「手書きのメモ」は紛失の元:スマホの音声入力とリマインダーだけで、生活のすべてを回す方法

あなたも「メモしたのに忘れた」経験、ありませんか?
「あれ、どこに書いたっけ…」
私、りゅうぞうは38歳になった今でも、この言葉を何百回と繰り返してきました。
結論から言います。
SLD(限局性学習症)で書字が苦手な私は、手書きのメモを完全にやめました。代わりに、スマホの音声入力とリマインダー機能だけで生活のすべてを管理しています。そして、この方法に切り替えてから、「忘れ物」「やり忘れ」が劇的に減りました。
「え、そんな簡単なことで?」と思いますよね。
でも、これが私にとっては人生を変える発見だったんです。
同じように「メモが続かない」「書くのが苦痛」「せっかく書いても見返さない」と悩んでいる方へ。この記事では、私が試行錯誤の末にたどり着いた「書かない生活術」を、すべてお伝えします。
手書きメモが私にとって「敵」だった理由
SLDの書字困難とは何か
まず、少しだけ私の障がいについて説明させてください。
私が持っているSLD(限局性学習症)は、知的な遅れがないにもかかわらず、特定の学習領域だけが極端に苦手という障がいです。
私の場合、特に苦手なのが**「書字」と「計算」**。
具体的にどういうことかというと…
【私の「できない」リスト】
- 漢字を思い出せない(「薬」という字が書けなくて10分悩むことも)
- 書いた文字が自分でも読めない
- メモを取るスピードが極端に遅い
- 暗算ができない(二桁の足し算でフリーズします)
- 手書きの作業に異常なエネルギーを消耗する
これ、本人としては本当につらいんですよね。
「なんでこんな簡単なことができないの?」と、何度自分を責めたかわかりません。
手書きメモが生んだ「二次被害」の数々
27歳で診断を受けるまで、私は「普通の人と同じようにメモを取らなければ」と必死でした。
会議でメモを取る。買い物リストを書く。予定を手帳に書く。
でも、結果は散々でした。
【私の手書きメモ失敗談】
- 書いたメモをどこに置いたか忘れる → ズボンのポケットに入れたまま洗濯して、紙くずになったこと数知れず
- 書いた字が読めない → 「牛乳」と書いたはずが「牛孔」に見えて、何を買うんだったか混乱
- そもそもメモを見返さない → 存在を忘れて、結局やり忘れる
- 書くことに必死で、内容を理解していない → 会議のメモを取ったのに、何の会議だったか覚えていない
笑い話のようですが、当時の私は本当に追い詰められていました。
「自分はなんてダメな人間なんだ」
その思いが、常に心の底にありました。
スマホ音声入力との出会い—「書かない」という選択
診断後に見つけた「私に合った方法」
27歳で診断を受けた後、私は少しずつ**「普通のやり方」を手放す勇気**を持てるようになりました。
きっかけは、妻の何気ない一言でした。
「ねえ、声で入力すればいいじゃん」
…目から鱗でした。
今のスマートフォンには、標準で音声入力機能がついています。私が使っているiPhoneでは、キーボードのマイクボタンを押すだけで、話した言葉がそのまま文字になります。
「これだ!」と思いました。
書くのが苦手なら、書かなければいい。
当たり前のようで、私には革命的な発想でした。
音声入力の具体的な使い方
では、実際に私がどう使っているかを紹介します。
【りゅうぞう流・音声入力活用術】
① 買い物リストの作成
スーパーに行く前、思いついたものを声で入力。
「牛乳、卵、豆腐、あと…納豆も」
これだけで、スマホのメモアプリにリストが完成します。字を書く必要がないので、5秒で終わります。
② 仕事のアイデアメモ
私は興味のある分野に深く集中できるという特性があります。ふとアイデアが浮かんだとき、以前は「後で書こう」と思って忘れていました。
今は、その場で「アイデア、◯◯についてブログ記事書く」と音声入力。思考の鮮度を保ったまま記録できます。
③ 日記・ブログの下書き
実はこのブログ記事も、最初は音声入力で下書きを作っています。しゃべりながら考えをまとめられるので、書字の苦手な私でも3,000文字以上の記事が書けるんです。
おすすめの音声入力アプリと設定
ここで、私が実際に使っているツールを紹介します。
【無料で使える音声入力ツール】
| ツール名 | 特徴 | 私の評価 |
|---|---|---|
| iPhone標準音声入力 | 手軽さNo.1、オフラインでも使える | ★★★★★ |
| Googleドキュメント音声入力 | 長文入力に強い、句読点も自動挿入 | ★★★★☆ |
| Siri | 「Hey Siri、メモして」で起動 | ★★★☆☆ |
私のイチオシはiPhone標準の音声入力です。
理由は、どのアプリでも使えるから。LINEでもメモアプリでも、キーボードが出る場面ならどこでも音声入力できます。
【音声入力のコツ】
- 「てん」「まる」と言うと句読点が入る(意外と知らない人が多い)
- 静かな場所で使うと認識精度が上がる
- 最初はゆっくり、はっきり話す
