玄関のドアを開けた瞬間、スイッチを切る

「ただいま」

その言葉とともに、玄関の鍵を閉める。 その瞬間、私の頭の中はすでにショート寸前です。

今日あった出来事の反省会、明日やらなければならないタスク、ふとした瞬間に頭をよぎる不安。私の脳内は常に、複数のブラウザを立ち上げて動画を同時再生しているような騒がしさの中にあります。

こんにちは、管理人のりゅうぞうです。

私は現在、自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)という2つの障がいを持って生活しています。 特に「計算」と「文字を書くこと」が苦手で、そして何より、整理整頓や「物の管理」が絶望的に下手でした。

かつての私は、出かける直前になって必ずこう叫んでいました。 「財布がない!」 「家の鍵どこ置いたっけ!?」 「スマホの充電が10%しかない!」

冷や汗をかきながら部屋中をひっくり返し、遅刻ギリギリで家を飛び出す。その時点で一日のエネルギーの半分を使い果たし、自己嫌悪で心が重くなる。そんな朝を、何百回繰り返してきたかわかりません。

でも、今の私は違います。 ある一つの「儀式」と、それを支える「ガジェット」を取り入れたことで、私の人生から「探し物の時間」というノイズが消えました。

今日は、不器用な私たちが、自分の心と生活を守るために作る「絶対領域」についてお話しします。そして、その領域を作るために私が実際に使って救われた、おすすめのアイテムもご紹介しますね。


27年間の「暗闇」と、診断という名の「灯り」

具体的なアイテムの話に入る前に、少しだけ私の話をさせてください。

私が自分の障がいに気づいたのは、27歳の時でした。 それまでの20数年間は、言葉を選ばずに言えば「地獄」のようでした。まさに、暗闇の中で手探りをしているような感覚です。

「なんでみんなと同じようにできないんだろう」 「努力が足りないだけなんだろうか」 「自分はダメな人間だ」

周りの人が当たり前にできている「暗黙の了解」が読み取れない。 急な予定変更があると、パニックになって動けなくなる。 簡単なはずの計算が、どうしても合わない。

どれだけ歯を食いしばって努力しても、結果が出ない。その度に自分を責め続け、心は傷だらけになっていました。 「助けて」と言えばよかったのかもしれません。でも、何に対して助けを求めればいいのかさえ、当時の私にはわからなかったのです。

27歳で病院に行き、診断名がついた時。 私が感じたのはショックではありませんでした。 「やっと、理由がわかった」 肩の荷が降りるような、深い安堵感でした。それは私が「自分を責めること」をやめ、「私として生きていく」ための再スタートの瞬間でもあったのです。

障がいがあるからといって、全てができないわけではありません。 私には、興味のある分野への深い集中力があります。独自の視点で物事を捉える力もあります。そして何より、同じような痛みを持つ人の心に、深く寄り添うことができると信じています。

診断を受けてから、私は考え方を変えました。 「苦手なことを克服する努力」よりも、「苦手なことが発生しない仕組みを作る努力」にシフトしたのです。


思考停止でOK。「帰宅後の儀式」が私を救う

ADHD傾向のある方や、私のように脳内の多動性が高い人にとって、「物を定位置に戻す」という行為は、想像以上にハードルが高いものです。 「あとで片付けよう」とテーブルに置いた鍵は、3分後には書類の下に埋もれて消滅します。

だからこそ、必要なのは「思考を挟まない儀式」です。

私が作った仕組みはシンプルです。 「帰宅したら、何も考えずにポケットの中身を全て『そこ』に置く」 これだけです。

家の玄関、あるいはリビングに入ってすぐの場所に、聖域のようなスペースを作ります。これを私は「絶対領域」と呼んでいます。ここには、他のものは一切置きません。郵便物も、飲みかけのペットボトルも禁止です。

この「絶対領域」に必要なのは、2つのアイテムだけ。

  1. 3 in 1 ワイヤレス充電器
  2. お気に入りのレザートレー

この2つが揃った時、そこはただの物置き場ではなく、私たちが社会という戦場から帰還し、装備を解除するための「ドック」になります。

視覚的ノイズを消す「3 in 1」の魔法

なぜ、普通の充電ケーブルではダメなのか。 ケーブルが絡まっている様子、コンセント周りのごちゃごちゃ感。これらは私たちにとって「視覚的なノイズ」です。 部屋が散らかっていると心が荒れるように、ケーブルの乱れは、無意識のうちに私たちの脳にストレスを与え続けます。

「3 in 1充電器」は、iPhone、Apple Watch、AirPodsを同時に、しかもワイヤレスで充電できるアイテムです。 ここに、帰宅した瞬間のスマホと時計をセットする。 カチッ、というマグネットの吸着音とともに充電が始まり、画面には美しいスタンバイモードが表示される。

この「定位置に収まった」という視覚的な美しさが、私たちに強烈な安心感を与えてくれます。 「今日も一日お疲れ様。明日の準備はもう大丈夫だよ」 充電器がそう語りかけてくれるようです。

そして、財布や家の鍵は、その横に置いた「トレー」へ投げ込む。 これで儀式は完了です。所要時間は10秒。 この10秒の習慣が、翌朝のパニックを人生から消滅させてくれました。


