はじめまして、管理人のりゅうぞうです。 現在38歳。妻と子供一人と暮らす、どこにでもいそうな父親です。

でも、私には少しだけ「普通」と違うところがあります。 それは、自閉スペクトラム症(ASD)限局性学習症(SLD)という2つの障害を持っていること。そして、会社員として「仕事ができない」と悩み続けながらも、3400万円(うち9割は株式)の資産を築いたということです。

今日の記事は、今まさに職場で「使えない」と言われ、トイレの個室で涙をこらえているあなたに向けて書きます。 あるいは、「将来どうやって生きていけばいいのかわからない」と不安に押しつぶされそうなご家族に向けて。

これは、計算すらまともにできない私が、資本主義という荒波の中で見つけ*「生存戦略」の話です。 綺麗事抜きで、「逃げるための投資」について語らせてください。

1.「努力不足」だと思っていた20代の暗闇

私が自分の障害の診断を受けたのは、27歳のときでした。 それまでの20数年間は、一言で言えば「暗闇の中の手探り」でした。

特に苦しめられたのが、「計算」と「文字を書くこと」です。 これが私のSLD(限局性学習症)の特性でした。

学生時代はまだ良かったのです。「勉強が苦手な子」で済みましたから。 しかし、社会に出るとそれは「致命的な欠陥」として私に襲いかかりました。

簡単な伝票整理で桁を間違える。 電話を受けながらメモを取ると、自分でも読めない文字になる。 お釣りの計算がパッとできない。

上司からは毎日のように怒鳴られました。 「やる気があるのか!」 「何度言ったらわかるんだ!」 「お前、学生気分が抜けてないんじゃないか?」

違います。やる気はあるんです。必死なんです。 周りの人が1回でできることを、私は裏で10回練習しても間違える。 注意深く、指差し確認をしても、なぜか数字がすり抜けていく。

「自分はなんてダメな人間なんだろう」 「どうして皆と同じようにできないんだろう」

帰りの電車の中で、窓に映る自分の疲れた顔を見ながら、自分を責め続ける毎日でした。 努力が足りないからだ。甘えているからだ。そう思い込んで、自分を追い詰め続けていました。

2.診断という名の「赦し」

27歳で診断名がついた時、私が感じたのはショックではありませんでした。 心から湧き上がってきたのは、「安堵」でした。

「ああ、そうだったのか」 「私が悪いんじゃなかった。脳のタイプの問題だったんだ」

それは、自分自身への「赦(ゆる)し」の瞬間でもありました。 足がない人が走れないのを「努力不足」と言わないように、脳の機能に偏りがある私が計算ミスをするのは、ある種「仕方がないこと」なのだと、ようやく腑に落ちたのです。

でも、現実は待ってくれません。 診断がついたからといって、急に計算ができるようになるわけでも、会社が特別扱いしてくれるわけでもありません。 妻もいれば、子供もいます。生活費はかかります。

「仕事ができない自分」のまま、どうやって家族を守り、生きていくか。 そこで私がたどり着いた答え。 それが、「労働以外で生きる力を持つこと」、つまり「投資」でした。

3.計算ができないのに、なぜ投資ができるのか?

ここで疑問に思う方もいるでしょう。 「計算もできないSLDの人間が、投資なんてできるの?」と。

実は、これが大きな誤解なのです。 現代の投資(特に私が実践しているインデックス投資や高配当株投資)において、高度な暗算能力は全く必要ありません。

複雑な計算は、スマホやPCがやってくれます。 必要なのは、「計算力」ではなく、「論理的思考力」や「長期的な視点」、そして「自分の決めたルールを守り抜く意志」です。

ここで、私のもう一つの特性であるASD(自閉スペクトラム症)が強みとして発揮されました。

  • 興味のある分野への深い集中力: 銘柄の分析や、世界経済の動きを調べることに没頭できる。
  • 独自の視点: 周囲の感情的な売買(暴落時のパニック売りなど)に流されず、淡々と事実に基づいて行動できる。
  • ルーティンを守る力: 毎月決まった額を、決まった銘柄に積み立て続けることを苦痛に感じない。

職場では「空気が読めない」「臨機応変な対応ができない」と欠点扱いされるASDの特性が、投資の世界では「市場の空気に流されない」「一貫した戦略を実行できる」という最強の武器に変わったのです。

