「書く」ストレスを減らす手続き術:銀行・証券会社の手続きで、書字困難をどう乗り越えているか
手続き地獄からの解放
「また書類か…」
銀行口座の開設、証券会社の申し込み、住所変更手続き。何かをしようとするたびに、大量の書類が目の前に現れる。細かい枠に正確に文字を書き込む作業は、書字に困難を抱える私にとって、まるで罰ゲームのようでした。
ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を持つ私は、文字を書くこと、特に細かい枠内に正確に記入することが極端に苦手です。手は震え、文字は枠からはみ出し、何度も書き直す羽目になる。30分で終わるはずの手続きが、2時間かかることもありました。
でも、今は違います。3400万円の資産運用(その90%が株式)を、ほぼ書類なしで管理しています。
結論を先に言います:「書かない」選択肢を徹底的に追求することで、書字困難があっても資産運用は十分可能です。
この記事では、私が実際に使っている「ネット完結型サービスの選び方」と「どうしても書類が必要な時の対処法」を、具体的にお伝えします。
私の書字困難体験:手続きで何が起こるのか
まず、私の困難を具体的に説明させてください。
書字で起こる具体的な問題
- 枠からはみ出す:小さな枠に文字を収めることが難しい
- 文字が歪む:特に数字の「8」と「3」が判別不能になる
- 書き順が混乱:途中で「あれ、次はどこだっけ?」となる
- 集中力が続かない:長時間の記入作業で極度に疲労する
- 見直しができない:自分の書いた文字を正確に読み取れない
ある時、証券口座開設のために支店に行きました。窓口の担当者から渡された申込書は、A3サイズで両面びっしり。「ここに住所、ここに電話番号、ここに…」と説明されるたびに、心臓がバクバクしました。
結果、記入に1時間以上かかり、それでも3ヶ所書き間違えて書き直し。担当者の「大丈夫ですよ、ゆっくりで」という言葉が、かえって辛かった記憶があります。
この経験から私は決意しました:「もう二度と、書類で苦しまない」と。
ネット完結型サービスの選び方:5つの必須チェックポイント
書字困難がある人にとって、サービス選びは「投資対象の良し悪し」以前の問題です。どれだけ良い商品でも、手続きで挫折したら意味がありません。
チェックポイント①:口座開設が完全オンライン完結か
最重要項目です。 「ネット証券」を謳っていても、実は書類郵送が必要なサービスは意外と多いのです。
私が使っている完全オンライン完結サービス
証券会社
- 楽天証券:スマホで本人確認(マイナンバーカード読み取り)→即日開設可能
- SBI証券:同様にスマホ完結、最短翌営業日から取引開始
- マネックス証券:本人確認書類をスマホ撮影→アップロードで完結
銀行
- 住信SBIネット銀行:完全オンライン、書類郵送一切なし
- 楽天銀行:アプリで本人確認→キャッシュカード郵送を待つだけ
- ソニー銀行:スマホで申し込み完結
私は現在、楽天証券とSBI証券を併用していますが、両方ともスマホだけで開設しました。書類に一文字も書いていません。
チェックポイント②:本人確認方法が多様か
本人確認には主に3つの方法があります。
- マイナンバーカード+スマホ(最強)
- カメラで表裏を撮影→ICチップ読み取り→完了
- 所要時間:約5分
- 運転免許証+スマホ
- 免許証撮影→自撮り(本人照合)→完了
- 所要時間:約10分
- 郵送での本人確認(避けたい)
- 書類を印刷→記入→郵送→確認ハガキ受け取り
- 所要時間:1〜2週間
書字困難者にとって、①か②が選べるサービス一択です。 ③しか選べないサービスは、最初から除外しています。
チェックポイント③:入力補助機能の充実度
これは意外と見落とされがちですが、入力フォームの使いやすさは超重要です。
良い入力フォームの特徴
- 郵便番号から住所自動入力:7桁入力するだけで市区町村まで埋まる
- 全角/半角の自動変換:電話番号を全角で入力しても受け付けてくれる
- 入力エラーの明確な表示:「この項目が未入力です」と赤字で教えてくれる
- 入力内容の保存機能:途中で離脱しても、後で続きから再開できる
私は入力ミスが多いので、「エラー表示が親切かどうか」でサービスを選んでいます。楽天証券は特に優秀で、「ここが間違っていますよ」と具体的に教えてくれます。
チェックポイント④:問い合わせ手段の多様性
どんなに優れたシステムでも、困った時の相談手段は必要です。
私が重視する問い合わせ方法ランキング
- チャットサポート(最高)
- 文字でやり取りできる
- 履歴が残るので見直せる
- 24時間対応のところも
- メールサポート(良い)
- 時間を気にせず送れる
- 文章を推敲できる
- 電話サポート(できれば避けたい)
- 聞き取りが難しい
- メモが追いつかない
- 緊張する
楽天証券とSBI証券は両方ともチャットサポートが充実しており、これまで何度も助けられました。
チェックポイント⑤:変更手続きもオンライン完結か
意外な落とし穴:住所変更で書類郵送が必要なケースがある!