当事者の私が選ぶ、人生を整える「おすすめアイテム」

ここからは、実際に私が試し、信頼しているアイテムをご紹介します。 選定基準は「機能性」はもちろんですが、それ以上に「心が落ち着くデザインか」「セットする手間が少ないか」を重視しています。

1. 充電器の決定版:Anker MagGo Wireless Charging Station (3-in-1)

「どの充電器がいいですか?」と聞かれたら、まずはこれを推します。 信頼のAnker製であり、最新のQi2対応で充電速度も速い。

  • 推しポイント: 折りたたみ式であること。 旅行や出張など、環境が変わると眠れなくなったり不安になったりしませんか? これは小さく畳んで持ち運べるので、旅先のホテルでも「いつもの絶対領域」を再現できます。この安心感は計り知れません。
  • デザイン: 非常にミニマル。余計なロゴや装飾がなく、視覚過敏気味な私でもストレスを感じません。

2. 美しさを極めるなら:Belkin BoostCharge Pro

Apple Storeでも取り扱われている、最高峰の充電器です。 少し値は張りますが、インテリアとしての美しさは別格です。

  • 推しポイント: iPhoneが空中に浮いているように見えるデザイン。 机の上にこれが置いてあるだけで、「整った生活をしている自分」を感じられ、自己肯定感が少し上がります。毎日のことですから、この「気分」はとても大切です。

3. 「絶対になくさない」ための保険:AirTag(エアタグ)

もし、トレーに戻すことさえ忘れてしまったら? その恐怖を消すために、財布や鍵には必ず「AirTag」をつけておきましょう。

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  • 心の処方箋として: これは単なる追跡タグではありません。「失敗しても大丈夫」という保険です。 「また無くした…自分はダメだ」と落ち込む前に、iPhoneで「探す」アプリを開けばいい。テクノロジーがあなたのミスをカバーしてくれます。 自分の不注意を責める回数を減らすこと。それが、AirTagを持つ本当の意味です。

4. 魂を休める場所:本革のレザートレー

プラスチックの安いトレーではなく、ぜひ「手触りの良いもの」を選んでください。 私は、Bonaventura(ボナベンチュラ)のような、質の良いシュリンクレザーのトレーを使っています。

  • 理由: 帰宅して、鍵や小銭を置くとき。カチャン、という硬い音ではなく、革が優しく受け止めてくれる感触。 この触覚的な心地よさが、感覚過敏のある私にはとても重要でした。「大事なものを、大事な場所に置く」という意識が、自然と片付けを習慣化させてくれます。

傷ついた心への「言葉の処方箋」

ここまで、ガジェットの話をしてきましたが、最後に少し心の話に戻りましょう。

なぜ、私はここまで「充電器」や「置き場所」にこだわるのか。 それは、私たちが「これ以上、自分を嫌いにならないため」です。

私たちのような特性を持つ人は、幼い頃から「忘れ物が多い」「整理整頓ができない」と叱られ、自分でも自分を責め続けてきました。 「ちゃんとしなきゃ」と思えば思うほど、空回りして失敗する。

でも、もう自分を変えようとするのはやめましょう。 あなたが悪いのではありません。今の環境が、あなたの脳の特性に合っていないだけなのです。

計算ができないなら、電卓やアプリに頼ればいい。 片付けられないなら、置くだけで充電できるスタンドや、投げ込むだけのトレーを用意すればいい。

「道具に頼るなんて」と思わないでください。 それは、眼鏡の悪い人が眼鏡をかけるのと同じこと。 生きづらさを抱える私たちが、便利なガジェットや仕組みに頼ることは、自分自身を大切にする行為そのものです。

「助けて」と人に言うのは勇気がいります。 でも、ガジェットになら、無言で頼ることができます。

毎日、3 in 1充電器にスマホを置くたびに、こう思ってください。 「今日も一日、よく頑張ったね」と。 バッテリーが100%に回復するように、あなたの心もまた、家という安全地帯でゆっくりと充電されるべきなのです。


おわりに:「あなたは一人じゃない」

このブログを始めた理由は、ただ一つです。 「あなたは一人じゃない」と伝えたいからです。

今、診断がつかずに苦しんでいる方。 診断されたばかりで、これからどう生きていけばいいのか戸惑っている方。 そして、そんな当事者を支えようと悩み、この記事にたどり着いたご家族や支援者の方へ。

私の人生は、失敗だらけでした。 でも、こうして自分に合った道具を見つけ、工夫を重ねることで、少しずつ「自分らしい生き方」ができるようになってきました。

不器用な私ですが、こうして発信することで、あなたの荷物がほんの少しでも軽くなれば、これ以上の喜びはありません。

「あれ、どこだっけ?」 その言葉が減るだけで、人生は驚くほど穏やかになります。 まずは、あなたの部屋の一角に、小さな「絶対領域」を作ることから始めてみませんか?

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。 管理人のりゅうぞうでした。


(読者の皆様へ) この記事が参考になった、または「こんなことで困っている」という悩みがあれば、ぜひコメントで教えてください。私なりの視点で、また新しい「処方箋」を考えてみたいと思います。