将来の不安を「期待値」に変える:障害年金や福祉サービス+投資で描く、自分だけの将来設計図

「将来が不安で眠れない夜、ありませんか?」
私はありました。何度も、何度も。
38歳、自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)を持つりゅうぞうです。暗算ができません。九九すら怪しい時があります。それなのに今、約3,400万円の資産を築いています。そのうち90%が株式です。
「え、計算できないのに投資?」
そう思いましたよね。私も最初は自分でも信じられませんでした。でも、これが私の「将来設計図」です。障害年金という土台の上に、投資という柱を立てて、ようやく見えてきた景色があります。
結論から言います。障害があるからこそ、お金の「仕組み化」が必要でした。そして、計算が苦手でも投資はできます。
今日は、かつての私のように将来への不安で押しつぶされそうな方に向けて、私が見つけた「暮らしの攻略法」をお伝えします。
「お金がない」という恐怖が、すべてを奪っていった日々
27歳、診断がついた日の私の通帳残高
27歳で診断がついた時、私の貯金は50万円もありませんでした。
正確には、いくらあったかすら把握できていなかった。通帳を見るのが怖くて、ATMで「残高照会」のボタンを押すことができなかった。
なぜか?
計算ができないから、「いくら使っていいか」がわからない。わからないから、お金を使うたびに罪悪感を感じる。感じるから、通帳を見たくない。見ないから、もっと不安になる。
この無限ループにハマっていました。
当時の私は、こんな状態でした。
お金に関する「できなかったこと」リスト:
- 暗算での支払い(レジでパニックになる)
- 家計簿をつけること(数字を見ると頭が真っ白になる)
- 将来必要なお金の計算(複利?何それ?)
- クレジットカードの明細確認(数字の羅列が地獄)
お金の不安は、心の不安に直結する
精神科の主治医に言われた言葉が忘れられません。
「りゅうぞうさん、お金の不安がある状態で、心は安定しませんよ」
その時は「そんなことわかってる」と思いました。でも、「じゃあどうすればいいんですか」という答えは誰も教えてくれなかった。
障害があると、普通の人より「稼ぐ力」に不安を感じます。いつ働けなくなるかわからない。体調を崩して収入がゼロになったら?老後は?
この「もしも」の恐怖が、毎晩私を襲っていました。
障害基礎年金という「土台」を知った日
「あなた、年金もらえますよ」
転機は30歳の時でした。
たまたま参加した当事者の集まりで、ある人が言いました。
「障害基礎年金、申請した?」
恥ずかしながら、私はその制度の存在すら知りませんでした。
障害基礎年金とは、簡単に言うと「障害によって日常生活や仕事に制限がある人に支給される年金」です。20歳以上で一定の障害状態にあれば、申請できます。
【障害基礎年金の基本情報(2025年現在)】
| 等級 | 年額(目安) | 月額換算 |
|---|---|---|
| 1級 | 約102万円 | 約8.5万円 |
| 2級 | 約82万円 | 約6.8万円 |
※金額は改定されることがあります。最新情報は日本年金機構の公式サイトで確認してください。
私は2級に認定されました。月額約6.8万円が、定期的に口座に振り込まれる。
この「定期収入がある」という事実が、どれほど心の安定につながったか。言葉では表現しきれません。
申請は「戦い」だった
ただ、正直に言います。申請は簡単ではありませんでした。
必要な書類、診断書、病歴・就労状況等申立書…。特に「病歴・就労状況等申立書」は、自分の「できなさ」を文章で説明する必要があります。
SLDで書字に困難がある私には、これが本当に苦しかった。
でも、ここで私が使った「攻略法」があります。
申請を乗り越えた3つの工夫:
- 社会保険労務士(社労士)に相談
- 障害年金を専門とする社労士がいます
- 初回相談無料のところも多い
- 書類作成を代行してもらえる
- 音声入力を活用
- スマホの音声入力で下書きを作成
- 話すことで「書く」ハードルを下げた
- 主治医との連携
- 診断書の内容を事前に相談
- 日常の困りごとを具体的に伝えておく
【りゅうぞうの失敗談】 最初、自分一人で申請しようとして挫折しました。書類を前に3時間固まっていた日もあります。「助けを求める」ことを学んだのは、この経験があったからです。
計算ができない私が「3,400万円」を築くまで
なぜ投資を始めたのか
障害基礎年金をもらえるようになって、少し心に余裕ができました。
でも、月6.8万円で生活できるわけではありません。妻のサポートと、パートタイムの仕事でなんとか生活していました。
そんな時、ふと思ったんです。
「自分が働けなくなっても、お金に働いてもらうことはできないか?」
これが投資を始めたきっかけでした。
「計算できない」が武器になった理由
ここからが、私のブログの「一番伝えたいこと」です。
計算ができないから、私は「複雑なこと」ができませんでした。
デイトレード?無理。チャート分析?数字の羅列で頭が爆発する。個別株の決算書を読む?売上高と利益の違いすらよくわからない。
だから、私は**「一番シンプルな方法」**しか選べなかった。
それが功を奏したんです。
私がやっていること(たったこれだけ)
【りゅうぞうの投資ルール】
- インデックスファンドのみを買う
- 全世界株式(オールカントリー)
- S&P500
- この2つだけ
- 毎月同じ金額を自動で積み立てる
- 給料日に自動設定
- 一度設定したら触らない
- 絶対に売らない
- 下がっても見ない
- というか、見てもわからないから見ない
「え、それだけ?」 と思いましたか?
