「お金」は「言葉」の代わりになる:コミュニケーションが苦手な私が3,400万円を貯めた理由

言葉にできない「ありがとう」をお金で伝える
「なんて言えばいいかわからない」
この感覚、わかりますか?
感謝の気持ちはあるのに、言葉が出てこない。助けてもらったのに、うまくお礼が言えない。そして後から「なんであの時ちゃんと言えなかったんだろう」と自分を責める。
私、りゅうぞうは38歳。ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)という2つの障がいを持っています。特に暗算は壊滅的で、2桁の足し算でも指を使わないと不安になるレベルです。
でも、そんな私が今、3,400万円の資産を持っています。
「え?計算苦手なのに?」
そう思いましたよね。私も最初は信じられませんでした。でも気づいたんです。お金の管理に、難しい計算は必要ないということに。
そして何より大きかったのは、こんな発見でした。
「お金があれば、言葉の代わりになる」
うまく話せなくても、サービスを受けられる。感謝を伝えられなくても、行動で示せる。そして何より、助けてもらうことに罪悪感を感じなくて済む。
この記事では、コミュニケーションが苦手な私が、なぜお金を「言葉の代わり」として捉えるようになったのか。そして「親亡き後」という最大の不安に対して、どう向き合っているのかをお話しします。
27歳で診断、そこから始まった「お金との向き合い方」
暗闘の20年間と、「理由がわかった」安堵感
27歳で診断を受けるまで、私は自分が「なぜできないのか」がわかりませんでした。
- 暗算ができない → 「努力が足りない」と言われる
- 空気が読めない → 「わざとやってる」と思われる
- 急な予定変更でパニック → 「大人なんだから対応しろ」と怒られる
ずっと、自分を責めていました。
診断がついた時、ショックより先に来たのは安堵感でした。「私がダメなんじゃなくて、脳の特性なんだ」と。でも同時に、こんな疑問も湧きました。
「この先、どうやって生きていけばいいんだろう?」
特に怖かったのが、お金のことです。
計算ができない人間が、お金を管理できるのか?
正直に言います。私は今でも、レジでお釣りの計算ができません。飲み会の割り勘では、スマホの計算機を必ず使います。というか、それでも間違えます。
SLD(限局性学習症)の計算における困難は、こんな感じです:
- 暗算が極端に苦手:7+8すら一瞬迷う
- 桁が増えると混乱:1,000円と10,000円を見間違える
- 概算ができない:「だいたいこれくらい」という感覚がつかめない
最初は絶望しました。「こんな自分が、お金の管理なんてできるわけがない」と。
でも、それは大きな勘違いでした。
「計算できない」からこそたどり着いた、シンプル投資術
複雑なことを「しない」という選択
ある日、気づいたんです。
「計算が苦手なら、計算しなくていい方法を選べばいい」
これは、私の人生を変えた発想の転換でした。
私が実践している投資は、びっくりするほどシンプルです:
【りゅうぞうの投資3原則】
- 毎月同じ金額を自動で積み立てる(計算不要)
- インデックスファンド1本に絞る(選ぶ手間なし)
- 一度設定したら、見ない・触らない(判断不要)
つまり、「何もしない」が最強の戦略なんです。
具体的な仕組み:自動化で「忘れる」
私の資産3,400万円の内訳は、約90%が株式(主にインデックスファンド)です。
具体的に使っているのは:
- つみたてNISA(現在は新NISA)
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 特定口座での自動積立
ポイントは、「一度設定したら、あとは放置」という仕組み。
銀行口座から自動で引き落とされ、自動で投資される。私がやることは、年に1回、残高を確認するだけ。
計算?しません。タイミング?気にしません。ニュース?見ません。
この「しない」という選択が、計算が苦手な私でも続けられた最大の理由です。
なぜインデックス投資は「計算が苦手な人」に向いているのか?
