こんにちは、管理人のりゅうぞうです。

新しい週が始まりましたね。今日は月曜日。 このブログを読んでくださっているあなたは今、どんな状態で画面を見ていますか?

もし、あなたがHSP(Highly Sensitive Person)や、私と同じような発達障害の特性を持っているなら、きっと今の感覚は「疲れ」という言葉だけでは片付けられないはずです。

頭の中が熱を持ってジンジンするような感覚。 周囲の会話、電車の走行音、オフィスの空調、パソコンのタイプ音……。 今日一日浴び続けてきた「音の洪水」によって、脳のメモリが完全に食いつぶされ、強制終了寸前のパソコンのようになっているのではないでしょうか。

「家に帰ったらあれもしなきゃ、これもしなきゃ」 そう思うのに、玄関で靴を脱ぐ気力すら湧かない。

今日はそんな、感覚過敏や脳疲労と戦いながら生きるあなたに向けて、私が実践している「帰宅後15分の強制リセット術」と、そこに至るまでの「私の障害受容の物語」をお話ししたいと思います。

少し長くなりますが、温かい飲み物でも用意して、ゆっくりしていってください。

1. なぜ、私たちはこんなに疲れてしまうのか

具体的なノウハウの話をする前に、少しだけ私の話をさせてください。

私は現在、38歳。妻と子供と3人で暮らしています。 そして、自閉スペクトラム症(ASD)限局性学習症(SLD)という2つの障害を持って生活している当事者でもあります。

私が自分の障害に気づき、診断を受けたのは27歳の時でした。 それまでの20数年間は、本当に「暗闇の中で手探りをしている」ような感覚でした。

「普通」にこなすことが、なぜかできない。 周りのみんなが当たり前のようにやっている「暗黙の了解」が読み取れない。 急な予定変更が起きると、頭が真っ白になってパニックになる。

そして特に私を苦しめたのが、SLD(学習障害)の特性である「計算」の困難さでした。 簡単な暗算ができない。数字を見ると頭がフリーズする。 仕事でお釣りの計算が必要な場面や、数字を扱う業務があるたびに、冷や汗が止まりませんでした。

「自分はダメな人間なんだろうか」 「努力が足りないだけなのか」 「なんでみんなと同じようにできないんだろう」

帰りの電車の中で、窓に映る自分の顔を見ながら、何度自分を責めたかわかりません。 世界中の音が、私を責め立てているような気さえしました。

27歳で診断名がついた時。 正直なところ、私はショックを受けませんでした。むしろ、心の底から湧き上がってきたのは「やっと理由がわかった」という安堵感でした。

「私が怠けていたわけじゃなかったんだ」 「脳のつくりの違いだったんだ」

それは、私が「私として生きていく」ための再スタートの瞬間でもありました。

しかし、診断がついたからといって、脳の特性がいきなり変わるわけではありません。 相変わらず、計算は苦手だし、予期せぬ出来事には弱いです。そして何より、ASDやHSP気質の人が抱えがちな「聴覚過敏」や「脳の易疲労性(疲れやすさ)」は、私の生活に常に影を落としていました。

私たちは、フィルターなしで全ての情報を脳に取り込んでしまいます。 健常者の人が無意識に聞き流している雑音も、私たちにとっては「重要な情報」として脳に入力され続けてしまうのです。 だから、ただ座って仕事をしているだけでも、脳はフルマラソンを走った後のように消耗します。

月曜日の夕方に「もう無理」となるのは、甘えではありません。 あなたの脳が、それだけ膨大な情報を処理しようと必死に戦った証拠なのです。

2. 「助けて」の代わりに、私はヘッドホンをかぶる

診断を受けてから、私は考え方を変えました。 「みんなと同じように頑張る」ことをやめ、「道具や環境に頼る」ことにしたのです。

「計算ができないなら、電卓やアプリに頼ればいい」 「空気が読めないなら、言葉で確認すればいい」

そして、 「音が辛いなら、物理的に遮断すればいい」

そこで私が辿り着いたのが、ノイズキャンセリングヘッドホンを使った「聴覚のデトックス」です。

これは、単に音楽を聴くのとは違います。 過敏になった神経を休ませ、パンク寸前の脳をクールダウンさせるための、いわば「医療行為に近いリラックス法」です。

私が愛用していて、心からおすすめしたい「相棒」があります。 SONYの『WH-1000XM5』です。

ガジェット好きの方ならご存知の名機ですが、障害特性を持つ私たちにとって、これは単なる高級ヘッドホンではありません。「精神安定剤」であり「防具」です。

おすすめポイント:圧倒的な「静寂という繭(まゆ)」

このヘッドホンを装着し、ノイズキャンセリング機能をONにした瞬間。 世界が変わります。

換気扇の音、車の走行音、遠くの話し声……そういった「日常のノイズ」が、スッと消え去ります。まるで、自分だけが深海に潜ったかのような、あるいは静かな雪原に立ったかのような感覚。