はい、それだけです。でも、これを10年続けた結果が3,400万円です。
インデックス投資とは?(初心者向け解説)
インデックス投資とは、「市場全体に分散して投資する方法」です。
例えば「S&P500」というインデックスは、アメリカの代表的な500社に丸ごと投資することを意味します。トヨタとか任天堂とか、個別の会社を選ぶ必要がありません。
メリット:
- 分散されているからリスクが低い
- 難しい分析が不要
- 手数料が安い
デメリット:
- 短期間で大きく儲けることは難しい
- 市場全体が下がれば一緒に下がる
私のような計算が苦手な人間には、**「何も考えなくていい」**というのが最大のメリットでした。
なぜ「90%株式」というリスクを取れるのか
ここからは少しマニアックな話です。
一般的に、資産の90%を株式にするのは「リスクが高い」と言われます。教科書的には「年齢が上がるにつれて債券の比率を増やすべき」とも。
でも、私は90%株式を維持しています。その理由を説明します。
理由①:障害基礎年金という「無リスク資産」がある
障害基礎年金は、株価が暴落しても支給額は変わりません。これは実質的に「債券」のような役割を果たしています。
つまり、年金という安定収入があるから、投資資産はリスクを取れるという考え方です。
理由②:「売る判断」ができない自分を知っている
ASDの特性として、私は「急な変化への対応」が苦手です。
株価が暴落した時、「売るべきか持つべきか」という判断を迫られると、パニックになる可能性が高い。だから最初から**「売らない」とルール化**しています。
このルールがあるから、コロナショックの時も何もしませんでした。結果的に、その後の回復で資産は増えました。
理由③:時間を味方につける戦略
38歳の私には、まだ20年以上の投資期間があります。長期で見れば、株式のリターンは債券を上回る傾向があります。
若いうちは株式比率を高く、年齢と共に調整するという戦略は、実は理にかなっています。
ただし、これは「私の場合」です。リスク許容度は人それぞれ。投資は自己責任で、まずは少額から始めることをおすすめします。
具体的な「仕組み化」の方法と使えるツール
計算できない私を支えてくれたテクノロジー
1. マネーフォワードME(家計簿アプリ)
銀行口座やクレジットカードを連携すると、自動で収支を記録してくれます。
私は数字を見るのが苦手ですが、このアプリはグラフで表示してくれる。視覚的に「今月使いすぎかどうか」がわかります。
使い方のコツ:
- 最初の連携設定だけ誰かに手伝ってもらう
- 毎日見なくていい、週1回で十分
- 「分析」機能は無視していい(見ると混乱するから)
2. 楽天証券 or SBI証券の自動積立機能
一度設定すれば、毎月自動で投資信託を購入してくれます。
私は給料日の翌日に自動設定しています。お金が口座にある時間を短くすることで、「使っちゃう」リスクを減らしています。
3. スマートウォッチ(Apple Watch/Garmin)
これは意外かもしれませんが、ストレス管理のために使っています。
投資をしていると、暴落時に不安になります。でも、心拍数や睡眠の質をデータで見ることで、「今、自分がストレスを感じている」と客観視できる。
客観視できると、「だから不安なんだ」と理由がわかる。理由がわかると、少し楽になる。
具体的な月々の流れ(りゅうぞうの場合)
【毎月のお金の流れ】
給料日(25日)
↓
翌日(26日):自動積立で投資(設定額)
↓
月末:固定費が自動引き落とし
↓
残ったお金で生活
↓
月1回:マネーフォワードで「赤字かどうか」だけ確認ポイントは「判断する回数を極限まで減らす」こと。
ASDの私にとって、毎回「いくら投資しよう」「今日は買い時か」と考えることは、大きなストレスです。だから、全部自動化しました。