計算は電卓に任せればいい。 私は、自分の「得意」な部分だけを使って、資産形成に没頭しました。

4.「逃げの投資」が心を救う

私が3400万円という資産を築くモチベーションになったのは、高級車に乗りたいわけでも、豪遊したいわけでもありません。

ただひたすらに、「今のこの苦しい環境から、いつでも逃げ出せる切符」が欲しかったのです。

私はこれを「逃げの投資」と呼んでいます。

上司に理不尽に怒られた時。 自分のミスで周りに迷惑をかけ、いたたまれなくなった時。 「もう辞めたい」と心が悲鳴を上げた時。

銀行口座や証券口座にある「3400万円」という数字は、私にこう囁いてくれます。 『りゅうぞう、大丈夫だ。最悪、明日会社を辞めても、数年は家族と食べていける』

この「心の防具」があるだけで、不思議と呼吸がしやすくなるのです。 「嫌なら辞めればいい」と思えるようになると、過度な緊張が解け、皮肉なことに仕事のミスも少し減りました。

「仕事ができない=死」ではない。 「仕事ができなくても、投資で資産が増えていれば、人生はなんとかなる」。

この事実は、自己肯定感がズタズタになっていた私にとって、唯一の光でした。

5.傷ついた心への処方箋

今、このブログを読んでいるあなたへ。 あなたは今、かつての私のように「自分は無能だ」と自分自身を傷つけていませんか?

どうか、そのナイフを置いてください。 あなたが仕事ができないのは、あなたの人間性が劣っているからではありません。 ただ、「今の環境(職種や業務内容)」と「あなたの特性」が合っていないだけなのです。

魚が陸で走れないように、鳥が海で泳げないように。 私たちには、私たちの「戦える場所」と「戦えない場所」が明確にあります。

もし、今の職場が「戦えない場所」で、毎日が地獄のように感じるなら。 そこから逃げる準備を始めましょう。

「逃げる」というと、無責任なことのように聞こえるかもしれません。 でも、ASDやSLDの特性を持つ私たちにとって、合わない環境にしがみつき続けることは、精神を壊すことと同義です。

逃げることは、生き延びることです。 そして、そのための「逃走資金」を作るのが、私たちが目指すべき投資なのです。

6.「助けて」と言える勇気と、お金の力

障害を持つ私たちが生きていく上で、もう一つ大切なスキルがあります。 それは、「助けて」と言う力です。

私は長い間、これが言えませんでした。 「できない」と言うことは、負けを認めることだと思っていました。 でも、限界が来て倒れてしまっては、元も子もありません。

今は、職場でこう言えるようになりました。 「私は計算が苦手です。ダブルチェックをお願いできませんか?」 「急な予定変更はパニックになります。早めに教えていただけませんか?」

自分の弱さをさらけ出すのは怖いことです。 でも、その恐怖を少しだけ和らげてくれるのも、やはり「資産」の存在でした。

「自分には資産がある。だから、もしこの職場が理解してくれないなら、別の場所を探せばいい」

お金は、単なる紙切れや数字ではありません。 私たちのような、社会適応に苦しむ人間にとっては、「選択肢」そのものなのです。 嫌なことから逃げる選択肢。 自分のペースで生きる選択肢。 自分らしくあるための選択肢。

7.これから投資を始めるあなたへ

「3000万なんて無理だ」と思いましたか? 私も最初はゼロでした。毎月数千円、数万円の積み立てから始めました。

大切なのは金額の大きさではありません。 「自分を守るための行動を始めた」という事実が、あなたの自尊心を回復させてくれます。

「会社に依存しきっている自分」から、「自分の足で立とうとしている自分」へ。 その意識の変化こそが、最大の資産です。

私は計算ができません。 字も汚いです。 空気を読むのも苦手です。

でも、投資はできます。 家族を愛し、守ることはできます。 そして、こうしてブログを通して、同じ苦しみを持つあなたに「大丈夫だ」と伝えることができます。

仕事ができなくても、生きていけます。 怒られてばかりの毎日でも、未来は変えられます。

まずは、証券口座を開設するという小さな「逃げの準備」から始めてみませんか? その一歩が、いつかあなたを暗闇から救い出す、最強の生存戦略になるはずです。

このブログでは、具体的な投資の手法や、発達障害を持つ私たちが社会でどう振る舞えば楽に生きられるか、その「工夫」を包み隠さず発信していきます。

不器用な私ですが、どうぞこれからも、ゆっくりしていってください。 一緒に、生き延びましょう。


管理人:りゅうぞう