リマインダーが「第二の脳」になる
ASDの私が予定変更に弱い理由
ここで、もう一つの私の特性についてお話しします。
ASD(自閉スペクトラム症)を持つ私は、急な予定変更がとても苦手です。
頭の中で「今日はAをして、その後Bをして…」とスケジュールを組み立てているところに、突然「Cもお願い」と言われると、パニックになってしまいます。
また、「暗黙の了解」を読み取ることも苦手です。
「あれ、やっておいてね」と言われても、「あれ」が何を指すのかわからない。でも、聞き返すと「さっき言ったじゃん」と言われる。
こういう日常の小さなストレスが、積み重なると本当にしんどいんです。
リマインダーで「忘れていい」環境を作る
そこで救世主になったのが、リマインダー機能でした。
リマインダーとは、設定した時間に通知でお知らせしてくれる機能です。スマホに標準搭載されています。
これを使うことで、私は「覚えておく」というストレスから解放されました。
【りゅうぞう流・リマインダー活用術】
① 時間指定リマインダー
「明日の朝8時にゴミ出し」と音声入力でリマインダー設定。朝になったらスマホが教えてくれます。
② 場所指定リマインダー
「スーパーに着いたら牛乳を買う」と設定すると、GPSでスーパーの近くに行ったときに通知が来ます。これ、本当に便利です。
③ 繰り返しリマインダー
「毎週月曜日に薬を補充」「毎月25日に家賃振込」など、定期的なタスクは一度設定すれば永遠に通知してくれます。
【私が実際に設定しているリマインダーの例】
- 毎朝6:30「薬を飲む」
- 毎週火曜・金曜「燃えるゴミ」
- 毎月1日「ブログ運営費の確認」
- 毎月15日「投資信託の積立状況チェック」
そう、私は計算が極端に苦手なのに、資産運用をしています。
「え、それってどういうこと?」と思いましたよね。
計算障がいでも3,400万円を築けた理由
ここで、少しマニアックな話をさせてください。
私は暗算ができません。二桁の足し算も、頭の中ではできません。でも、現在約3,400万円の資産があり、その90%は株式投資で運用しています。
「計算できないのに投資?矛盾してない?」
いいえ、矛盾していません。
秘訣は「自動化」です。
【計算障がいでもできる資産運用の仕組み】
- 給料日に自動で積立投資される設定にする → 自分で計算する必要がない
- インデックスファンド(市場全体に分散投資する投資信託)を選ぶ → 銘柄選びに複雑な計算がいらない
- 証券会社のアプリで資産状況を「見る」だけ → 計算はすべてアプリがやってくれる
- リマインダーで「月1回だけ確認する」と設定 → 毎日見て一喜一憂しない
つまり、「計算が必要な作業は、すべてテクノロジーに任せる」という発想です。
これは障がいがあるからこそ見つけた方法であり、実は障がいがない人にも有効な戦略なんです。人間の感情に左右されず、淡々と積み立てるのが投資の王道だからです。
私の「できない」は、逆に「余計なことをしない」という強みに変わりました。
「書かない・測らない」生活術のデメリットと対策
正直に話す、この方法のデメリット
ここまで良いことばかり書いてきましたが、正直にデメリットもお伝えします。
【音声入力・リマインダー生活のデメリット】
- 電車の中など、声を出せない場所では使いにくい → 対策:小声でも認識するので、マスクをしながら小声で入力
- スマホの充電が切れたら終わり → 対策:モバイルバッテリーを常に持ち歩く(私の必需品)
- 「スマホ依存」に見られることがある → 対策:必要な人には「障がいの補助として使っている」と伝える
- 周囲の雑音が多いと認識精度が落ちる → 対策:イヤホンマイクを使うと改善する
- 家族に「また携帯いじってる」と言われる → 対策:事前に「これが私の手帳代わり」と説明しておく
周囲への伝え方——「助けて」と言えるまで
実は、この方法を確立するまでに、私は「周囲に障がいを伝える」というハードルを越える必要がありました。
以前の私は、障がいがあることを隠していました。
「変な目で見られるんじゃないか」 「仕事ができないと思われるんじゃないか」
そんな恐怖があったからです。
でも、隠すことで余計に苦しくなりました。
転機は、妻に本音を打ち明けたときでした。
「俺、書くのが本当に苦手なんだ。普通のことができない自分が情けない」
妻は言いました。
「できないことがあるのは当たり前でしょ。私だって虫が触れないし。あなたはあなたのやり方を見つければいいんだよ」
この言葉で、私は救われました。
「できない自分」を責めるのをやめて、「できる方法」を探すことにエネルギーを使おう。
そう思えたとき、人生が大きく変わり始めました。
具体的なツールと設定方法——今日から始められる実践ガイド
iPhone編・音声入力の設定方法
では、実際に今日から使えるように、具体的な設定方法をお伝えします。
【iPhoneの音声入力を有効にする手順】
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「キーボード」をタップ
