「今日、何着ていこう…」

この一言で、朝から頭がフリーズした経験、ありませんか?

はじめまして、りゅうぞうです。38歳、妻と子供が一人ずついる、自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)を持つ当事者です。

結論から言います。

私は「洋服の制服化」を始めてから、毎朝の服選びストレスがゼロになり、年間の被服費が約10万円以上減りました。しかも、周囲からは「最近なんかスッキリしてるね」と言われるようになったんです。

「え?毎日同じような服を着るって、ダサくない?」 「バリエーションがないと飽きない?」

そう思いますよね。私も最初はそう思っていました。

でもね、考えてみてください。あのスティーブ・ジョブズは、毎日黒のタートルネックとジーンズでした。マーク・ザッカーバーグも、グレーのTシャツがトレードマーク。彼らは「ダサい」でしょうか?

むしろ、「選ばない」という選択こそが、最高の戦略だったんです。

この記事では、ASD当事者として「同じであること」の強みを活かしながら、実際に私が実践している洋服の制服化について、失敗談も含めて赤裸々にお伝えします。計算が苦手な私でも、結果的に資産形成にもプラスになった方法です。


1:なぜ私は「服を選ぶこと」に疲弊していたのか

毎朝30分、クローゼットの前で立ち尽くす日々

27歳でASDとSLDの診断を受ける前、私は自分が「なぜこんなにも日常の些細なことで疲れるのか」がわかりませんでした。

特に朝の服選び。

  • 「この組み合わせ、おかしくないかな」
  • 「昨日と似てる服だと思われないかな」
  • 「天気予報、暑いって言ってたっけ…」
  • 「あれ、この服いつ洗濯したっけ」

頭の中でグルグルと考えが回り、結局30分以上クローゼットの前で固まってしまう。妻からは「早くして!」と急かされ、焦るとさらに決められなくなる。

この現象、ASD当事者には結構「あるある」なんです。

「決定疲れ」という見えないエネルギー消費

**決定疲れ(Decision Fatigue)**という言葉をご存知でしょうか?

人間の脳は、1日に判断できる回数に限りがあると言われています。朝から「今日は何を着よう」「朝ごはんは何にしよう」「何時に出よう」と決断を繰り返すと、仕事が始まる頃には、すでに脳が疲弊しているんです。

これは脳科学的にも証明されていて、重要な決断は午前中に行うべきだと言われています。なぜなら、午後になると決断の質が落ちるから。

つまり、朝の服選びに脳のエネルギーを使うのは、実はかなりもったいないんです。

ASDの「同一性保持」は弱点じゃなかった

ASDには「同一性保持(Sameness)」という特性があります。

簡単に言うと、「いつも同じだと安心する」という傾向です。

  • 毎日同じ道順で通勤したい
  • いつも同じ席に座りたい
  • 決まったルーティンがあると落ち着く

世間では、これを「融通が利かない」「こだわりが強すぎる」とネガティブに捉えがちです。私も長年、この特性を「直さなきゃいけないもの」だと思っていました。

でも、洋服の制服化を始めてから気づいたんです。

「同じであること」は、弱点じゃない。むしろ最強の武器だと。


2:実践!りゅうぞう式「洋服の制服化」完全ガイド

私の制服化ビフォーアフター

【ビフォー:制服化前のクローゼット】

  • Tシャツ:15枚以上(色も柄もバラバラ)
  • シャツ:8枚(ほとんど着ない)
  • ズボン:10本(サイズが合わないものも放置)
  • アウター:5着(似たようなものが複数)

年間被服費:約15万円

【アフター:制服化後のクローゼット】

  • 黒の無地Tシャツ:5枚(全て同じブランド・同じサイズ)
  • ネイビーのチノパン:3本(全て同じ型番)
  • グレーのパーカー:2着(春秋用)
  • ダウンジャケット:1着(冬用)

年間被服費:約4万円

差額、年間11万円のコストカットです。

制服化を成功させる5つのステップ

ステップ1:「自分に似合う色」を1〜2色に絞る

私の場合、黒とネイビーに絞りました。

なぜこの2色か?

