「働けなくなっても大丈夫」というお守り:3400万円の資産が、ASDの二次障害(うつ・適応障害)を防いでくれている話

計算ができない私が、なぜ3400万円を貯められたのか
「もし明日、働けなくなったらどうしよう」
この恐怖と一緒に眠れない夜を過ごしたこと、ありませんか?
私は何度もあります。
自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)を持つ私にとって、「普通に働き続けること」は決して当たり前ではありませんでした。職場の暗黙のルールが読めない。急な予定変更でパニックになる。そして何より、暗算ができない。買い物のお釣りすら頭で計算できない私が、どうやってお金を貯められるのか?
正直に言います。
私は今、3400万円の資産を持っています。
そのうち90%以上が株式です。毎月の配当金は約4万円。年間で約48万円が、何もしなくても入ってくる仕組みを作りました。
「計算ができないのに投資?嘘でしょ?」
そう思いますよね。私も最初は思っていました。でも、この「矛盾」こそが、同じように苦しんでいるあなたに伝えたい希望なんです。
この記事では、障がいがあるからこそお金が必要だった理由、そして計算が苦手でも資産を築けた具体的な方法をすべてお話しします。
なぜ「お金」が最強のお守りになったのか
二次障害との闘い:うつと適応障害の入り口で踏みとどまれた理由
27歳で診断を受けるまでの私は、まさにボロボロでした。
- 職場で「空気を読め」と言われ続ける日々
- 急な残業や予定変更で頭が真っ白になる
- 「なんでみんなと同じようにできないの?」という自責の念
ある日、朝起きたら体が動かなくなりました。
布団から出ようとしても、手足に力が入らない。涙だけが勝手に流れてくる。これが、二次障害(うつ・適応障害)の入り口だったんです。
でも、私はギリギリのところで踏みとどまれました。
その理由は、「最悪、辞めても1年は生きていける貯金があった」から。
当時はまだ1000万円程度でしたが、「お金がある」という事実だけで、「逃げ道がある」と思えたんです。
【初心者向け解説:二次障害とは?】
発達障害そのものではなく、周囲の無理解や過度なストレスによって引き起こされるうつ病、適応障害、不安障害などのことです。本来の障害より、この二次障害に苦しむ当事者が非常に多いと言われています。
お金は「選択肢」を買うためのツール
誤解しないでください。私は「お金があれば幸せになれる」とは思っていません。
でも、お金は「選択肢」を増やしてくれるんです。
- 合わない職場を辞める選択肢
- 嫌な人間関係から距離を置く選択肢
- 休職して心を休める選択肢
- 転職活動に時間をかける選択肢
障がいを持っていると、「我慢しなきゃ」「ここで辞めたら次はない」という思考に陥りがちです。私も何度もそう思いました。
でも、通帳を見て「最悪、2年は生きていける」と確認できたとき、不思議と肩の力が抜けたんです。
お金は心の安定剤。それが、私の実感です。
計算ができない私の「資産形成術」
私の「できない」を正直に公開します
まず、私の苦手なことを正直にお伝えします。
【苦手なこと(SLDの影響)】
- 暗算が全くできない(3桁の足し算で頭が真っ白になる)
- 書字が極端に遅い(手書きで文章を書くのに人の3倍かかる)
- 複数の数字を同時に処理できない(株価と購入価格を比較するのも困難)
【苦手なこと(ASDの影響)】
- 暗黙の了解が読めない(「察して」が通じない)
- 急な予定変更でパニックになる
- 電話対応が極端に苦手
こう書くと、「投資なんて無理じゃない?」と思いますよね。
でも私には、「できること」もあるんです。
【得意なこと】
- 興味のあることへの異常な集中力(過集中)
- ルールが明確なことへの強さ(「毎月○日に○円投資する」など)
- 一度決めたことを淡々と続けられる
- パターン認識(「この条件ならこうする」という判断)
この「できること」を最大限活かしたのが、私の資産形成術です。
「計算しない投資」という選択
結論から言います。
私は、計算しなくていい投資法を選びました。
具体的には、以下の3つのルールだけを守っています。
【りゅうぞう式・計算しない投資3原則】
- 毎月同じ日に、同じ金額を投資する(積立投資)
- 個別株ではなく、投資信託かETF(上場投資信託)を選ぶ
- 一度買ったら、絶対に売らない
これだけです。
「え、それだけ?」と思いましたか?