WH-1000XM5の素晴らしいところは、その「包み込まれるような装着感」です。 イヤーパッドが柔らかく、耳への圧迫感が少ないため、感覚過敏がある私でも長時間つけていられます。 装着した瞬間、外界と自分との間に一枚の分厚い壁ができ、守られているような安心感に包まれます。

3. 実践!帰宅後15分の「ノイズキャンセリング瞑想」

では、私が月曜日の帰宅後に行っているルーティンをご紹介します。 とても簡単です。でも、効果は絶大です。

【ステップ1】 帰宅したら、何もしない 家に着いたら、着替えも、お風呂も、明日の準備も後回しです。 まずはソファや座り心地の良い椅子に座ります。部屋の電気は少し暗くするか、間接照明だけにします。

【ステップ2】 ヘッドホンを装着し、目を閉じる WH-1000XM5を装着します。これだけで、脳への情報入力が8割カットされます。

【ステップ3】 「歌詞のない」音楽を流す ここで重要なのが、選曲です。 好きなアーティストの曲(J-POPやロックなど)は聴きません。なぜなら、歌詞(言葉)があると、脳がその意味を処理しようとして働いてしまうからです。 脳を休ませるためには、「言語野」を刺激しないことが鉄則です。

おすすめは以下の通りです。

  • 環境音(アンビエント): 雨の音、波の音、森の中の音。
  • バイノーラルビート: 脳波をリラックス状態(α波やθ波)に導く音源。
  • ドローン・アンビエント: 抑揚の少ない、持続音が続くような音楽。

実は、私自身もこの効果を実感しすぎて、自分でも「眠りのための音楽」を作り始めてしまいました(笑)。 『Nocturnal Tuning』というプロジェクト名で、聴くだけで脳のスイッチがオフになるようなサウンドを作っています。もしよかったら、これも試してみてください。

【ステップ4】 15分間、ただ呼吸に集中する 音楽を流したら、15分間タイマーをセットして、ただ呼吸をします。 「今日の失敗」や「明日の不安」が浮かんできたら、それを無理に消そうとせず、流れる音と一緒に川に流すようなイメージを持ちます。

音に包まれて、呼吸をしていると、張り詰めていた神経が一本ずつほどけていくのがわかります。 「あ、私、今すごく力が入っていたな」と気づくことができます。

15分後、ヘッドホンを外した時。 不思議と、さっきまでの「世界の重さ」が少し軽くなっているはずです。 「さて、お風呂に入ろうかな」という気力が、少しだけ戻ってきます。

4. 傷ついた心への処方箋

私は、この「ノイズキャンセリング瞑想」を、ただのライフハックだとは思っていません。 これは、私たちが自分自身を大切にするための儀式です。

診断を受ける前の私は、自分の「できない」ことばかりに目を向け、 「もっと頑張らなきゃ」 「もっと強くならなきゃ」 と、自分を追い込んでいました。

でも、それは間違いでした。 私たちに必要なのは、強くなることではなく、「自分の守り方」を知ることだったのです。

ヘッドホンをして音を遮断することは、「逃げ」ではありません。 計算機を使うことが「ズル」ではないように、自分の特性に合わせて道具を使うことは、立派な「工夫」であり「知恵」です。

私がこのブログを始めた理由はたった一つ。 「あなたは一人じゃない」と伝えたいからです。

かつての私のように、診断がつかずに苦しんでいる方。 診断されて間もなく、どう生きていけばいいか戸惑っている方。 そして、そんな当事者を支えているご家族の方へ。

障害があるからといって、全てができないわけではありません。 私にも、苦手な計算の代わりに、「興味のある分野への深い集中力」や「独自の視点」という武器がありました。 そして何より、「同じような悩みを持つ人の痛みに寄り添う心」を持つことができました。

もし今、あなたが辛いなら。 「助けて」と言葉にするのが難しければ、まずはヘッドホンをつけてみてください。 そして、自分だけの静かな世界に逃げ込んでください。 それでいいんです。

私たちは、不器用かもしれません。 でも、工夫次第で、穏やかに笑って過ごす時間は必ず作れます。

私の失敗談や、生活の中で見つけた小さな工夫が、あなたの月曜日の夜を少しでも軽くするヒントになれば嬉しいです。

今週も、無理せず、あなたのペースでいきましょう。 管理人のりゅうぞうでした。