「今日って何ゴミの日だっけ?」から解放される方法

朝、玄関で立ち尽くした経験、ありませんか?

「あれ、今日は燃えるゴミ?資源ゴミ?いや、先週出し忘れたペットボトルは…」

私、りゅうぞうは38歳。ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を持つ当事者です。この「今日は何ゴミ?」という毎朝の判断が、かつての私にとっては地獄でした。

結論から言います。

家事における「判断」をゼロにしたら、人生が劇的にラクになりました。そして、テクノロジーの力を借りたら、「書けない・計算できない」という私のSLDの壁すら、あっさり乗り越えられたんです。

この記事では、ASDの特性を活かした「曜日固定ルーティン」の作り方と、SLDの困難をカバーする「書かない・測らない」生活術を、失敗談も交えてお伝えします。


なぜ「判断」が私たちを疲弊させるのか

「決める」という行為の重さを知っていますか

ASDの特性を持つ私にとって、「判断する」という行為は想像以上にエネルギーを消耗します。

これは「決断疲れ(Decision Fatigue)」と呼ばれる現象で、実は誰にでも起こること。ただ、ASDの場合、この疲労度が一般の人より大きいと感じています。

なぜか?

私たちは「暗黙のルール」や「なんとなく」が苦手です。だから、一つ一つの判断に対して、

  • これで本当に合っているのか?
  • 前回はどうだったか?
  • 例外はないか?

と、無意識に膨大な情報処理をしてしまうんです。

私の失敗談:ゴミ出しで妻をブチギレさせた日

27歳で診断を受ける前、私は「普通に」家事をこなそうとしていました。

ある火曜日の朝。私は燃えるゴミを出しました。

でも、その日は資源ゴミの日でした。

「間違えちゃった、ごめん」で済む話のはずが、私の頭の中はパニック。

「いや、先週は火曜が燃えるゴミだった気がする」 「でも祝日があったから曜日がズレた?」 「いや、そもそも資源ゴミって第何週だっけ?」

考えれば考えるほど混乱し、結局その週は一度もゴミを出せませんでした。

妻の「なんでこんな簡単なことができないの?」という言葉が、今でも胸に刺さっています。


「曜日固定」の鉄則:判断をゼロにする7つのステップ

ルーティン化の魔法を手に入れる

診断を受けてから、私は「自分の脳に合った仕組み」を作ることに全力を注ぎました。

「曜日固定」の鉄則とは、簡単に言えばこうです。

「〇曜日は△△をする」と決めたら、例外を作らない。

これだけ。シンプルですが、効果は絶大です。

私の週間ルーティン(実例)

曜日家事内容備考
月曜燃えるゴミ出し朝7時に玄関へ
火曜風呂掃除子どもの入浴後に5分
水曜資源ゴミ出し前日夜に玄関に準備
木曜燃えるゴミ出し月曜と同じ
金曜トイレ掃除帰宅直後に3分
土曜掃除機がけ午前中に完了
日曜何もしない休息日(これ重要!)

ルーティン化を成功させる7つのステップ

  1. 現状を把握する:今やっている家事を全部書き出す
  2. 優先順位をつける:絶対必要なもの・なくても困らないものを分類
  3. 曜日に振り分ける:1日1タスクが理想
  4. 時間を固定する:「朝食後」「帰宅直後」など、既存の習慣に紐づける
  5. 視覚化する:冷蔵庫に貼る、スマホのウィジェットに表示
  6. 例外ルールを決める:祝日の場合は翌日にスライド、など
  7. 2週間続ける:習慣化には最低14日必要

【ポイント】例外を作らない勇気

「今日は疲れてるから明日でいいや」

この考えが、ルーティンを崩壊させます。

私のルールは「5分だけやる」です。

トイレ掃除の日に疲れていても、便器を1回だけ磨く。それで「今日のタスクは完了」とする。完璧を目指すから続かないんです。


SLDの壁を超える「書かない・測らない」生活術

計算が「無理」な私がテクノロジーで得た自由

ここからは、SLD(限局性学習症)の話をさせてください。

私のSLDの特性は主に2つ。

  • 算数障害(ディスカリキュリア):暗算が壊滅的。998円と1,002円、どっちが高いかすぐにわからない
  • 書字障害(ディスグラフィア):手書きが極端に苦手。メモを取っても後で読めない

「え、それで3,400万円の資産築いたんですか?」とよく驚かれます。

答えはシンプル。計算しなくていい環境を作ったんです。

私が実際に使っている「文明の利器」一覧

【料理編】測らない調理家電

① ホットクック(シャープ)

