書けない・計算できない私が3,400万円の資産を築けた理由──ASD×SLD当事者の「テクノロジー信仰投資術」

「計算が苦手なのに、投資なんてできるわけがない」
そう思っていませんか? 実は私もかつてはそう信じていました。ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を持つ私は、計算と書字に著しい困難があります。電卓を使っても桁を間違え、手書きのメモは判読不能。財務諸表なんて、見ただけで頭が真っ白になります。
でも今、私の資産は3,400万円。そのうち90%が株式です。
結論を先に言います。計算ができなくても、投資はできます。むしろ、「計算に頼れない」からこそ見えてくる投資の本質があるのです。
この記事では、私がどうやって障がいと向き合いながら投資を続けてきたか、そして「財務諸表が読めない私」が選んだ独自の投資スタイルについて、包み隠さずお伝えします。
私の特性と、投資を始めるまでの葛藤
「数字が怖い」という呪縛
ASDとSLDの診断を受けたのは成人してからでした。それまでは「努力が足りない」「集中力がない」と言われ続け、自分を責めてばかりいました。
特に辛かったのが、計算への恐怖です。
- レジでお釣りを渡されるとパニックになる
- 家計簿をつけようとして数字が合わず、何度も挫折
- 銀行の残高照会で数字を読み間違え、口座が空っぽだと勘違いして泣いたこともある
こんな私が投資を始めようと思ったきっかけは、リハビリ職の友人の一言でした。
「あなたは未来を想像する力がすごい。それって投資に必要な才能じゃない?」
正直、半信半疑でした。でも、「このままじゃいけない」という焦りもありました。障がい者雇用で働く私の収入は決して多くありません。老後資金、医療費、介護費用…将来への不安は尽きませんでした。
テクノロジーが私を救った
投資を始めるにあたって、私が最初にしたことは**「自分の弱点を補うツール探し」**でした。
計算ができないなら、計算させればいい。 書けないなら、記録させればいい。 読めないなら、読み上げさせればいい。
こうして見つけたのが、以下のツールたちです。
私の投資を支えるテクノロジー:
- 証券アプリの自動計算機能: 損益計算、リバランス提案、税金シミュレーションまで全自動
- 音声読み上げソフト(音声アシスタント): 企業ニュースや決算資料を「聴く」
- AI要約ツール(ChatGPT、Claude): 長文レポートを数行に要約、専門用語も平易に解説
- スマートスピーカー: 「今日のNVIDIAの株価は?」と話しかけるだけで情報取得
- 自動積立設定: 毎月決まった日に自動で買い付け、人為的ミスを防ぐ
これらのツールのおかげで、私は「計算ができない」というハンディキャップをほぼ無効化できました。
ここで気づいたんです。「私が頼っているこのテクノロジー、これからもっと進化する。そして、それを作っている企業に投資すればいいんだ」と。
私の投資スタイル:「コア・サテライト×テーマ集中」戦略
コア資産は「全部おまかせ」
私のポートフォリオは大きく2つに分かれています。
【コア資産:約70%】
- インデックス投資信託: 全世界株式、米国株式、先進国株式など
- 債券ファンド: 守りの資産として
- REIT(不動産投資信託): 分散効果を狙って
これらは完全に自動積立です。毎月決まった金額を、決まった銘柄に投資し続ける。リバランスも年に1回、証券会社のツールに任せます。
「市場全体に賭ける」というシンプルな戦略です。財務諸表を読む必要はありません。経済が成長すれば、自然と資産も増えます。
サテライト資産で「信じる未来」に賭ける
そして、残りの約30%が個別株です。
私が保有する個別株は、すべてテクノロジー関連企業です。
現在の保有銘柄(2025年12月時点):
- NVIDIA: AI半導体のリーダー
- Astera Labs: データセンター接続技術
- Rubrik: クラウドデータ管理
- Reddit: ソーシャルプラットフォーム
- Applovin: モバイル広告技術
- On Holding: 高機能スニーカー(技術重視)
- Tempus AI: AIヘルスケア
- Lyft: ライドシェアプラットフォーム
- UiPath: RPAソフトウェア
「ハイテク偏重だ」「リスクが高すぎる」という指摘は甘んじて受けます。その通りです。
でも、これは意図的な選択なんです。
なぜ私は「テクノロジー企業」だけに投資するのか
私の投資テーマ:「計算機が人間を拡張する未来」
私が信じているのは、「コンピューターが人間の知的作業を代替・拡張していく未来」です。
これは単なる予測ではありません。私自身の生存戦略なんです。
計算ができない私が投資できているのは、テクノロジーのおかげです。
- 自動計算がなければ、損益を把握できない
- 音声読み上げがなければ、情報収集ができない
- AI要約がなければ、決算資料を理解できない
私は毎日、テクノロジーに命を救われています。
だから私は、この未来に全力で賭けています。
「財務諸表が読めない」からこそ見えるもの
多くの投資家は、PER(株価収益率)やROE(自己資本利益率)といった財務指標を重視します。
私にはそれができません。数字を見ても、理解できないんです。
でも、別の視点があります。
- この技術は、5年後の世界をどう変えるか?
- この企業が解決しようとしている問題は、本当に重要か?
- 私自身がこのサービスを使いたいと思うか?
