SNSとの付き合い方:感覚過敏な私が見つけた、疲れない情報の取り入れ方

あなたも「SNS疲れ」していませんか?
「また、やってしまった…」
気づけば深夜2時。スマホの画面を見つめながら、私は何度この言葉を呟いたかわかりません。
Twitterで流れてくる誰かの成功報告、Instagramの眩しいほどのキラキラした日常、ニュースアプリから絶え間なく届く通知音。情報の波に飲み込まれて、気づけば心がぐったり。翌日は頭がぼんやりして、仕事どころではない。
結論から言います。
感覚過敏を持つ私たちにとって、SNSは「そのまま使う」と確実に消耗します。でも、付き合い方さえ工夫すれば、むしろ人生を豊かにしてくれるツールに変わるんです。
ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を持つ私、りゅうぞうが10年以上かけて見つけた「疲れないSNSとの距離感」を、今日はすべてお話しします。
私がSNSで「壊れかけた」体験談
なぜASD当事者はSNS疲れしやすいのか
まず、私自身の話をさせてください。
27歳で診断を受けてから、情報収集の手段としてSNSを本格的に使い始めました。「障がいについて学びたい」「同じ当事者とつながりたい」という純粋な動機でした。
ところが、半年後には完全に燃え尽きていました。
私が陥った症状:
- 通知が来るたびに心臓がドキドキする
- 他人の投稿と自分を比較して落ち込む
- 「見逃したくない」という強迫観念で常にスマホをチェック
- 夜眠れず、翌日のパフォーマンスが激減
ASD当事者がSNS疲れしやすい理由は、科学的にも説明できます。
感覚過敏の影響: 私たちの多くは、視覚や聴覚の刺激に敏感です。スマホの光、通知音、画面上の大量の文字。これらすべてが脳にとって「処理すべき刺激」になります。
こだわりの強さ: 「一度始めたら最後まで見ないと気が済まない」という特性。Twitterのタイムラインを「全部読もう」として、気づけば3時間経過…なんてことは日常茶飯事でした。
暗黙のルールへの戸惑い: 「いいね」を押すべきタイミング、リプライの適切な距離感、フォローを外すと失礼になるのか…。SNS上の見えないルールに振り回されて、どっと疲れる毎日でした。
私の最悪の失敗談
ある日、Twitterで障がい者の就労についての議論を見かけました。
「障がい者は甘えている」という趣旨のツイートに、私は衝動的に反論してしまったんです。
結果は散々でした。
知らない人から批判的なリプライが殺到。私は一日中スマホから目が離せなくなり、夜は悪夢を見て、翌日は仕事を休むはめに。
妻からは「あなた、顔色悪いよ。大丈夫?」と心配されました。
この経験から私が学んだことは一つ。
「SNSで議論に参加しない」という自分ルールの大切さです。
これは逃げではありません。自分の脳を守るための、戦略的撤退です。
感覚過敏でも疲れない、SNS活用の具体的なコツ
私が実践している「デジタルデトックス」の工夫
では、具体的にどうすれば疲れずにSNSと付き合えるのか。私が10年かけて確立した方法をお伝えします。
1. 時間を「区切る」技術
ポモドーロ・テクニックの応用
ポモドーロ・テクニックとは、25分作業→5分休憩を繰り返す時間管理法です。
私はこれをSNSに応用しています。
- SNSチェックは1日3回まで(朝・昼・夜)
- 1回あたり15分以内
- タイマーが鳴ったら強制終了
最初は「もっと見たい」という欲求と戦いました。でも2週間続けると、不思議と「15分で十分」と思えるようになりました。
おすすめアプリ:
- スクリーンタイム(iPhone標準機能):無料で使用時間を制限できます
- Forest(約300円〜):スマホを触らないと木が育つゲーム感覚のアプリ
- Digital Wellbeing(Android):使用状況を可視化してくれます
2. 通知を「選別する」設定術
全部オフにする必要はありません。
私の通知設定:
- 即時通知ON:妻からのLINE、緊急の仕事連絡のみ
- バッジ表示のみ:メール
- 完全オフ:Twitter、Instagram、ニュースアプリ
ポイントは「緊急性」で分けることです。
「見逃したら困るもの」と「後で見ても大丈夫なもの」を冷静に分類してみてください。意外と、即時に知る必要がある情報って少ないんです。
