【聴覚過敏への投資】音に敏感なASD当事者が「静寂」を買うためにやっていること

あなたも「音」に殺されそうになったことはありませんか?
結論から言います。
聴覚過敏への対策は、「我慢」ではなく「投資」で解決できます。
はじめまして、りゅうぞうです。38歳、ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を持ちながら、妻と子供と暮らしています。
突然ですが、こんな経験はありませんか?
- スーパーのBGMが頭に突き刺さるように痛い
- 隣の席の人のキーボード音で仕事に集中できない
- 家族のテレビの音が「騒音」にしか聞こえない
- 電車のアナウンスを聞くたびに、体がこわばる
僕は全部あります。
27歳で診断を受けるまで、この「音への過敏さ」を誰にも理解してもらえませんでした。「神経質すぎる」「気にしすぎ」と言われ続け、自分がおかしいのだと思っていました。
でも違ったんです。
これは「性格」じゃなくて「特性」だった。
そして気づいたんです。この特性と戦うのではなく、「静寂を買う」という発想に切り替えればいいんだと。
今回は、聴覚過敏を持つ僕が「音のストレスを減らすため」にどこにお金をかけているか、包み隠さずお話しします。
【体験談】音が「凶器」になった日々
■ 職場で限界を迎えた話
以前、オープンオフィスで働いていた時期がありました。
周囲の電話の声、プリンターの音、空調のゴォーという低音。それらが全部、同じ音量で頭に入ってくるんです。
普通の人なら「気にならない」レベルの音が、僕にとっては「拷問」でした。
ある日、会議室のドアがバタンと閉まった瞬間、涙が止まらなくなりました。自分でも訳がわからなかった。ただ、「もう無理だ」と体が悲鳴を上げていたんです。
■ 家でも安らげなかった現実
家に帰れば安心できるかというと、そうでもありませんでした。
妻がテレビをつける。子供がおもちゃで遊ぶ。冷蔵庫がブーンと唸る。
「静かにして」と言いたいけど、言えない。
だって、彼らは普通に生活しているだけだから。
この葛藤が、本当につらかった。
【本題】聴覚過敏への「投資」リスト
ここからは、僕が実際にお金をかけているアイテムと環境づくりを紹介します。
「高いな」と思うものもあるかもしれません。でも、僕にとってこれは「生活必需品」です。
1:ノイズキャンセリングイヤホン・ヘッドホン
◆ 僕が使っているもの
Sony WH-1000XM5(約5万円)
正直、最初は「イヤホンに5万円?」と思いました。でも、使った瞬間に世界が変わりました。
電車に乗っても、カフェにいても、「無音の繭」に包まれている感覚。これは大げさじゃなく、人生が変わるレベルです。
◆ 使い方のコツ
| シーン | 設定 |
|---|---|
| 通勤電車 | ノイキャン最大 |
| 自宅作業 | ノイキャン中+環境音楽 |
| 家族といる時 | 外音取り込みモード |
ポイント: 「外音取り込みモード」を使えば、家族との会話も可能。完全に遮断するのではなく、「調整できる」のが現代のテクノロジーのすごいところです。
◆ デメリットも正直に
- 長時間つけると耳が蒸れる
- 充電を忘れると絶望する
- 見た目が大げさに見える場面もある
対策: 僕はサブ機としてAirPods Pro 2(約4万円)も持っています。見た目がスッキリしているので、職場ではこちらを使うことが多いです。
2:「静かな家」への投資
◆ 防音カーテン
普通のカーテンから防音カーテンに変えるだけで、外の音がかなり軽減されます。
僕が使っているのは、ニトリの遮音・遮光カーテン(約8,000円〜)。コスパ最強です。
完璧な防音ではありませんが、車の音や隣家の話し声が「気にならないレベル」まで下がりました。
◆ 窓の二重サッシ化
賃貸なので大掛かりなリフォームはできませんが、内窓の設置を検討中です。費用は1箇所あたり約5〜10万円。