  • 価格:約45,000円〜
  • 特徴:材料を入れてボタンを押すだけ。計量不要のレシピが豊富
  • 私の使い方:「無水カレー」を週1回作る。野菜を適当に切って入れるだけ

② スマート計量スプーン(タニタ他)

  • 価格:約2,000円〜
  • 特徴:すくうだけでグラム数を表示
  • 私の使い方:調味料を「目分量」から解放された

【買い物編】書かないお買い物リスト

③ Alexa(Amazon Echo)+ リマインダー連携

  • 価格:Echo Dot 約5,900円〜
  • 特徴:「アレクサ、買い物リストに牛乳追加して」と言うだけ
  • 私の使い方:冷蔵庫を開けて「なくなった」と思った瞬間に声で追加

④ マグネット式ホワイトボード + 写真

COMPASSーPLUS
¥6,160 (2025/12/30 21:49時点 | 楽天市場調べ)
  • 価格:約1,500円
  • 特徴:文字ではなく「商品の写真」を貼る
  • 私の使い方:よく買うものの画像をマグネットシートに印刷

【家計管理編】計算しない資産形成

⑤ マネーフォワードME(アプリ)

  • 価格:無料〜月額500円
  • 特徴:銀行・証券口座を連携。自動で収支を計算
  • 私の使い方:毎月1日に「総資産」だけ確認。計算は一切しない

⑥ SBI証券 + 自動積立設定

  • 価格:口座開設無料
  • 特徴:一度設定すれば毎月自動で投資
  • 私の使い方:「毎月15日に○万円を全世界株式インデックスファンドに投資」と設定。以降、何もしない

なぜ「計算できない」私が3,400万円を築けたのか

ここだけの話をします。

多くの人は「投資=計算が得意な人のもの」と思っています。 でも実際は逆です。

計算できる人ほど、投資で失敗しやすい。

なぜか?

計算できると「今売れば○万円の利益」「ここで買えば平均取得単価が下がる」と、余計なことを考えてしまうんです。

私は計算できないから、「毎月同じ日に同じ金額を買う」以外の選択肢がありません。

これ、投資の世界では「ドルコスト平均法」と呼ばれる、最も堅実な手法の一つなんです。

ASDの「ルーティンを崩したくない」特性と、SLDの「計算できない」特性が、皮肉にも最強の投資戦略を生み出しました。

「できない」は「しなくていい」に変換できる。

この発想の転換が、私の人生を変えました。


テクノロジー導入のコツとデメリット

便利ツールを使いこなすために

ここまで様々なツールを紹介しましたが、いくつか注意点があります。

導入時のコツ

  • 一度に全部始めない:1ヶ月に1つずつ導入
  • 家族と共有する:「このアプリで管理するね」と宣言
  • 初期設定は休日に:焦らず、2〜3時間確保して

正直に話すデメリット

ツールデメリット
ホットクック内鍋の手洗いが面倒。食洗機不可
Alexaたまに聞き間違える。プライバシーが気になる人も
マネーフォワード連携エラーが時々発生。無料版は連携数に制限
自動積立投資暴落時も淡々と買い続ける勇気が必要

私の場合、ホットクックの内鍋洗いは「火曜の風呂掃除のついで」にルーティン化して解決しました。

デメリットも「仕組み」で対処する。これがASD流です。


まとめ:「できない自分」を受け入れたら、人生が楽になった

この記事を読んでくださったあなたへ。

私は27歳まで「普通」になろうと必死でした。

メモを取れ、と言われればノートを買い、 スケジュール管理しろ、と言われれば手帳を買い、 家計簿をつけろ、と言われればExcelを開き……

全部、続きませんでした。

診断を受けて、ようやく気づいたんです。

「普通のやり方」が私に合わないなら、「私のやり方」を作ればいい。

曜日固定のルーティンは、私の「判断が苦手」という特性への処方箋。 テクノロジーの活用は、私の「書けない・計算できない」という壁への迂回路。

どちらも、「できない自分」を責めることをやめて、「じゃあどうすれば?」と考え始めてから見つけた方法です。


あなたへのメッセージ

もし今、「自分はダメだ」と感じているなら。

それはあなたが悪いんじゃなくて、「やり方」があなたに合っていないだけかもしれません。

世の中には、驚くほど便利なツールがあります。 そして、ASDやSLDの特性は、使い方次第で「強み」にもなります。

私みたいに計算が全くできなくても、「仕組み」を味方につければ資産形成だってできる。 暗黙の了解が読めなくても、「ルール」を明文化すれば家事だって回せる。

あなたは一人じゃありません。

一緒に、「私たちなりの攻略法」を見つけていきましょう。