20年間の「なんで自分だけできないんだろう」という苦しみ

「どうして周りと同じようにできないんだろう」

あなたも、そんな言葉が頭の中でぐるぐる回った経験はありませんか?

私は38歳、妻と子供と暮らすりゅうぞうです。自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)という2つの障がいを持っています。

先に結論をお伝えします。

苦手なことを「人並み」にする努力は、もうやめていいんです。その代わり、得意なことでお金を稼いで、苦手は「外注」すればいい。

「えっ、そんなの逃げじゃないの?」

そう思いますよね。私も昔はそう思っていました。でも、この考え方に切り替えてから、私の人生は劇的に変わりました。

計算が壊滅的に苦手な私が、現在3,400万円の資産を築いています。そのうち90%が株式です。

嘘みたいでしょう?でも本当の話なんです。


私の「できない」は想像以上だった

暗算ができない、という現実

私のSLD(限局性学習症)は、特に計算と書字に現れます。

具体的にどれくらい苦手かというと:

  • 暗算が全くできない(7×8が即答できない)
  • お釣りの計算ができない(レジで固まる)
  • 手書きの文字が読めないレベルで汚い
  • 数字の桁を読み間違える(100万と1,000万を見間違える)

「え、それで投資できるの?」と思いますよね。

私も最初は無理だと思っていました。でも、ある時気づいたんです。

「計算は機械がやってくれる」ということに。

ASDがもたらす「異常な集中力」

一方で、ASD(自閉スペクトラム症)がもたらした「強み」もあります。

  • 興味のある分野への異常な集中力
  • 独自の視点で物事を捉える力
  • 流行に流されない「逆張り思考」
  • 同じ作業を淡々と続けられる持続力

投資の世界では、この特性がプラスに働くんです。

周りが「今この株が熱い!」と騒いでいても、私は全く興味を持ちません。むしろ、誰も注目していない銘柄を延々とリサーチする方が楽しい。

これが結果的に、高値掴みを避けることにつながりました。


「苦手を外注する」という発想の転換

27歳で診断がついた日

私が自分の障がいに気づいたのは27歳の時でした。

それまでの20数年間は、まさに「暗闘の中で手探りをしている」ような感覚でした。

  • 周りと同じように努力しているのに、なぜかうまくいかない
  • 「自分はダメな人間なんだろうか」と自分を責め続ける
  • 「努力が足りないだけだ」と更に頑張る→でも結果が出ない

この負のループから抜け出せなかった。

でも、診断名がついた時、ショックよりも「やっと理由がわかった」という安堵感の方が大きかったんです。

そして、ある考えが浮かびました。

「苦手なことを平均レベルにする努力、もうやめよう」

「外注」という生き方

ここで言う「外注」とは、苦手なことを他の人やツールに任せることです。

私の場合はこうなりました:

苦手なこと外注先
計算全般電卓・Excel・証券会社のアプリ
確定申告税理士(年間約3万円)
書字スマホ・PC入力
スケジュール管理Googleカレンダー+リマインダー
急な予定変更妻に相談(感謝しかない)

これ、全部合わせても年間5万円もかかりません。

一方、私が「得意なこと」に集中した結果:

  • 企業分析に没頭できる
  • 長期投資を淡々と続けられる
  • 情報を独自の視点で解釈できる

結果として、3,400万円の資産を築くことができました。

苦手を克服する時間とエネルギーを、得意なことに全振りした方が、人生はうまくいく。

これが私の出した答えです。


具体的なツールと活用法

計算が苦手な人のための投資ツール

ここからは、私が実際に使っているツールを紹介します。

【証券会社アプリ】

楽天証券やSBI証券のアプリは、計算が苦手な人の強い味方です。

  • 損益が自動で計算される
  • 配当金の履歴が一覧で見られる
  • ポートフォリオのバランスがグラフで表示される

私は一切計算していません。全部アプリが教えてくれます。

【マネーフォワードME】

家計簿アプリの定番です。銀行口座やクレジットカードを連携させると、自動で収支を計算してくれます。

月額500円のプレミアムプランを使っていますが、これだけで家計管理が完結します。年間6,000円で「計算しなくていい」という安心感が買えるなら安いものです。

【税理士への依頼】

確定申告は税理士さんにお願いしています。

年間約3万円(約30,000円)かかりますが、ミスのリスクと精神的ストレスを考えると、絶対に元が取れます。

最初は「自分でやるべきでは?」と思っていました。でも、計算ミスで延滞税を払うリスク、申告作業のストレスで体調を崩すリスクを考えたら、3万円は「保険料」として安すぎます。