少しマニアックな話をします。
インデックス投資が私たちに向いている理由は、**「認知負荷が低い」**からです。
アクティブ投資(個別株を選ぶ投資)では、以下のことが必要になります:
- 企業の財務諸表を読む(数字だらけ)
- PER、PBR、ROEなどの指標を計算する(無理)
- タイミングを見て売買する(判断力が必要)
全部、私が苦手なことです。
一方、インデックス投資は:
- 市場全体に分散投資するので、個別企業を選ぶ必要がない
- 長期保有が前提なので、タイミングを考えなくていい
- 手数料が安いので、複雑な計算で比較しなくていい
海外の研究でも、「ほとんどのアクティブファンドは、長期的にはインデックスファンドに勝てない」というデータが出ています。つまり、「何もしない」方が、頑張るより成績がいいんです。
これ、努力しても報われなかった私たちにとって、すごく救いになる話だと思いませんか?
お金は「言葉の代わり」になる——私が気づいた3つのこと
1. サービスを受けることで「助けて」と言わなくて済む
私は「助けて」と言うのが、本当に苦手でした。
- 言葉にできない
- 迷惑をかけたくない
- 断られるのが怖い
でも、お金があれば、「助けて」と言わなくてもサービスを受けられるんです。
例えば:
- 家事代行サービス:「掃除が苦手なんです」と説明しなくても、お金を払えば綺麗にしてもらえる
- タクシー:「道がわからなくて…」と言わなくても、目的地に連れて行ってもらえる
- 食事のデリバリー:「今日は料理する気力がなくて」と言い訳しなくていい
これは「怠け」じゃありません。「合理的配慮を自分で買っている」んです。
2. 感謝を「行動」で示せる
ASDの特性で、感謝の言葉をうまく伝えられないことがあります。
「ありがとう」と言っても、棒読みになる。表情が硬くなる。相手に伝わっている気がしない。
でも、お金を使えば、感謝を「形」にできます。
- お世話になった人にプレゼントを贈る
- 家族に外食をご馳走する
- 寄付という形で社会に還元する
言葉にできない「ありがとう」を、行動で示す。
これが、私にとってのお金の使い方です。
3. 「お金がある」という事実が、心の安定剤になる
これが一番大きいかもしれません。
私たちのような特性を持っていると、常に「不安」がつきまといます。
- 急に仕事を失ったらどうしよう
- 病気になったら?
- 親がいなくなったら?
でも、通帳を見て「大丈夫、まだある」と確認できる。それだけで、パニックになりそうな時に、少し冷静になれるんです。
お金は、「未来の不安に対する保険」でもあるんです。
【親亡き後問題】最大の不安と向き合う
なぜ「3,400万円」なのか
正直に言います。私がここまでお金を貯めてきた最大の理由は、「親亡き後」への恐怖です。
「親亡き後問題」とは、障がいを持つ子どもの親が亡くなった後、その子どもがどう生活していくかという問題です。これは、当事者とその家族にとって、最も切実で、最も口にしづらいテーマかもしれません。
私の場合、今は妻と子どもがいますが、それでも不安は消えません。
- 自分が先に認知症になったら?
- 妻に先立たれたら?
- 子どもに迷惑をかけたくない
3,400万円という数字は、「とりあえず何があっても、数年は生きていける」という安心感のための金額です。
具体的な備え:お金だけじゃ足りない
ただ、お金があれば全て解決するわけではありません。
私が今、準備していること:
【お金の準備】
- 生活防衛資金(生活費2年分)を現金で確保
- 残りはインデックスファンドで長期運用
- iDeCoで老後資金を積み立て
【制度の準備】
- 障害者手帳の取得と更新
- 自立支援医療の利用
- グループホームの情報収集
【人の準備】
- 信頼できる支援者(ケースワーカーなど)との関係構築
- 妻との情報共有(私の特性と対処法をまとめたノート)
- 地域の障がい者支援団体との繋がり
お金は「道具」であって、「目的」ではありません。
でも、その道具がなければ、選択肢が狭まる。だから私は、できる範囲で備えています。
見出し5:おすすめの本とツール——私を助けてくれたもの
心に響いた本
『お金の大学』(両@リベ大学長)
投資の本というより、「お金との付き合い方」を教えてくれる本。難しい計算は出てこないし、イラストが多いので読みやすい。私はこの本で「固定費を下げる」ことの大切さを学びました。
『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)