持ち家の方には本気でおすすめします。**「静寂は買える」**という事実を、ぜひ知ってほしい。
◆ 家電の買い替え
意外と見落としがちなのが、家電のモーター音です。
僕は冷蔵庫を買い替える時、「静音設計」を最優先で選びました。パナソニックの冷蔵庫は約15dBという静かさ。これは図書館より静かなレベルです。
チェックリスト:静かな家電を選ぶポイント
- 騒音レベル(dB)を確認する
- 「インバーター搭載」のものを選ぶ
- 口コミで「音がうるさい」という意見がないか調べる
3:職場環境への交渉という「投資」
お金だけではなく、「勇気」という投資も必要でした。
◆ 障害をオープンにした話
僕は現在、職場に障害をオープンにしています。
最初はめちゃくちゃ怖かった。「変な目で見られるんじゃないか」「評価が下がるんじゃないか」と。
でも、伝えてよかった。
伝えたこと:
- 聴覚過敏があり、オープンスペースだと集中しづらいこと
- 可能であれば、静かな場所での作業を希望すること
- イヤホンをつけての作業を許可してほしいこと
結果:
- 個室に近い席への異動が実現
- イヤホン使用がOKに
- 急な電話対応は別の人が担当してくれるように
もちろん、全ての職場で同じ対応が得られるわけではありません。でも、「言わなければ始まらない」のも事実です。
聴覚過敏と「投資」の意外な関係
ここで少しマニアックな話をします。
僕は現在、約3,400万円の資産を持っています。そのうち90%が株式です。
「計算が苦手なのに、どうやって?」とよく聞かれます。
答えはシンプル。「仕組み化」と「ツール」に頼っているからです。
そして、この「仕組み化」の発想は、聴覚過敏への対策と全く同じなんです。
| 聴覚過敏 | 資産形成 |
|---|---|
| ノイキャンで音を遮断 | 自動積立で手間を遮断 |
| 防音カーテンで環境を整える | インデックス投資で分散を整える |
| 職場に配慮を求める | 証券会社のサポートを活用する |
「苦手なこと」を克服するのではなく、「苦手なこと」を回避する環境を作る。
これが、僕の人生戦略です。
【海外事例】アメリカの「センサリー・フレンドリー」という考え方
アメリカでは、「センサリー・フレンドリー(感覚に優しい)」という概念が広まっています。
例えば:
- 映画館のセンサリー上映:音量を下げ、照明を少し明るくした上映会
- スーパーの「クワイエットアワー」:BGMや館内放送を止める時間帯を設ける
- 職場のセンサリールーム:過敏な社員が休憩できる静かな部屋
日本ではまだ少ないですが、イオンの一部店舗で「クワイエットアワー」の導入が始まっています。
こうした社会の変化を「待つ」だけでなく、自分から「環境を買う」という選択肢を持つこと。
それが、聴覚過敏を持つ僕たちの「生存戦略」だと思っています。
まとめ:「静寂」は贅沢品じゃない、生活必需品だ
最後にもう一度言います。
聴覚過敏への対策は、「我慢」ではなく「投資」で解決できます。
今回紹介したアイテムや工夫をまとめます。
すぐにできること:
- ノイズキャンセリングイヤホンを試す(まずは家電量販店で試聴を)
- 防音カーテンに変える(ニトリで約8,000円〜)
- 静音家電を選ぶ習慣をつける
少し勇気がいること:
- 職場に聴覚過敏があることを伝える
- 配慮を「お願い」ではなく「提案」として話す
長期的に考えること:
- 住環境を「音」で選ぶ(角部屋、上階、二重サッシなど)
- 資産形成を進め、「選択肢」を増やす
かつての僕は、音に苦しめられながら「自分が弱いだけだ」と思っていました。
でも違うんです。
あなたの耳は「壊れている」のではなく、「敏感」なだけ。
その敏感さを責める必要はありません。ただ、「敏感さを守る環境」を自分で作ればいいんです。
この記事が、あなたの「静寂への投資」の第一歩になれば嬉しいです。
一緒に、自分に優しい暮らしを作っていきましょう。