そう、それだけなんです。
複雑な計算は一切していません。株価が上がっても下がっても、毎月決まった日に決まった金額を投資する。この「ドルコスト平均法」と呼ばれる方法なら、タイミングを読む必要がないんです。
【初心者向け解説:ドルコスト平均法とは?】
株価が高いときは少なく、安いときは多く買うことになるため、購入単価が平均化される投資法です。「いつ買えばいいかわからない」という悩みを解決してくれます。
【初心者向け解説:ETFとは?】
Exchange Traded Fund(上場投資信託)の略。複数の株式がセットになった「詰め合わせパック」のようなもので、1つ買うだけで分散投資ができる便利な商品です。
私が実際に使っているツールと仕組み
具体的に、私が使っているものを公開します。
【証券口座】
- SBI証券:手数料が安く、自動積立設定が充実している
- 楽天証券:楽天ポイントで投資できるのが地味に便利
【メインで積み立てている商品】
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):これ1本で世界中に分散投資できる
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:米国の優良企業500社に投資で‘きる
【高配当株ETF(配当金目当て)】
- VYM(バンガード・米国高配当株式ETF):1株約18,000円前後(2025年12月時点)
- HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF):1株約17,500円前後
【私の毎月のルーティン】
- 毎月25日(給料日の翌日)に証券口座をチェック
- 自動積立が実行されているか確認(5分で終わる)
- 配当金が入っていたら、そのまま再投資に回す
以上です。
計算は一切していません。
証券口座のアプリが全部やってくれます。私は「確認」しているだけ。この「確認作業」が、逆に安心感を生んでいます。
なぜ「高配当株投資」を選んだのか?
少しマニアックな話をします。
インデックス投資(全世界株式やS&P500への積立)だけでも十分に資産は増えます。むしろ、効率だけを考えるなら配当金を出さずに再投資してくれる投資信託の方が有利です。
でも私は、あえて高配当株ETFにも投資しています。
理由は、「目に見えるお金」が欲しかったから。
発達障害を持っていると、「将来のために今を犠牲にする」という感覚が苦手な人が多いんです。私もそうでした。「20年後にお金が増える」と言われても、実感が湧かない。
でも、毎月4万円の配当金が入ってくると、「あ、ちゃんと増えてる」と目で見て確認できる。この「見える化」が、私のモチベーションを支えてくれました。
合理性だけが正解じゃない。
自分の特性に合った投資法を選ぶことが、長く続ける秘訣だと思っています。
「できない自分」を受け入れてから、人生が変わった
障がいを職場に伝えた日のこと
資産を築くことと同じくらい大切だったのが、「できない自分」を受け入れることでした。
私は30歳のとき、初めて職場に障がいを開示しました。
正直、めちゃくちゃ怖かったです。
「使えないやつ」と思われるんじゃないか。 「言い訳してる」と言われるんじゃないか。 最悪、クビになるんじゃないか。
でも、限界だったんです。
毎日「普通のふり」をするのに疲れ切っていた。帰宅後はソファで動けなくなる日が続いていた。このままだと、本当に壊れると思いました。
上司との面談で、私はこう伝えました。
「私は自閉スペクトラム症と限局性学習症という障がいを持っています。急な予定変更が苦手で、暗算ができません。でも、ルールが明確な業務や、一つのことに集中する仕事は得意です。迷惑をかけることもあるかもしれませんが、工夫しながら働きたいと思っています。」
言い終わったとき、手が震えていました。
上司の反応は、予想外でした。
「教えてくれてありがとう。何か困ったことがあったら、遠慮せずに言ってほしい。できることとできないこと、一緒に整理していこう。」