福祉サービスも「資産」の一部
お金だけじゃない「リソース」を知る
【知っておきたい福祉サービス】
| サービス名 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 自立支援医療 | 医療費の自己負担が1割に | 精神疾患で通院中の方 |
| 障害者手帳 | 税金の控除、公共交通機関の割引など | 一定の障害がある方 |
| 就労継続支援A型・B型 | 働く場所の提供と支援 | 一般就労が難しい方 |
| グループホーム | 生活の場と支援を提供 | 一人暮らしが難しい方 |
| 居宅介護(ホームヘルプ) | 家事や身体介護のサポート | 日常生活に支援が必要な方 |
| 相談支援事業 | 福祉サービスの計画作成 | 障害福祉サービスを使いたい方 |
私が実際に使っている制度
正直に告白します。私は長い間、これらの制度を「使うのが恥ずかしい」と思っていました。
「自分で何とかしなきゃ」「人に頼るのは甘えだ」
そんな思い込みが、私を苦しめていました。
でも、ある日気づいたんです。
これらの制度は、私たちが納めた税金で作られている。使う権利があるものを使わないのは、むしろもったいない。
現在、私が利用している制度は以下の通りです。
【りゅうぞうが利用中の制度】
- 障害基礎年金(2級)
- 自立支援医療(精神科の医療費が1割負担に)
- 精神障害者保健福祉手帳(2級)
特に自立支援医療は、申請するだけで医療費が大幅に下がります。毎月の通院費が3,000円から1,000円になった時は、「なんでもっと早く申請しなかったんだ」と後悔しました。
申請のハードルを下げる方法
「制度があるのは知ってるけど、申請が面倒…」
その気持ち、痛いほどわかります。私もそうでした。
でも、一人で全部やる必要はありません。
申請を楽にする3つの方法:
- 市区町村の障害福祉課に電話する
- 「何から始めればいいですか?」と聞くだけでOK
- 担当者が手順を教えてくれる
- 相談支援専門員を見つける
- 福祉サービスの「ナビゲーター」のような存在
- 申請書類の作成を手伝ってくれることも
- 家族や支援者に同行してもらう
- 一人で行くより、誰かと一緒の方が楽
- 聞き漏らしも防げる
【りゅうぞうの体験談】 初めて障害福祉課に電話した時、手が震えていました。でも、電話に出た担当者は想像以上に親切でした。「わからないことがあれば、いつでも聞いてください」と言ってもらえた時、涙が出そうになりました。
「期待値」という考え方が人生を変えた
不安を数字に変換する
ここで、少し抽象的な話をさせてください。
私は「将来の不安」に長年苦しんできました。でも、あることを学んでから、その不安との付き合い方が変わりました。
それが「期待値」という考え方です。
期待値とは何か?(超シンプル解説)
期待値とは、簡単に言うと「平均的にどれくらいの結果が見込めるか」という数字です。
例えば、サイコロを振って出た目の数だけお金がもらえるゲームがあるとします。1が出たら100円、2が出たら200円…6が出たら600円。
この場合、期待値は(100+200+300+400+500+600)÷6 = 350円です。
つまり、「何回もサイコロを振れば、平均して1回あたり350円もらえる」ということ。
投資における期待値
株式投資の長期的な期待リターンは、過去のデータから年率5〜7%程度と言われています。
もちろん、ある年は+30%、別の年は-20%ということもあります。でも、長い目で見れば、平均してこのくらいのリターンが「期待」できる。
これが私の心を楽にしてくれました。
なぜなら、「来年どうなるか」はわからなくても、「20年後にはたぶんこのくらい」という目安が持てるから。
不安が「漠然としたもの」から「計算できるもの」に変わったんです。
計算できないのに、どうやって?
