「書く」代わりに「撮る」買い物術:メモ帳は使わない。冷蔵庫の中身をスマホで撮影してからスーパーに行く方法

あなたも「買い物リスト」で挫折していませんか?
「牛乳、卵、あと何だっけ…」
スーパーの陳列棚の前で、頭が真っ白になる。ポケットからくしゃくしゃのメモを取り出しても、自分で書いた字が読めない。そもそも、書いたはずのメモが見つからない。
この感覚、わかりますか?
はじめまして、りゅうぞうです。38歳、妻と子供と暮らしています。
私は27歳の時に、自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)の診断を受けました。特に「書くこと」と「計算すること」が極端に苦手です。暗算なんて、もう本当に無理。3桁の足し算ですら、頭の中で数字が溶けていくような感覚になります。
でも、ここで一つ驚かれるかもしれない事実をお伝えします。
そんな私が、3,400万円の資産を築いています。その90%が株式です。
「え、計算できないのに投資?」って思いましたよね。
大丈夫です。私も最初は自分でも信じられませんでした。でも、これが「できないことを認めて、別の方法を見つける」ことの力なんです。
今日お話しするのは、その第一歩となった「書かない買い物術」。メモ帳もペンも使いません。必要なのは、あなたのスマホだけです。
20年間、私は「普通」になろうとして失敗し続けた
買い物リストが書けない地獄
私の買い物失敗談を聞いてください。
27歳で診断を受けるまで、私は「普通の人」と同じ方法で生活しようとしていました。当然、買い物リストも手書きで作っていました。
でも、結果はいつも同じでした。
私の典型的な失敗パターン:
- 書いている途中で、最初に何を書いたか忘れる
- 自分の字が汚すぎて「玉ねぎ」が「王おぎ」に見える
- リストを書いたノートを家に忘れる
- スーパーに着いてからリストを見ても、「醤油」の「油」が書けてなくて「醤」だけで意味不明
- 結局、同じものを2回買ったり、必要なものを買い忘れたり
特に辛かったのは、レジ前での計算です。
「あと500円で1,000円のお買い物券がもらえますよ」
店員さんの親切な一言が、私を地獄に突き落とします。あと何円分買えばいいのか。500円の商品はどれか。頭がフリーズして、後ろに並ぶ人の視線を背中に感じながら、「あ、大丈夫です」と言って逃げる。
あの情けなさは、今でも鮮明に覚えています。
「普通」を諦めた日
転機は、診断を受けた直後でした。
病院の帰り道、妻にこう言いました。
「俺、もうメモ書くのやめる」
妻は驚いていました。「じゃあどうするの?」
その時、ふと思いついたんです。
「写真撮ればよくない?」
冷蔵庫の中身を写真で撮れば、何があって何がないか一目でわかる。自分で文字を書く必要がない。読み間違いもない。スマホはいつも持ち歩くから、忘れることもない。
これが、私の「書かない生活」の始まりでした。
冷蔵庫を「撮る」だけで人生が変わった
実践編:5秒で完了する買い物準備
今から、私が実際にやっている方法をお伝えします。本当に簡単です。
【買い物前にやること】
- 冷蔵庫を開ける
- スマホで写真を撮る(5秒)
- 冷凍庫も撮る(5秒)
- パントリー(食品棚)があれば、そこも撮る(5秒)
以上です。
計15秒で、買い物準備が完了します。
「え、それだけ?」と思いましたか?