3. フォローを「断捨離」する勇気
これが一番効きました。
私のフォロー基準:
- ✅ 読むと元気になる人
- ✅ 具体的に役立つ情報を発信している人
- ✅ 投稿頻度が適度な人
- ❌ ネガティブな内容が多い人
- ❌ 投稿が多すぎてタイムラインを埋め尽くす人
- ❌ なんとなく惰性でフォローしている人
「フォローを外すのは失礼では?」と思っていました。
でも、考えてみてください。相手はあなたのフォロー状況なんて気にしていません。そして何より、自分の心の健康より大切な「礼儀」なんてないんです。
私はフォロー数を300人から50人に減らしました。タイムラインがすっきりして、本当に見たい情報だけが流れてくるようになりました。
テクノロジーを味方につける─おすすめツールとその使い方
感覚過敏さんのためのデジタルツール最新情報
ここからは、私が実際に使っているテクノロジーを紹介します。
ブルーライトカット&ダークモードの徹底活用
なぜ効果があるのか(初心者向け解説):
スマホやPCの画面から出る「ブルーライト」は、太陽光に近い波長を持っています。これを夜に浴び続けると、脳が「まだ昼だ」と勘違いして、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が抑えられます。
感覚過敏な私たちにとって、この刺激は特にキツイんです。
私の設定:
- iPhoneの「Night Shift」を夕方6時から自動オン
- 全アプリをダークモードに統一
- 画面の明るさを50%以下に固定
追加投資したもの:
- ブルーライトカットメガネ(約3,000円〜)
- ペーパーライクフィルム(約1,500円):画面のギラつきを軽減
RSSリーダーという「古くて新しい」選択肢
RSSリーダーとは?
SNSのタイムラインではなく、自分が選んだサイトの更新情報だけを一か所に集めてくれるツールです。
おすすめ:Feedly(無料プランあり)
私はこれでニュースサイトやブログの更新をチェックしています。
メリット:
- アルゴリズムに振り回されない
- 広告が少なく、視覚的にすっきり
- 「おすすめ」で余計な記事に引き込まれない
デメリット:
- リアルタイム性は低い
- 初期設定に少し手間がかかる
SNSの「流れてくる情報を受け取る」から、RSSリーダーの「自分で取りに行く」へ。この能動的な姿勢が、情報疲れを劇的に減らしてくれました。
ASD当事者のための「情報摂取のカスタマイズ」
ここからは少しマニアックな話をします。
「情報の質」を数値化する試み
私は情報を4つのカテゴリに分けて、自分なりの「栄養バランス」を意識しています。
| カテゴリ | 例 | 推奨割合 |
|---|---|---|
| 栄養系 | 専門知識、スキルアップ情報 | 40% |
| 癒し系 | 好きな趣味の情報、かわいい動物 | 30% |
| 交流系 | 友人・当事者仲間の投稿 | 20% |
| ニュース系 | 時事ネタ、社会問題 | 10% |
ポイントは「ニュース系を極限まで減らす」こと。
世の中の大半のニュースは、知らなくても生活に支障がありません。それどころか、ネガティブなニュースは私たちのメンタルを確実に削ります。
実践方法:
- 1週間、自分が見た情報を記録する
- カテゴリ別に分類する
- 偏りがあれば、フォロー先を調整する
これを3ヶ月続けた結果、私の「情報によるストレス」は体感で半分以下になりました。
周囲との「ほどよい」距離感を見つける
SNS上での人間関係の築き方
ここからは、SNSを通じた人との付き合い方についてお話しします。
「フォロー=友達」ではない
ASD当事者あるある、だと思うのですが…
私は長い間、「フォローしてくれた人には必ずフォローを返さなければ」「リプライには必ず返信しなければ」と思っていました。
これ、完全に間違いでした。
SNSは「ゆるいつながり」の場所です。
私が決めたマイルール:
- フォローバックは義務ではない
- リプライへの返信は気が向いた時だけ
- DMは親しい人のみ開放
- 議論には参加しない(見るだけ)
最初は「冷たい人だと思われるかも」と不安でした。
でも実際には、誰も気にしていませんでした。むしろ、「無理なく続けられる距離感」を見つけたことで、SNS上の人間関係がずっと楽になりました。