私は一度、引っ越しの際にこれで苦労しました。口座開設はオンラインだったのに、住所変更は書面提出必須という証券会社があったのです。
住所変更もオンライン完結できるサービス
- 楽天証券:マイページから変更→本人確認書類アップロード→完了
- SBI証券:同様にオンライン完結
- 住信SBIネット銀行:アプリで変更可能
「出口戦略」も考えておくことが大切です。いつか解約する時、相続が発生する時のことも視野に入れましょう。
私の実際の運用環境:書類ゼロで3400万円を管理
ここで、私がどのように資産を管理しているかを具体的にお見せします。
保有資産の内訳
投資信託(自動積立)
- 楽天証券で毎月自動買付
- インデックスファンド、REIT、債券ファンド
- 設定は最初の1回だけ、あとは完全放置
個別株(テクノロジー集中投資)
- NVIDIA(エヌビディア):AI半導体のリーダー
- Astera Labs:データセンター接続技術
- Rubrik(ルーブリック):クラウドデータ管理
- Reddit(レディット):ソーシャルプラットフォーム
- Applovin:モバイル広告技術
- On Holding:高機能スニーカー
- Tempus AI:AIヘルスケア
- Lyft(リフト):ライドシェアプラットフォーム
- UiPath(ユーアイパス):RPAソフトウェア
これらすべて、スマホとPCだけで購入・管理しています。
日常の管理フロー
朝のルーティン(5分)
- 楽天証券アプリを開く
- 音声読み上げ機能で残高確認
- 大きな値動きがあればアラート通知
取引する時(10分)
- PCで銘柄検索
- 株数・金額を入力(電卓不要、自動計算)
- 確認画面で見直し
- パスワード入力→発注完了
書類が届いたら(2分)
- 電子交付に切り替え済みなので、ほぼ届かない
- 届いても、スマホで撮影→Google Driveに保存→終了
年間取引報告書も電子データで受け取っており、確定申告もe-Taxで完結しています。
どうしても書類が必要な時の対処法
完璧なオンライン化を目指しても、どうしても書類が必要な場面はあります。
対処法①:代筆を依頼する
家族や信頼できる人に頼む のが最も確実です。
ただし注意点があります。
- 本人確認書類のコピーは自分で用意:代筆者に丸投げしない
- 内容は自分で確認:署名・捺印の前に必ず目を通す
- 「代筆者」欄がある書類もある:その場合は正直に記入
私は過去に一度だけ、特定口座開設の追加書類で代筆を母に頼みました。事前に「ここをこう書いて」とメモを渡し、書き上がったものを一緒に確認してから提出しました。
対処法②:銀行・証券会社の窓口を活用
「記入が苦手なので、手伝っていただけますか?」と最初に伝える ことが重要です。
多くの金融機関は、高齢者や障がいのある顧客への対応に慣れています。私の経験では、
- 記入箇所を指差しで教えてくれる
- ゆっくり見守ってくれる
- 間違えても優しく訂正してくれる
ただし、繁忙期(月末、確定申告時期)は避ける ことをお勧めします。余裕のある時間帯(平日午前中)が狙い目です。
対処法③:テクノロジーを使う
音声入力アプリ+代筆 という合わせ技もあります。
- 音声入力で必要事項をスマホに記録
- それを見ながら、家族に代筆してもらう
- または、窓口担当者にスマホ画面を見せて転記してもらう
私は最近、Google Keepの音声入力機能を愛用しています。
電子署名とデジタル化の未来
マイナンバーカードの電子証明書を使った「電子署名」が、今後の手続きを劇的に変える可能性があります。
現在、一部の自治体では住民票や印鑑証明書をコンビニで取得できますが、これはマイナンバーカードの電子署名機能を使っています。この技術が金融機関にも広がれば、すべての手続きが「書類ゼロ」になる日が来るかもしれません。
実際、EU諸国では「eIDAS規則」により、電子署名が手書き署名と同等の法的効力を持つようになっています。日本でも「電子署名法」が整備されつつあり、今後5〜10年で大きく変わると予想しています。
書字困難を持つ私たちにとって、これは革命です。デジタル技術の進化を、期待を込めて見守っています。
私が実際に感じたメリット・デメリット
メリット:人生の時間が増えた
書類手続きの時間が年間50時間以上削減されました。 これは冗談ではなく、本当です。
