深夜2時のAmazonは「沼」である

みなさん、「深夜のAmazon」「楽天スーパーセール」とどう付き合っていますか?

私たちASD(自閉スペクトラム症)の特性の一つに、「こだわり」や「興味のあることへの過集中」があります。これ自体は素晴らしい才能にもなり得るのですが、ショッピングサイトにおいては「散財のトリガー」になりがちです。

「あ、これ面白そう」 「このガジェットがあれば生活が変わるかも」

そう思った瞬間、頭の中はその商品のことでいっぱいになります。 他のことが手につかない。今すぐ手に入れないと気が済まない。 そして気がつけば、「注文を確定する」ボタンをクリックしている……。

翌日、玄関に届いた段ボールを見て、「なんでこれ買ったんだろう?」と自己嫌悪に陥る。 そんな経験、ありませんか?

恥ずかしながら、私は何度もありました。 特に私はSLD(限局性学習症)で計算が苦手なので、「今月の残高があといくらだから……」という計算が頭の中で瞬時にできません。だからこそ、余計にブレーキが効きにくいのです。

でも、そんな私が今、3400万円の資産を築くことができています。 それは私が稼ぐのがうまいからではありません。 「衝動買いという名の漏水」を止める術を身につけたからです。

今日は、私が実践している「Amazonでポチる前にやる儀式」と、衝動をコントロールする「魔法のリスト」についてお話しします。

儀式1:「ほしい物リスト」は「買い物かご」ではない

まず、大前提のルールです。 「欲しいと思ったら、カートに入れるのではなく『ほしい物リスト』に入れる」

これだけです。でも、これが最強の防波堤になります。

私たち脳は、欲しいものを見つけた瞬間、ドーパミンがドバドバ出ています。「手に入れたい!」という興奮状態です。この状態で「カート」に入れてしまうと、あとは購入ボタンを押すだけ。ハードルが低すぎます。

そこで、私は「ほしい物リスト」を「冷却期間リスト」と名付けて運用しています。

ルール:リストに入れて3日間は絶対に買わない

どんなに魅力的な商品でも、どんなに「残りあと3個」と煽られても、まずはリストに入れます。そして、ブラウザを閉じます。

「3日寝かせる」。これが儀式です。

不思議なもので、その瞬間は「絶対に必要だ!」と熱くなっていたものでも、3日経ってリストを見返すと、「あれ? なんでこれが欲しかったんだっけ?」となることが本当に多いのです。

ASDの特性である「興味の移り変わり」を逆手に取るのです。 3日経ってもまだ熱量が冷めていないなら、それは本当に必要なものかもしれません。でも、大半の「衝動」は、3日あれば風化します。

リストに入れるという行為だけで、脳は「確保した」と錯覚し、ある程度の満足感を得てくれます。まずはここで、最初のフィルタリングを行います。

儀式2:SLDの私を救う「魔法の質問リスト」

3日経ってもまだ欲しい。そんな時に登場するのが、私がスマホのメモ帳に入れている「魔法の質問リスト」です。

購入ボタンを押す前に、このリストを読み上げ、自問自答します。 計算が苦手な私でも直感的に判断できるような内容にしています。

【りゅうぞう流・魔法の質問リスト】

  1. 「それは『Wants(欲しい)』か?『Needs(必要)』か?」
    • Needs(必要):トイレットペーパー、壊れた冷蔵庫の買い替え
    • Wants(欲しい):新型のゲーム機、便利そうな謎のガジェット
    • 判定: Wantsなら、もう1週間リストで寝かせる。Needsなら買う。
  2. 「それを買うお金で、S&P500(投資信託)を何口買える?」
    • これは投資家の視点です。例えば15,000円の買い物なら、「これを我慢すれば、将来の資産がこれだけ増える種になる」と考えます。
    • 消費は一瞬の快楽ですが、投資は未来の安心です。
  3. 「その金額を稼ぐために、自分は何時間働く必要があるか?」
    • 計算が苦手な私ですが、時給換算だけはざっくりイメージします。
    • 「このアイテムを買うために、嫌な会議に3回出なきゃいけない」と想像した瞬間、スッと物欲が引くことがあります。
  4. 「もしこれが現金払いでも、財布からお札を出して買うか?」
    • クレジットカードや電子マネーは「痛み」を感じにくいです。
    • 目の前で1万円札を差し出す痛みと、商品の価値を天秤にかけます。

この儀式を行うことで、冷静な「別の自分」を呼び覚ますことができます。

資産3400万円は「買わなかったもの」の積み重ね

私が3400万円という資産を作れたのは、特別な投資テクニックがあったからではありません。 「無意識の浪費」を徹底的に潰したからです。

数百円、数千円の衝動買いも、積もり積もれば年間で数万、数十万円になります。 それをすべて「S&P500」などのインデックスファンドに回してきました。

「計算ができない」「計画が立てられない」 そんな私たちが資産形成なんて無理だ、と諦める必要はありません。

「買わない」という選択は、誰にでもできる最強の投資なのです。

「魔法のリスト」を使って、Amazonの購入ボタンを押さなかった回数。 それがそのまま、あなたと家族を守る資産に変わっていきます。

【言葉の処方箋】自分の「弱さ」を許すことから

ここまで、衝動買いを止めるテクニックをお話ししてきましたが、最後に少しだけ、心の話をさせてください。

私たちが衝動買いをしてしまう背景には、単なる脳の特性だけでなく、「満たされない何か」があることが多いと感じています。

「周りと同じようにできないストレス」 「将来への漠然とした不安」 「誰かに認められたいという承認欲求」

日々の生活で感じる生きづらさや孤独感を、買い物という「手軽な成功体験」で埋めようとしてしまう。 商品が届いた瞬間だけは、自分が肯定されたような気がする。

もし、あなたが衝動買いをしてしまって自己嫌悪に陥っているのなら、どうか自分を責めないでください。 あなたは、だらしない人間でも、ダメな人間でもありません。 ただ、少し生きづらくて、何かに救いを求めていただけなのかもしれません。

「あ、また買っちゃったな」 「ストレス溜まってたんだな、私」

まずは、そうやって自分の心の声に気づいてあげてください。 「助けて」と言えない代わりに、「ポチる」ことでSOSを出していたのかもしれません。

私が3400万円を貯められたのは、自分を律したからというより、「自分の弱さを認めて、仕組み(リスト)に頼ることにしたから」です。

自分の意志力なんて信用しなくていいんです。 私たちが戦うべき相手は、自分自身ではなく、生きづらい環境や仕組みそのものです。

だから、今日から少しだけ、「仕組み」に頼ってみませんか? ほしい物リストに入れて、3日待ってみる。 それだけで、未来は少しずつ、でも確実に変わっていきます。


このブログでは、こうして私が3400万円の資産を作る過程で実践してきた「障がい特性ハック」や、心が折れそうな夜に効く話を発信していきます。

「計算ができなくても、空気が読めなくても、資産は作れるし、幸せになれる」

その証明を、これからも続けていきます。 よかったら、また遊びにきてくださいね。

りゅうぞう