障がいをどこまで公開するか
これは非常にデリケートな問題です。
私の場合:
- 公開している場所:このブログ、匿名のTwitterアカウント
- 公開していない場所:Facebook(実名)、職場の人とつながるSNS
なぜ分けているかというと、「文脈」が違うからです。
障がい当事者として発信したい場所と、それ以外のペルソナで活動したい場所。両方を持つことで、心のバランスを保っています。
伝え方のコツ:
- 「助けてほしいこと」を具体的に書く
- 「できること」もセットで伝える
- 押し付けがましくならないよう、さらっと
例えば私のプロフィール文はこうです。
「ASD+SLD当事者。計算は苦手だけど、投資で資産形成中。暮らしの工夫を発信します。リプライ遅くなることがあります🙏」
「リプライ遅くなる」と先に書いておくことで、返信が遅れても罪悪感を感じずに済みます。
まとめ:あなたのペースで、情報と付き合おう
長くなりましたが、最後にお伝えしたいことがあります。
感覚過敏を持つ私たちにとって、SNSは「毒にも薬にもなる」道具です。
でも、それは私たちがダメなわけじゃない。
ただ、「一般向け」に設計されたツールを、「自分向け」にカスタマイズする必要があるだけ。
- 時間を区切る(1日3回、15分ずつ)
- 通知を選別する(緊急性で分ける)
- フォローを断捨離する(心地よさを基準に)
- ダークモード&ブルーライトカットを活用
- RSSリーダーで能動的に情報を取る
- SNS上の人間関係に「義務感」を持ち込まない
全部を一度にやる必要はありません。
今日からできること、一つだけ試してみてください。
「できない自分」を受け入れたら、世界が変わった
ここで、少し私の話をさせてください。
かつての私は、「みんなと同じようにSNSを使えない自分」を責めていました。
「なぜ普通の人みたいに、気軽にツイートできないんだろう」
「なぜ通知が来るだけで、こんなに疲れるんだろう」
でも、27歳で診断を受けて、ある考えに至りました。
「できない」のではなく、「やり方が違う」だけなんだ。
右利きの人用に作られたハサミを、左利きの人が使いづらいのは当然です。それは左利きの人が悪いわけではない。ただ、道具が合っていないだけ。
SNSも同じです。
大多数の人向けに設計されたSNSを、感覚過敏の私たちが「そのまま」使えなくても、何もおかしくない。自分に合うようにカスタマイズすればいい。
この発想の転換が、私の人生を大きく変えました。
孤独を感じているあなたへ
SNSを見ていると、孤独を感じることがありますよね。
みんな楽しそうに交流している。自分だけが輪に入れていない気がする。
私もずっとそう思っていました。
でも、気づいたんです。
SNSで見える「つながり」は、現実のほんの一部でしかない。
画面の向こうにいる人たちも、きっと同じように孤独を感じている瞬間がある。キラキラした投稿の裏で、泣いている夜がある。
だから、比較しなくていいんです。
あなたはあなたのペースで、あなたに合った距離感で、情報と付き合えばいい。
「みんなと同じ」である必要なんて、どこにもない。
最後に:小さな一歩を踏み出すあなたへ
この記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
正直に言うと、私はまだ完璧にSNSと付き合えているわけではありません。
たまに夜更かししてスマホを見すぎることもあるし、他人の投稿を見て落ち込む夜もある。
でも、以前よりは確実に楽になりました。
それは「自分を責めなくなった」からです。
うまくいかない日があっても、「まあ、そういう日もあるよね」と思えるようになった。
これを読んでいるあなたも、きっと日々戦っているんだと思います。
情報の波に飲み込まれそうになったり、人間関係に疲れたり。
そんな時は、このブログを思い出してください。
あなたは一人じゃない。
同じように不器用に、同じように手探りで生きている仲間がここにいます。
今日からできること、一つだけ。
例えば、SNSの通知を一つオフにしてみるとか。フォローを5人だけ整理してみるとか。
小さな一歩でいいんです。
その一歩が、きっとあなたの毎日を少しだけ軽くしてくれるはず。
一緒に、自分らしい「情報との付き合い方」を見つけていきましょう。
りゅうぞう