- 証券口座開設:窓口2時間 → スマホ10分
- 住所変更手続き:郵送往復2週間 → オンライン即日
- 取引報告書の整理:紙の山と格闘1時間 → PDF検索10秒
この時間を、投資の勉強や、自分の好きなことに使えるようになりました。
メリット:精神的ストレスが激減
「また書き損じた…」という罪悪感から解放されたことが、何より大きいです。
手続きのたびに感じていた緊張、窓口での気まずさ、「迷惑をかけている」という思い。これらがほぼゼロになりました。
メリット:記録が残る
オンライン手続きは履歴がすべて残ります。
「あれ、いつ手続きしたっけ?」「何を申し込んだっけ?」という不安がなくなり、いつでも確認できる安心感があります。
デメリット:最初の設定が大変
正直に言います。最初の1〜2時間は苦労します。
- アプリのインストール
- 本人確認書類の撮影(ブレない写真を撮るのが難しい)
- パスワード設定(覚えられるか不安)
私は最初、楽天証券の口座開設だけで2時間かかりました。でも、この2時間の投資で、その後の人生が劇的に楽になったのです。
デメリット:インターネット環境が必須
当たり前ですが、ネット環境がないと何もできません。
私は格安SIMを使っているため、通信速度が遅い時にストレスを感じることがあります。重要な手続きは、Wi-Fi環境のある自宅で行うようにしています。
デメリット:セキュリティへの不安
「オンラインは危ないのでは?」という不安は、最初はありました。
しかし、きちんと対策すれば、紙の書類よりよほど安全です。
- 二段階認証を必ず設定
- パスワードは使い回さない(パスワード管理アプリを使用)
- 公共Wi-Fiでは重要な手続きをしない
これらを守れば、問題ありません。
おすすめのサービス具体例:私の使い分け
メイン証券口座:楽天証券
選んだ理由
- スマホアプリ「iSPEED」が使いやすい
- 楽天ポイントで投資できる
- 投資信託の品揃えが豊富
こんな人におすすめ
- 楽天経済圏を使っている人
- スマホメインで取引したい人
- 投資初心者
サブ証券口座:SBI証券
選んだ理由
- 外国株の取り扱いが豊富
- 手数料が業界最安水準
- 住信SBIネット銀行との連携が便利
こんな人におすすめ
- 米国株に投資したい人
- 手数料を最小限に抑えたい人
- 本格的な資産運用をしたい人
メイン銀行:住信SBIネット銀行
選んだ理由
- 振込手数料が月数回無料
- ATM手数料も月数回無料
- SBI証券との自動連携(ハイブリッド預金)
こんな人におすすめ
- 実店舗に行く必要がない人
- 振込が多い人
- 証券投資もする人
まとめ:テクノロジーは、私たちの「できない」を「できる」に変える
計算が苦手、書字が困難。
この2つの特性を持つ私が、3400万円の資産を管理できているのは、テクノロジーのおかげです。自動計算、自動記録、音声読み上げ、オンライン手続き…これらがなければ、私は投資の世界に足を踏み入れることすらできませんでした。
あなたが「書く」ことに苦しんでいるなら、もう書かなくていいんです。
ネット完結型のサービスを選べば、手続きのストレスは劇的に減らせます。最初の設定は少し大変かもしれませんが、一度乗り越えれば、その後の人生がずっと楽になります。
私が信じているのは、「コンピューターが人間の知的作業を代替・拡張していく未来」です。この未来は、障がいを持つ私たちにこそ、大きな可能性を開いてくれます。
だから私は、この未来に賭けています。そして、このブログを読んでくれたあなたにも、その可能性を信じてほしいのです。
「書けない」は、もう言い訳にならない時代が来ています。
さあ、最初の一歩を踏み出しましょう。スマホを手に取って、証券会社のサイトを開いてみてください。その10分が、あなたの人生を変える第一歩になるかもしれません。
【補足情報】この記事で紹介したサービスの公式サイト
- 楽天証券:https://www.rakuten-sec.co.jp/
- SBI証券:https://www.sbisec.co.jp/
- 住信SBIネット銀行:https://www.netbk.co.jp/
※この記事は2025年12月時点の情報に基づいています。サービス内容は変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。