デメリットも正直に

もちろん、デメリットもあります。

  • コストがかかる(年間5万円前後)
  • ツールの使い方を覚える初期投資が必要
  • 「甘え」と見られることがある

特に3つ目は、今でも言われることがあります。

「自分でできることはやるべきだ」 「苦手から逃げているだけだ」

でも、私はこう考えています。

苦手なことに時間を使って疲弊するより、得意なことで成果を出す方が、社会への貢献度は高い。

これは逃げではなく、「戦略的撤退」です。


障がい者の「お金の戦略」が一般にも通用する理由

ここからは少しマニアックな話をします。

実は、私のような「苦手を外注する」という考え方は、ビジネスの世界では当たり前のことです。

経営者が全ての業務を自分でやりますか?やりませんよね。苦手な分野は専門家に任せ、自分は得意な分野に集中する。

これを「コア・コンピタンス経営」と呼びます。

コア・コンピタンスとは? 企業や個人が持つ「他者に真似できない独自の強み」のこと。この強みに経営資源を集中させ、それ以外は外部に委託する考え方。

障がいを持つ私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、この考え方を強制的に学ばされます。

「普通」ができない以上、自分の強みで勝負するしかない。だから、「自分は何が得意で、何が苦手か」を嫌でも分析せざるを得ない。

これって、実はビジネスでも投資でも、最も重要なスキルなんです。

私の場合、「計算が苦手」だからこそ、計算に頼らない投資手法を選びました。

  • インデックス投資を中心にする
  • 高配当株は「業績」より「配当の継続性」で選ぶ
  • 複雑な金融商品には手を出さない

結果として、シンプルで再現性の高い投資ができている。

障がいがあるからこそ身につけた「引き算の思考」が、投資で武器になったんです。


親御さんへ伝えたいこと

「できない」を責めないでほしい

ここからは、障がいのあるお子さんを持つ親御さんに向けて書きます。

私の両親は、私が障がいを持っているとは知らずに育ててくれました。27歳で診断がついた時、母は泣きました。

「もっと早く気づいてあげられたら」

でも、私は母を責める気持ちは一切ありません。むしろ感謝しています。

なぜなら、両親は「できないこと」を責めなかったから。

「なんでできないの!」とは言わなかった。 「がんばれ」ばかり言わなかった。 私のペースを、なんとなく見守ってくれていた。

それが、今の私につながっています。

「得意」を見つけてあげてほしい

もし今、お子さんの「できない」に悩んでいるなら、こう考えてみてください。

その子の「できる」は何だろう?

計算が苦手でも、絵が上手かもしれない。 人付き合いが苦手でも、動物には優しいかもしれない。 じっとしていられなくても、運動は得意かもしれない。

私の場合、「興味のあることへの集中力」が強みでした。これは学校では「変わっている」と言われましたが、投資の世界では最大の武器になりました。

お子さんの「変わっている部分」は、将来の武器になるかもしれません。

周囲にどう伝えてきたか

私は、自分の障がいをオープンにしています。

最初は怖かったです。「理解されないかもしれない」「差別されるかもしれない」という不安がありました。

でも、伝え方を工夫することで、理解者は増えていきました。

私が心がけている伝え方:

  • 「〇〇が苦手です」と具体的に伝える
  • 「だから△△をサポートしてもらえると助かります」と解決策もセットで伝える
  • 「代わりに□□は得意なので、そこで貢献します」とギブアンドテイクを意識する

例えば職場では、こう伝えていました。

「私は暗算が苦手なので、計算はExcelを使わせてください。代わりに、資料のリサーチや分析は任せてください。」

相手に負担をかけるだけではなく、自分が貢献できることも伝える。これで、多くの人が協力してくれるようになりました。


まとめ:あなたは一人じゃない

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

この記事で伝えたかったことをまとめます。

この記事のポイント

  • 苦手なことを「人並み」にする努力は、もうやめていい
  • 苦手は「外注」して、得意なことに全振りする
  • 計算が苦手でも、ツールを使えば資産形成はできる
  • 障がいがあるからこそ身につく「引き算の思考」は強みになる
  • 周囲への伝え方を工夫すれば、理解者は増える

私は、計算が壊滅的に苦手です。

でも、そのおかげで「シンプルな投資」を選ぶことができました。複雑な計算が必要な投資に手を出さなかったから、大きな失敗も避けられました。

「苦手」は、裏を返せば「余計なことをしない」というフィルターになる。

これが、私が10年以上かけて学んだことです。

最後に

かつての私のように、自分を責め続けている方へ。

あなたは、ダメな人間ではありません。 努力が足りないわけでもありません。

ただ、「得意」と「苦手」の凸凹が、ちょっと大きいだけ。

だったら、凹の部分は誰かに任せて、凸の部分で勝負すればいい。

それが、私が見つけた「暮らしの攻略法」です。

このブログでは、これからも「障がいがあっても、豊かに生きるヒント」を発信していきます。

不器用な私ですが、どうぞゆっくりしていってください。