「いや、計算苦手って言ったじゃん」
その通りです。だから私は計算しません。
計算はツールにやらせます。
【便利な計算ツール】
- 金融庁の「資産運用シミュレーション」
- 積立金額、期間、利回りを入力するだけ
- 自動で将来の資産額を計算してくれる
- 無料で使える
- 楽天証券・SBI証券のシミュレーター
- 証券口座を開設すると使える
- グラフでわかりやすく表示
私は年に1回、このシミュレーターで「今のペースだと60歳で〇〇万円くらい」という目安を確認しています。計算は機械がやってくれるので、私は数字を入力するだけです。
お金が「心の安定剤」になる理由
障害があるからこそ、お金が必要だった
このブログのテーマである「メンタル×資産」について、深く掘り下げます。
障害があると、以下のような「見えないコスト」がかかります。
【障害に関連する「見えないコスト」】
- 通院費(精神科、リハビリなど)
- 薬代
- カウンセリング費用
- 自分に合った道具・環境を整える費用
- 体調不良時の収入減
そして、何より大きいのが「働けなくなるリスク」です。
健常者の方より、私たちは「いつ働けなくなるかわからない」という不安を抱えています。体調の波がある。急に環境が合わなくなることがある。
だからこそ、お金という「安全網」が必要だったんです。
お金があると、選択肢が増える
お金があると、何が変わるか。
「逃げる」という選択肢が持てるようになります。
例えば、職場環境が合わなくなった時。
貯金がなければ、「辞めたら生活できない」と我慢し続けるしかない。でも、半年〜1年分の生活費があれば、「合わなければ辞めて、次を探そう」と思える。
この「逃げられる」という安心感が、心の安定につながるんです。
逆説的ですが、「逃げられる」と思えるから、意外と逃げなくて済むことも多い。精神的に追い詰められなくなるから、冷静に状況を判断できるようになる。
私の「心が楽になった瞬間」
具体的な金額を言うと、生活費の2年分(約500万円)が貯まった時、明らかに心が軽くなりました。
「最悪、2年間収入ゼロでも生きていける」
この事実が、どれほどの安心感を与えてくれたか。
眠れない夜が減りました。将来への漠然とした恐怖が、「まあ、なんとかなるか」という楽観に変わりました。
お金は、自由を買う道具でもあり、心の安定を買う道具でもある。
これが、10年間投資を続けてきた私の実感です。
【第8章】デメリットと注意点(正直に話します)
投資は魔法ではない
ここまで投資の良い面を書いてきましたが、デメリットも正直にお伝えします。
【投資のデメリット・注意点】
- 元本保証がない
- 投資したお金が減る可能性がある
- 最悪の場合、半分以下になることも(リーマンショック時など)
- 短期間では結果が出ない
- 1〜2年では大きく増えない
- 10年、20年という単位で考える必要がある
- メンタルへの影響
- 暴落時に不安になる
- 毎日価格を見てしまうと精神的に辛い
- 生活防衛資金を先に確保すべき
- 最低でも3〜6ヶ月分の生活費は現金で持っておく
- いきなり全額投資は危険
私の失敗談
実は私、最初は大きな失敗をしています。
投資を始めた頃、生活防衛資金を十分に確保せずに投資を始めてしまいました。結果、急な出費があった時に投資信託を売らなければならなくなり、損をしました。
この経験から学んだのは、「順番が大事」ということ。
【お金を整える順番】
STEP1:生活防衛資金を貯める(3〜6ヶ月分)
↓
STEP2:障害年金・福祉制度を申請する
↓
STEP3:固定費を見直す(格安スマホ、保険など)
↓
STEP4:余剰資金で投資を始める(少額から)
↓
STEP5:慣れてきたら金額を増やす焦らなくていいです。 私も10年かけてここまで来ました。
【第9章】まとめ:あなたの「将来設計図」を描こう
私が伝えたかったこと
長い記事をここまで読んでくださり、ありがとうございます。
最後に、この記事で伝えたかったことをまとめます。
【この記事のまとめ】
- 障害があるからこそ、お金の「仕組み化」が重要
- 判断する回数を減らすことで、ストレスを減らせる
- 障害年金は「土台」になる
- 申請は大変だが、専門家(社労士)の力を借りよう
- 計算が苦手でも投資はできる
- インデックス投資×自動積立なら、計算不要
- 福祉サービスも「資産」の一部
- 使える制度を知り、使う権利を行使しよう
- お金は心の安定剤になる
- 「逃げられる」という選択肢が、心を軽くする
あなたへのメッセージ
かつての私のように、将来への不安で眠れない夜を過ごしている方へ。
大丈夫。一歩ずつでいいんです。
私は27歳で診断を受け、30歳で障害年金を申請し、そこから少しずつ投資を始めました。最初は月1万円から。それでも、10年経った今、3,400万円の資産ができました。
暗算もできない。九九も怪しい。書類を書くのは今でも苦手。
でも、「仕組み」と「ツール」と「少しの勇気」があれば、なんとかなります。
あなたは一人じゃない。
このブログが、あなたの「暮らしの攻略本」の一部になれたら嬉しいです。