  • 汚れが目立ちにくい
  • どんな組み合わせでも失敗しない
  • 高見えする

パーソナルカラー診断を受けるのもおすすめですが、私は「自分が着ていて落ち着く色」を選びました。診断結果より、自分の感覚を優先したほうが長続きします。

ステップ2:「着心地最優先」で素材を選ぶ

ASD当事者には、感覚過敏がある人も多いです。私は特定の素材がチクチクして苦手。

制服化で失敗しないコツは、まず1枚買って1週間着倒してみること

着心地が良ければ、同じものを追加購入。ダメだったら、その1枚で損失を止められます。

私のおすすめ素材は「綿100%」か「綿95%+ポリウレタン5%」。肌触りが良く、適度な伸縮性があって動きやすいです。

ステップ3:「同じ服を5枚」買う勇気を持つ

ここが最大のハードルです。

「同じ服を5枚買うなんて、もったいない」と思いますよね。

でも、考えてみてください。

  • 違う服を5枚買う → 着ない服が2〜3枚出てくる
  • 同じ服を5枚買う → 全て着る、無駄ゼロ

「選択肢を増やすこと=豊かさ」という思い込みを捨てるのが、制服化成功の鍵です。

ステップ4:「買う店・ブランド」を1つに決める

私はユニクロに統一しています。

理由は3つ:

  1. 全国どこでも買える
  2. 品質と価格のバランスが良い
  3. 定番商品が廃盤になりにくい

ただし、ここで失敗談を一つ。

以前、気に入っていたユニクロのTシャツが突然マイナーチェンジして、襟の形が変わったことがありました。「同じ商品名だから大丈夫」と思ってまとめ買いしたら、着心地が全然違う…。

教訓:まとめ買いする前に、必ず1枚試し買いする

ステップ5:「服を買う日」を年に2回だけに決める

私は「春(3月)」と「秋(9月)」の年2回だけ服を買うと決めています。

セール期間とか関係なく、この2回だけ。

なぜか?

  • 衝動買いを防げる
  • 本当に必要なものだけを買うようになる
  • 「買わない期間」があることで、今ある服を大切にする

3:制服化がもたらす「お金」と「心」へのインパクト

被服費削減が資産形成に直結した話

ここで、私の話を少しさせてください。

私は計算が極端に苦手です。SLD(限局性学習症)の影響で、暗算はほぼ不可能。買い物でお釣りの計算ができず、いつもレジで焦っていました。

「計算ができない=お金の管理ができない」

そう思い込んでいた時期もあります。

でも、38歳の今、私は約3,400万円の資産を築くことができています。そのほとんどが株式です。

「え?計算苦手なのに、どうやって?」

答えは、「計算しなくていい仕組みを作った」からです。

洋服の制服化は、まさにその一部。

  • 服を選ばない → 脳のエネルギーを節約
  • 服を買わない → お金を自動的に節約
  • 節約したお金 → 自動で投資に回る

制服化で浮いた年間11万円を、インデックスファンドに自動積立。これを10年続けたら、利回り5%で計算すると約142万円になります。

「選ばない」という選択が、資産を増やす

これ、面白くないですか?

「毎日同じ服を着る」ことへの周囲の反応

正直、最初は不安でした。

「あの人、いつも同じ服着てる」と思われるんじゃないかと。

実際にやってみた結果、誰も気にしていませんでした

いや、正確に言うと、気づいている人はいるかもしれません。でも、それを指摘してくる人はいなかった。

むしろ、「最近スッキリしてるね」「なんか落ち着いて見える」と言われるようになりました。

思い返せば、以前の私は、バラバラな服を着ていても、その組み合わせに自信がなくて、どこかオドオドしていたのかもしれません。

今は「これが自分のスタイル」という軸があるから、堂々としていられる。

服装の統一感が、自信につながる。これは予想外の収穫でした。


ASD×資産形成の意外な相性の良さ

ここからは少しマニアックな話を。

ASDの特性である「同一性保持」は、実は投資の世界でも強みになります。

投資で失敗する人の多くは、「感情的な売買」をしてしまいます。

  • 株価が上がる → 嬉しくて買い増す
  • 株価が下がる → 怖くなって売る

これ、投資の世界では「高値買い・安値売り」と呼ばれる、最悪のパターンです。

でも、ASD当事者は「決めたルールを淡々と守る」ことが得意な人が多い。

私の投資ルールはシンプルです:

  1. 毎月同じ日に、同じ金額を、同じ銘柄に投資する
  2. 株価が上がっても下がっても、ルールは変えない
  3. 売るタイミングは「お金が必要になった時」だけ

このルールを10年以上守り続けた結果が、3,400万円の資産です。

「同じことを繰り返す」という、世間では欠点扱いされる特性が、投資では最強の武器になる

洋服の制服化も、投資の自動積立も、根っこは同じ。「選ばない」「変えない」「淡々と続ける」

ASDの皆さん、この特性を誇りに思っていいんですよ。

おすすめアイテムと実際の使用感

私が愛用している制服化アイテム

1. ユニクロ クルーネックT(税込1,500円)

  • 首元がヨレにくい
  • 綿100%で肌触り◎
  • 黒は色落ちしにくい(20回洗濯しても大丈夫)

2. ユニクロ 感動パンツ(税込3,990円)

  • 軽い・シワになりにくい
  • ウエストゴムで楽
  • ビジネスカジュアルにも対応

3. 無印良品 オーガニックコットンインナー(税込790円)

  • 肌が敏感な人にもおすすめ
  • タグがプリントなのでチクチクしない

【デメリットも正直に】制服化の落とし穴

もちろん、制服化にもデメリットはあります。

デメリット1:冠婚葬祭に対応できない

→ 対策:フォーマル用の服は別で1セットだけ持つ。私はスーツを1着、白シャツを2枚、黒ネクタイを1本だけ「非常用」として保管しています。年に1〜2回しか使わないので、クリーニング店で保管サービスを利用するのもアリです。

デメリット2:家族や友人から「また同じ服?」と言われることがある

→ 対策:最初に「自分はこういうスタイルにした」と宣言しておく。私は妻に「スティーブ・ジョブズ方式を始める」と伝えました。一度説明しておくと、それ以降は何も言われなくなります。

デメリット3:気に入った服が廃盤になるリスク

→ 対策:これが一番厄介です。私は一度、愛用していたユニクロのTシャツが廃盤になり、かなり落ち込みました。対策として「気に入ったらストック用に2〜3枚多めに買っておく」ことをおすすめします。ただし、買いすぎると本末転倒なので、最大でも予備は3枚まで。

デメリット4:おしゃれを楽しみたい気持ちが出てくることがある

→ 対策:これは正直に言うと、私にはあまりありません(笑)。でも、もしおしゃれを楽しみたくなったら、「小物で変化をつける」のがおすすめ。腕時計や靴下、帽子など、ワンポイントを変えるだけで気分転換になります。基本の服は変えずに、アクセントだけ遊ぶ。これなら制服化のメリットを維持したまま、おしゃれも楽しめます。


4:「選ばない」暮らしを他の領域にも広げてみた

食事の制服化:平日ランチは「固定メニュー」

洋服の制服化がうまくいったので、調子に乗って他の領域にも広げてみました。

まず試したのが「食事の制服化」。

平日のランチメニューを固定化しました。

  • 月曜:サバ缶と玄米
  • 火曜:納豆ご飯と味噌汁
  • 水曜:サバ缶と玄米
  • 木曜:納豆ご飯と味噌汁
  • 金曜:好きなもの(ご褒美デー)

「え、飽きない?」と思うかもしれません。

正直、最初は飽きました。でも2週間くらい続けると、不思議と「これで十分」と思えるようになったんです。

メリット:

  • 買い物リストが固定化されて楽
  • 食費が月1万円以上減った
  • 「今日のランチ何にしよう」のストレスゼロ

デメリット:

