とは、障害のある人が障害のない人と同じようにサービスを受けられるよう、事業者が必要な調整を行うことです。
タクシー業界にもこの義務が適用されます。
たとえば、
- 乗り降りの介助
- 目的地の確認方法の工夫
- 支払い方法の柔軟な対応
などが求められます。
ただし現実問題として、口頭でのコミュニケーションが苦手な場合、ドライバーにそれを伝えること自体がハードルになります。
ここでタクシーアプリが活きてきます。
アプリが「コミュニケーションの橋渡し」をしてくれるんです。
行き先はアプリが伝えてくれる。支払いもアプリがやってくれる。私たちが「口頭で説明する」必要がほとんどなくなる。
これは単なる便利ツールではなく、テクノロジーによる「配慮」の実現だと私は思っています。
万能に見えるタクシーアプリですが、正直に言うとデメリットもあります。
私も何度か「困った…」という場面に遭遇しました。包み隠さずお話しします。
デメリット① 電波が悪いと詰む
当たり前ですが、スマホの電波がないとアプリは使えません。
地下街、山間部、電波の入りにくいビルの中…。こういう場所で「タクシー呼びたい」と思っても、アプリが起動しない。
私は一度、病院の地下にある検査室から出た直後、電波が入らずに30分ほど立ち往生したことがあります。体調が悪いときに限ってこういうことが起きるんですよね…。
対策: Wi-Fi環境のある場所で事前に配車予約しておく。または、病院や施設のスタッフにタクシーを呼んでもらうことも視野に入れておく。
デメリット② 充電切れの恐怖
これも基本的な話ですが、スマホの充電が切れたら終わりです。
私はASDの特性もあって、「もしものとき」を考えすぎてしまうタイプです。外出先でスマホの残量が20%を切ると、そわそわして落ち着かなくなります。
対策: モバイルバッテリーを常に持ち歩く。私はAnkerの10,000mAhタイプ(約3,000円) を愛用しています。スマホを2〜3回フル充電できるので安心感が違います。
デメリット③ アプリの操作に慣れるまでが大変
最初の設定、クレジットカードの登録、住所の入力…。
「アプリを使えば楽」と言っても、その「使える状態」にするまでが難しいという方も多いと思います。
私の場合は、妻に横についてもらって一緒に設定しました。一人で全部やろうとしなくていいんです。
対策: 家族や支援者に手伝ってもらう。各アプリの公式サイトには設定ガイドもあるので、時間があるときにゆっくり読みながら進める。
デメリット④ 混雑時は配車できないことも
金曜日の夜、雨の日、年末年始…。
こういうタクシー需要が高いときは、アプリで呼んでも「近くに車がいません」と表示されることがあります。
私は一度、子供の発熱で急いで病院に行きたかったのに、30分以上配車できなかったことがあります。結局、妻が電話でタクシー会社に直接連絡して、なんとか車を手配しました。
対策: 緊急時用に、地元のタクシー会社の電話番号を控えておく。アプリだけに頼りすぎない「二重の備え」が大事です。
デメリット⑤ 対面のやり取りが完全にゼロになるわけではない
「会話不要」と言いましたが、100%ゼロにはなりません。
乗車時に「〇〇さんですか?」と確認されることもあるし、道中で「この道で合ってますか?」と聞かれることもあります。
ただ、従来のタクシーに比べれば格段に減るのは間違いありません。私の体感では、会話量は10分の1以下になりました。
【ここでしか読めない話】海外のアクセシビリティ事情
少し視野を広げて、海外の事例も紹介させてください。
アメリカ:Uberの「アクセシビリティ機能」
アメリカのUberには、障害者向けの専用オプションがあります。
- 車椅子対応車両(WAV) の配車リクエスト
- 聴覚障害者向けのフラッシュ通知機能
- 視覚障害者向けの音声ガイド強化
日本のUberにはまだ実装されていない機能も多いですが、グローバルでは「アクセシブルな移動」がどんどん進化しているんです。
イギリス:政府主導の「障害者割引」
イギリスでは、一部の自治体が障害者向けのタクシー利用補助制度を設けています。アプリと連携して、登録された障害者には自動的に割引が適用される仕組みです。
日本でも、自治体によっては「福祉タクシー券」などの制度がありますよね。これとアプリを組み合わせて使えるようになったら、もっと便利になるのにと思っています。
【私が変わった瞬間】「できない」を受け入れたら、人生が動き出した
ここまでタクシーアプリの便利さを語ってきましたが、本当に伝えたいのは別のことです。
「克服」をやめた日
27歳で診断がついてから、私はずっと「苦手を克服しなければ」と思っていました。
計算ができないなら、練習すればいい。
会話が苦手なら、慣れればいい。
でも、何年やっても、できないものはできなかった。
30歳を過ぎたころ、ふと思ったんです。
「なんで『できない自分』を変えようとしてるんだろう?」
できないことを、できるようにする努力。それ自体は否定しません。
でも、できないままでも生きていける方法を探す努力だって、同じくらい価値があるんじゃないか。
その発想の転換が、私の人生を変えました。
タクシーアプリは「逃げ」じゃない
「アプリに頼るなんて甘えだ」と思う人がいるかもしれません。
昔の私も、そう思っていたかもしれません。
でも今は、はっきり言えます。
道具を使うことは、逃げじゃない。
メガネをかけている人に「目が悪いのを克服しろ」とは言わないですよね?
車椅子を使っている人に「歩けるように頑張れ」とは言わないですよね?
タクシーアプリは、私にとってのメガネであり、車椅子なんです。
それを使うことで、外出の恐怖が消えた。
行動範囲が広がった。
家族と一緒に出かけられるようになった。
「できない」を道具で補うことで、「できる」が増えたんです。
まとめ:あなたの「外出」が、少しでも楽になりますように
長い記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
改めて、この記事のポイントをまとめます。
【この記事のまとめ】
- タクシーアプリ(GO・Uber) を使えば、会話も計算もほぼ不要になる
- GO は全国対応で配車が早い。Uber は事前料金確定で安心
- 行き先は施設名で検索、よく行く場所はお気に入り登録が便利
- デメリット(電波・充電・混雑時など)も把握して、二重の備えを
- 「できないことを克服する」だけが答えじゃない。道具を使って「できる」を増やすという選択肢もある
背中を押すメッセージ
最後に、同じような困りごとを抱えているあなたに伝えたいことがあります。
外出が怖い気持ち、私にはわかります。
タクシーに乗るだけで疲れる。
お釣りの計算で頭が真っ白になる。
行き先をうまく伝えられなくて、自分を責める。
その辛さ、私も知っています。
でも、今は「道具」がある。
テクノロジーが、私たちの苦手を補ってくれる時代になりました。
使えるものは、使っていい。
頼れるものには、頼っていい。
あなたは一人じゃありません。
このブログが、あなたの「暮らしの攻略本」になれたら嬉しいです。
一緒に、自分らしい生き方を探していきましょう。