お金の本じゃないけど、「他人の評価を気にしすぎない」という考え方は、投資を続ける上でも役立ちました。暴落しても、周りが「売れ」と言っても、自分の判断を信じる。その勇気をもらえた本です。
私が使っているツール
| ツール名 | 用途 | 私の感想 |
|---|---|---|
| 楽天証券 | 投資 | 画面がシンプルで迷いにくい |
| マネーフォワード | 家計管理 | 自動で集計してくれるので計算不要 |
| スマホの計算機 | 日常 | もう手放せない相棒 |
ポイントは「自動化できるものは全部自動化する」こと。
人に頼るのが苦手でも、ツールには遠慮なく頼れます。
まとめ:あなたは一人じゃない
長い記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
私が伝えたかったことを、もう一度まとめます。
【この記事のポイント】
- 計算が苦手でも、お金の管理はできる(シンプルな仕組みで自動化)
- お金は「言葉の代わり」になる(サービス・感謝・安心)
- 「親亡き後」への備えは、お金+制度+人の準備
- 複雑なことを「しない」という選択が、最強の戦略
そして、最後に一つだけ。
「できない自分」を責めないでください。
私も、できないことだらけです。でも、できないことを「できる仕組み」で補えばいい。それを「逃げ」だと思う必要はありません。
お金は、私たちのような人間にとって、「言葉の代わり」であり、「安心の源」であり、「自由への切符」です。
最後に:お金があなたの「味方」になる日
「助けて」と言えなかった私へ
かつての私は、助けを求めることが本当にできませんでした。
「迷惑をかけたくない」 「どうせわかってもらえない」 「自分でなんとかしなきゃ」
そう思い込んで、一人で抱え込んで、何度も潰れそうになりました。
でも今は違います。
お金という「ツール」があることで、言葉にできなくても助けを得られる。感謝を伝えられなくても、行動で示せる。そして何より、「自分には選択肢がある」と思えるようになりました。
あなたに伝えたい3つのこと
1. 今日から始められる
投資は、100円からでも始められます。完璧なタイミングなんて待たなくていい。「いつか」じゃなくて「今日」、ネット証券の口座開設ボタンを押すだけ。それだけで、未来の自分を助ける第一歩になります。
2. 失敗しても大丈夫
私も何度も失敗しました。暴落で焦って売ってしまったことも、詐欺まがいの投資話に引っかかりそうになったこともあります。でも、小さく始めていたから、致命傷にはならなかった。失敗は、学びの材料です。
3. あなたの「苦手」は、強みに変わる
計算が苦手だから、シンプルな方法を選んだ。 コミュニケーションが苦手だから、自動化を徹底した。 先が見えないのが怖いから、備えることを覚えた。
「苦手」があるからこそ、たどり着ける場所がある。
私の3,400万円は、その証明です。
読者の方へ:次のステップ
もし、この記事を読んで「自分にもできるかも」と少しでも思ったなら、こんなことから始めてみてください。
【初心者向け:最初の3ステップ】
- ネット証券の口座を開設する(楽天証券やSBI証券がおすすめ)
- つみたてNISAで月1,000円から積み立て設定する
- 3ヶ月間、絶対に触らない
これだけ。難しい計算は一切いりません。
【中級者向け:さらなる一歩】
- iDeCoの加入を検討する(節税効果が大きい)
- 生活防衛資金を生活費の1〜2年分確保する
- 固定費を見直して、投資に回せる金額を増やす
追記:この記事を書いた日のこと
実は、この記事を書くのに3日かかりました。
SLDの影響で、文章を書くのも苦手です。誤字脱字は何度チェックしても見つかるし、同じことを何度も書いてしまったり、逆に大事なことを書き忘れたり。
でも、書きました。
なぜなら、10年前の自分に読ませたかったから。
10年前の私は、診断を受けたばかりで、将来が見えなくて、怖くて怖くて仕方なかった。「お金の管理なんて無理」「投資なんてもっと無理」「自分には普通の人生は送れない」——そう思い込んでいました。
でも、そんなことなかった。
不器用でも、苦手が多くても、やり方を工夫すれば前に進める。その事実を、過去の自分に、そして今苦しんでいる誰かに伝えたかったんです。
おわりに
この記事が、あなたの「暮らしの攻略本」の一ページになれたら嬉しいです。
あなたは、一人じゃない。
同じように悩んで、同じように失敗して、それでもなんとかやっている人間が、ここにいます。
また、ブログでお会いしましょう。
りゅうぞう