涙が出ました。
もちろん、すべての職場がこうではないと思います。理解のない上司もいるでしょう。でも、「伝えなければ、永遠に伝わらない」ということだけは確かです。
「助けて」と言えるようになるまで
障がいを開示してからも、すぐに楽になったわけではありません。
「助けて」と言うことが、こんなに難しいとは思いませんでした。
- 「こんなことで助けを求めていいのか」
- 「迷惑だと思われないか」
- 「自分でなんとかするべきじゃないのか」
この思考が、ずっと邪魔をしていました。
転機になったのは、妻の一言でした。
「あなたが限界になってから言われても、私は何もできないよ。限界になる前に言ってほしい。それは、私を信頼してないってことじゃないの?」
刺さりました。
「助けて」と言うことは、弱さではなく、信頼の証なんだと気づいたんです。
それから少しずつ、小さな「助けて」を言えるようになりました。
- 「この計算、確認してもらえますか?」
- 「この予定、変更があったら早めに教えてもらえると助かります」
- 「今日は調子が悪いので、静かな場所で作業させてください」
完璧な自分を演じることをやめた瞬間、世界が少しだけ優しくなりました。
まとめ:「逃げ道」があるから、前を向ける
最後に、伝えたいことをまとめます。
【この記事の要点】
- お金は「選択肢」を買うためのツール。働けなくなっても生きていける資産があれば、心に余裕が生まれる
- 計算が苦手でも投資はできる。計算しなくていい仕組み(積立投資・ETF)を選べばいい
- 「できない自分」を受け入れることが、楽に生きる第一歩。「助けて」と言える関係を少しずつ作っていく
- 二次障害を防ぐ最大の武器は「逃げ道」を持つこと。お金・人間関係・居場所、どれでもいい
3400万円は、一夜にして築いたわけじゃない
正直に言います。
私が3400万円を貯めるまでには、約10年以上かかりました。
最初の1年は、月3万円の積立からスタート。当時の年収は300万円台。決して余裕があったわけではありません。
でも、「将来の自分を守るために」と思って、毎月コツコツ続けました。
途中で株価が暴落したこともあります。2020年のコロナショックでは、資産が一時的に40%以上減りました。正直、怖かったです。「やっぱり投資なんてしなきゃよかった」と思った夜もありました。
でも、売りませんでした。
「計算できない私には、タイミングを読むなんて無理」と割り切っていたから。暴落時に売ってしまうと、その後の回復に乗れない。それだけは、本や動画で学んでいたんです。
結果的に、2024年末時点で資産は3400万円を超えました。毎月の配当金は約4万円。年間で約48万円が、働かなくても入ってくる。
これが、私の「お守り」です。
あなたへ伝えたいこと
ここまで読んでくださったあなたに、最後に伝えたいことがあります。
「完璧な自分」を目指さなくていい。
「普通になろう」としなくていい。
できないことは、できないままでいい。
私は今でも暗算ができません。急な予定変更でパニックになります。職場で「空気を読め」と言われると、何を言われているのかわかりません。
でも、そんな私でも、3400万円の資産を築けました。妻と子供と、穏やかに暮らせています。
「普通」にはなれなかったけど、「自分なりの幸せ」は見つけられました。
あなたが今、苦しんでいるなら。
診断されたばかりで戸惑っているなら。
「自分には無理だ」と思っているなら。
一つだけ覚えておいてください。
「逃げ道」を作ることは、負けじゃない。
むしろ、自分を守るための戦略です。
お金でも、人間関係でも、趣味でも、なんでもいい。「ここがダメでも、こっちがある」と思える場所を、少しずつ作ってください。
私も不器用なりに、これからも試行錯誤を続けます。
このブログが、あなたにとって小さな「逃げ道」の一つになれたら、こんなに嬉しいことはありません。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
りゅうぞう