はい、それだけです。
なぜ「撮る」が最強なのか
この方法が私のような特性を持つ人に向いている理由を説明します。
メリット一覧:
| 従来の方法(メモ) | 撮る方法(写真) |
|---|---|
| 書く必要がある | 書かなくていい |
| 字が汚いと読めない | 視覚情報そのまま |
| 書き忘れがある | 全部写る |
| メモを忘れる可能性 | スマホは必ず持つ |
| 在庫の「量」がわからない | 残量が写真でわかる |
特に最後の「残量がわかる」は重要です。
メモに「マヨネーズ」と書いても、あとどれくらい残っているかはわかりません。でも写真なら、「あ、あと3分の1くらいあるから、今回は買わなくていいな」と判断できます。
撮影のコツ:私が試行錯誤して見つけたポイント
ただし、適当に撮ると使いにくいです。私が3年かけて見つけた撮影のコツを共有します。
【撮影のコツ5選】
- 扉を全開にする
- 中途半端だと死角ができる
- 恥ずかしくても全開にする
- 一歩下がって全体を撮る
- 近すぎると一部しか写らない
- スマホを横向きにするとベター
- ドアポケットは別撮り
- 卵、牛乳、調味料など重要なものがここにある
- 奥が暗くて見えにくいことがある
- 野菜室は上から撮る
- 引き出しタイプが多いので、真上から
- 重なって見えない野菜がないかチェック
- 撮影日時を確認しない設定に
- スマホは自動で日時が記録される
- 「いつ撮った写真かわからない」問題は自動解決
さらに進化させる「テクノロジー活用術」
中級者向け:Googleフォトの隠れ機能を使う
ここからは、少しマニアックな話をします。
私が愛用しているのは「Googleフォト」です。無料で使えて、実はすごい機能が隠されています。
【知られていない便利機能】
① 写真内テキスト検索
Googleフォトの検索窓に「牛乳」と入力すると、牛乳パックが写っている写真が自動で出てきます。これ、冷蔵庫の写真でも機能します。
「あれ、この前撮った写真どこだっけ?」がなくなります。
② 「レンズ」機能で商品特定
写真に写っている商品をタップして「レンズ」を使うと、同じ商品の情報が出てきます。いつも買っているドレッシングの名前を忘れても、写真から探せます。
③ アルバム自動作成
「冷蔵庫」というアルバムを作っておけば、撮影するたびにそこに保存できます。過去の記録も残るので、「あの時なんで卵3パックも買ったんだろう」という振り返りも可能です。
この方法のデメリットと対策
正直に言います、完璧じゃないです
どんな方法にも弱点があります。ここは正直にお伝えします。
【デメリット一覧と対策】
❶ スマホのストレージを食う
写真がどんどん溜まります。
対策: Googleフォトのクラウド保存を使う。古い写真は月1で削除する。
❷ スーパーでスマホを見るのが恥ずかしい
周りの目が気になる人もいるでしょう。
対策: 正直、今はスマホを見ながら買い物する人は多いです。レシピを見ているのと変わりません。堂々としていれば誰も気にしません。
❸ 写真に写らない「ストック切れ」は把握できない
洗剤、シャンプー、ラップなど、冷蔵庫外のものは撮り忘れがち。
対策: 定位置を決めて、まとめて撮影。私は洗面台下、キッチンシンク下も「撮る対象」に入れています。
❹ 「買う量」の判断はできない
「あと3日で牛乳がなくなる」という予測は写真ではできません。
対策: ここは経験則。というか、なくなったら買えばいいという「ゆるさ」を自分に許す。
周囲に「できない」をどう伝えてきたか
妻への最初の告白
診断を受けた日、妻にこう言いました。
「俺、たぶん一生、買い物リストをちゃんと書けないと思う」
妻は一瞬黙って、それからこう言いました。
「知ってる」
驚きました。
「だって、りゅうぞうがメモ持ってスーパー行っても、いつも何か抜けてるじゃん。でも、あなたなりに頑張ってるの見てたよ」
泣きそうになりました。
「できない」を認めることは、弱さを見せることだと思っていました。でも実際は、「できない」を認めた瞬間、「じゃあ別の方法を探そう」という前向きな対話が始まるんです。
リハビリ職・支援者の方へ
この記事を読んでくださっているリハビリ職の方、支援者の方へ。
私のような特性を持つ人にとって、「代替手段」を提案してくれることがどれほど救いになるか、伝えたいです。
「メモを取りましょう」ではなく、「写真を撮る方法もありますよ」 「リストを作りましょう」ではなく、「アプリに話しかける方法もありますよ」
「普通のやり方」ができないことを責めるのではなく、「別のやり方」を一緒に探してくれる。
それだけで、当事者の心は軽くなります。
まとめ:「できない」は「終わり」じゃない
最後に、同じような悩みを持つあなたへ。
私は27歳まで、「普通の人と同じようにできない自分」を責め続けてきました。買い物リストも書けない。暗算もできない。仕事でミスを繰り返す。
でも、診断を受けて、気づいたんです。
「できない」は、私がダメな人間だからじゃない。脳の特性として、そういう仕組みになっているだけ。
だったら、仕組みに合った方法を探せばいい。
冷蔵庫を写真で撮ること。 計算を自動化すること。 助けを求めること。
どれも、私が「普通」を諦めてから見つけた方法です。
そして今、私には3,400万円の資産があります。妻と子供と穏やかに暮らしています。買い物でパニックになることも、ほとんどなくなりました。
「できない」は「終わり」じゃない。「スタート」なんです。