  • 外食の誘いを断りがちになる
  • 栄養バランスに注意が必要

通勤ルートの制服化:毎日同じ道、同じ電車

ASDの私にとって、これは元々やっていたことでもあります。

毎朝同じ時間に起きて、同じ道を歩き、同じ車両の同じドア付近に立つ。

以前は「こだわりすぎかな」と自分を責めていましたが、今は堂々と「これが自分の最適解だ」と思えるようになりました。

予測可能な日常は、心の安定につながる

これはASD当事者だけでなく、すべての人に当てはまることだと思います。


海外の制服化事例:ミニマリストたちの実践

アメリカ発「プロジェクト333」

海外には「プロジェクト333」という有名なチャレンジがあります。

ルールはシンプル:

  • 3ヶ月間
  • 33アイテム以内の服で生活する
  • 下着・パジャマ・運動着は除く

これはアメリカのミニマリスト、コートニー・カーヴァーさんが始めたもの。当初は「そんなの無理でしょ」と懐疑的だった参加者が、挑戦後に「人生が変わった」と言うケースが続出したそうです。

彼女の言葉で印象的なのがこれ:

「私たちは服を選ぶ時間を減らすことで、本当に大切なことに時間を使えるようになる」

まさに、私が制服化で感じていることと同じでした。

フランスの「カプセルワードローブ」

フランスでは「カプセルワードローブ」という考え方が浸透しています。

これは、少数の厳選されたアイテムだけでワードローブを構成するというもの。フランス人女性は平均して30〜40アイテム程度の服で1年を過ごすと言われています。

一方、日本人女性の平均所持数は150着以上という調査もあります。

少ない服でおしゃれに見える秘訣は「質」と「統一感」。これは制服化と通じる考え方ですね。


「助けて」と言えるようになるまで

診断後も続いた「普通でいなければ」の呪縛

ここで少し、心の話をさせてください。

27歳で診断を受けた後も、私は「普通の人と同じようにしなければ」という呪縛から逃れられませんでした。

毎日違う服を着る。流行を追う。周りに合わせる。

それが「社会人として当たり前」だと思っていたからです。

でも、その「当たり前」が、私をじわじわと追い詰めていました。

朝起きるのが辛い。会社に行くのが怖い。週末も気が休まらない。

ある日、限界を迎えました。

「できない」を認めた日

妻に「もう無理だ」と言った日のことは、今でも覚えています。

「朝、服を選ぶだけで疲れ果てる。みんなが普通にできることが、自分にはできない」

泣きながらそう言った私に、妻はこう言いました。

「じゃあ、選ばなくていいんじゃない?」

その一言で、何かが吹っ切れました。

「普通」を目指すのをやめよう。自分に合ったやり方を見つけようと。

それが、制服化を始めたきっかけです。

周囲の無理解との向き合い方

正直に言うと、周囲からの理解を得るのは簡単ではありませんでした。

「そんなの甘えじゃない?」 「みんな我慢してやってるんだよ」 「工夫が足りないだけでしょ」

そんな言葉を何度も浴びました。

でも、今は思います。

理解されなくても、自分で自分を守る方法を知っていればいいと。

制服化は、その「自分を守る方法」の一つ。誰かに理解されるためではなく、自分が楽に生きるための選択です。


まとめ:「選ばない」ことで見えてきた、本当に大切なもの

制服化がくれた3つのギフト

1. 時間のギフト

毎朝の服選びに使っていた30分が浮きました。年間で計算すると、約180時間。これだけの時間を、家族との会話や読書、趣味の時間に使えるようになりました。

2. お金のギフト

年間11万円の被服費削減。10年で100万円以上の節約になります。このお金は投資に回し、将来の安心につながっています。

3. 心のギフト

「今日何を着よう」と悩まなくていい安心感。そして「これが自分のスタイル」という軸を持てた自信。これが一番大きかったかもしれません。

あなたへのメッセージ

この記事を読んでくださっているあなたへ。

もしあなたが毎朝の服選びにストレスを感じているなら、「選ばない」という選択肢を試してみてください。

もしあなたがASD当事者で、「同じ」であることに罪悪感を感じているなら、その特性は弱点じゃないと伝えたいです。

「同じ」であることは、強さです

私たちには私たちに合ったやり方がある。それを見つけて、実践して、自分の人生を楽にしていく。それでいいんです。

最後に、この記事で伝えたいことをまとめます。