例えば、NVIDIAを買ったのは「AI半導体のシェアが高いから」ではありません。「AIが私のような障がい者の生活を劇的に改善するから」です。
UiPathを買ったのは「RPAの市場規模が拡大しているから」ではありません。「ロボットが単純作業を代替すれば、人間はもっとクリエイティブな仕事ができるから」です。
数字ではなく、ストーリーで投資する。
これが私のスタイルです。
実践編:私の投資ルーチンと使っているツール
毎日のルーチン(所要時間:約30分)
朝(起床後)
- スマートスピーカーに「今日のNYダウとナスダックは?」と話しかける
- 証券アプリを開き、保有銘柄の騰落率をチェック(音声読み上げON)
- 気になるニュースがあれば、AIに要約させて「聴く」
夜(就寝前)
- 1日の投資額と総資産をスクリーンショット(手書きメモは不可能なので)
- 翌日の自動積立設定を確認
- 週に1回、ポートフォリオ全体のバランスをチェック
私が愛用しているツール・アプリ
証券口座:
- 楽天証券: UIがシンプルで音声読み上げとの相性が良い
- SBI証券: 米国株の取り扱い銘柄が豊富
情報収集:
- ChatGPT/Claude: 決算資料や企業レポートをコピペして「小学生でもわかるように要約して」と指示
- 音声読み上げブラウザ拡張機能: 記事を「聴く」ことで情報収集の速度が10倍に
- Googleアラート: 保有銘柄の企業名で設定、重要ニュースを自動通知
記録・管理:
- Googleスプレッドシート: テンプレートを作成し、証券アプリから自動連携
- 音声入力メモ: 投資判断の理由を音声で記録(後で聴き直せる)
使い方のコツとデメリット
コツ:
- AIに質問するときは「専門用語を使わず、具体例を挙げて説明して」と指示する
- 音声読み上げは1.5倍速に設定(集中力が続く)
- スクリーンショットはGoogle Photosに自動バックアップ(紛失防止)
デメリット:
- AIの要約は間違っていることもある→複数のAIで確認する習慣をつける
- 音声読み上げは図表やグラフに対応していない→「どうせ読めないから」と割り切る
- 自動化に頼りすぎると、相場の「肌感覚」が鈍る→週に1回は手動でチェック
【中級者コラム】AI時代の「決算書いらず投資術」
従来の投資では、「財務諸表を読めること」が前提でした。でも、AI技術の進化により、この前提が崩れつつあります。
私が実践している「決算書いらず投資術」:
- 決算資料をAIに読ませる: PDFをそのままChatGPTにアップロード
- 「この企業の強みと弱みを3つずつ教えて」と質問
- 「今後5年間の成長ドライバーは何か?」と深堀り
- 複数のAI(ChatGPT、Claude、Gemini)で回答を比較
- 共通して指摘される点を「真実」と仮定
この方法なら、PERもPBRも知らなくても、企業の本質が見えてきます。
もちろん、AIの回答を鵜呑みにするのは危険です。でも、「何もわからない」状態から「おおよその構造が見える」状態になるだけで、投資判断の精度は格段に上がります。
財務諸表が読めない私たちにとって、AIは最強のパートナーです。
私の失敗談と、そこから学んだこと
失敗①:「音声読み上げの聞き間違い」で誤発注
ある日、音声読み上げで「1株100ドル」と聞こえたのが、実は「1株1,000ドル」でした。
そのまま発注ボタンを押してしまい、予算の10倍の金額を買ってしまったのです。
幸い、すぐに気づいて損切りできましたが、約3万円の損失。
教訓: 発注前に「金額の桁」を必ず目視確認する(フォントを最大サイズに設定)
失敗②:「自動積立」の設定ミスで二重買付
自動積立を設定したつもりが、誤って「毎週」と「毎月」の2つを設定してしまいました。
結果、同じ銘柄を毎週も毎月も買い続け、ポートフォリオが偏りまくり。
教訓: 設定変更後は必ず「確認画面」をスクリーンショットして保存
失敗③:「テーマ偏重」でハイテク株暴落時に含み損500万円
2022年、米国金利上昇でハイテク株が総崩れしました。
私のポートフォリオは個別株がすべてハイテクだったため、含み損が一気に500万円に。
正直、眠れない夜が続きました。
でも、売りませんでした。
なぜなら、「5年後、10年後の未来は変わっていない」と信じていたから。
結果、2024年にはAIブームで株価回復。含み損はプラスに転じました。
教訓: 短期の値動きに一喜一憂しない。「信じるテーマ」がブレていなければ、持ち続ける。
まとめ:「できないこと」ではなく、「できること」にフォーカスする
私は計算ができません。 財務諸表も読めません。 手書きのメモも取れません。
でも、3,400万円の資産を築けました。
それは、「できないこと」を嘆くのではなく、「できること」に全力を注いだからです。
- 計算ができない→テクノロジーに計算させる
- 財務諸表が読めない→AIに要約させる
- 未来を想像する力→それを投資に活かす
あなたにも、必ず「できること」があります。
そして、その「できること」を最大化するテクノロジーは、すでに存在しています。
私が投資しているのは、単なる「企業」ではありません。 「私たちの可能性を広げてくれる未来」に投資しているんです。
もしあなたが、「障がいがあるから投資なんて無理」と思っているなら、この記事が少しでも背中を押すきっかけになれば嬉しいです。
計算ができなくても、投資はできる。 むしろ、「計算に頼れない」からこそ見える投資の本質がある。
さあ、一緒に未来に賭けてみませんか?