- 「音声入力」をオンにする
- 任意のアプリでキーボードを表示
- キーボード下部のマイクボタンをタップ
- 話しかけると文字が入力される
【知っておくと便利な音声コマンド】
| 言葉 | 入力される記号 |
|---|---|
| 「てん」 | 、(読点) |
| 「まる」 | 。(句点) |
| 「かいぎょう」 | 改行 |
| 「かっこ」「かっことじ」 | ( ) |
| 「はてな」 | ? |
| 「びっくりまーく」 | ! |
これを覚えておくだけで、句読点のためにキーボードに戻る手間が省けます。
Android編・Googleアシスタントの活用
Androidユーザーの方も安心してください。Googleアシスタントが強い味方になります。
【Androidでの音声入力活用法】
- 「OK Google」または電源ボタン長押しでアシスタント起動
- 「メモして」と言うと、Googleキープにメモが保存される
- 「明日の8時にアラーム」でリマインダー設定
- 「買い物リストに牛乳を追加」でリスト管理
Googleアシスタントの強みは、「〜して」と自然な言葉で指示できるところです。機械的なコマンドを覚える必要がありません。
リマインダーアプリの比較と選び方
リマインダーアプリは標準のもので十分ですが、より便利なアプリもあります。
【おすすめリマインダーアプリ比較】
| アプリ名 | 対応OS | 特徴 | 価格 |
|---|---|---|---|
| Apple純正リマインダー | iOS | Siriとの連携が完璧 | 無料 |
| Google ToDo | iOS/Android | Googleカレンダーと連携 | 無料 |
| Todoist | iOS/Android | タスク管理に特化、プロジェクト分け可能 | 無料(有料版あり) |
| Due | iOS | しつこく通知してくれる | 約900円 |
私のおすすめは、Apple純正リマインダー(iPhoneユーザー)またはGoogle ToDo(Androidユーザー)です。
理由は、音声アシスタントとの連携が抜群だから。
「Hey Siri、明日の朝8時にゴミ出しをリマインド」
これだけで設定完了です。手で操作する必要がありません。
【上級テクニック:場所でリマインダーを発動させる】
Apple純正リマインダーでは、「場所に着いたとき」に通知を出す設定ができます。
設定方法:
- リマインダーアプリで新規タスクを作成
- タスクをタップして詳細画面を開く
- 「場所」をオンにする
- 地図で場所を指定(例:最寄りのスーパー)
- 「到着時」または「出発時」を選択
これで、スーパーに着いた瞬間に「牛乳買う!」と通知が来ます。
私はこの機能で、買い忘れが90%減りました。大げさではなく、本当にそのくらい効果がありました。
家族・職場への伝え方——理解を得るためのコツ
「障がい」を伝えることへの恐怖
ここまで読んでくださった方の中には、こう思っている方もいるかもしれません。
「方法はわかった。でも、周りにどう説明すればいいの?」
その気持ち、痛いほどわかります。
私も最初は怖かったんです。
「障がいがあります」と言うことで、どう見られるか。
でも、伝えないことでもっと苦しんでいたのも事実でした。
私が実際に使った「伝え方」テンプレート
試行錯誤の末、私が見つけた「伝わりやすい言い方」を共有します。
【家族への伝え方】
「実は、書くことと計算がすごく苦手なんだ。生まれつきの脳の特性で、努力でどうにかなるものじゃないみたい。だから、スマホの音声入力を使って工夫してる。怠けてるわけじゃないから、理解してくれると嬉しい」
ポイントは「怠けではない」と伝えること。多くの人は、スマホを触っていると「遊んでいる」と誤解するからです。
【職場への伝え方】
「私は学習障がいがあり、手書きでのメモが困難です。その代わり、スマートフォンの音声入力機能を活用しています。業務上の指示はテキストでいただけると、正確に対応できます。ご配慮いただけると助かります」
職場では、「何ができないか」だけでなく「どうすればできるか」を伝えることが大切です。配慮を求めるだけでなく、解決策も一緒に提示すると、相手も受け入れやすくなります。
理解されなかったときの心の整理
正直に言います。
全員に理解してもらうことは不可能です。
私も、何度も心ない言葉を投げかけられました。
「そんなの甘えでしょ」 「みんな大変なんだから」 「障がい者って言えば何でも許されると思ってる?」
そのたびに、胸が締め付けられました。
でも、ある本の一節に救われました。
「理解してくれる人に、エネルギーを使おう」
全員にわかってもらう必要はないんです。
あなたのことを理解しようとしてくれる人、支えてくれる人は、必ずいます。私にとっては妻であり、主治医であり、そして同じ障がいを持つ仲間でした。
理解されない悲しみは消えません。でも、理解してくれる人との関係を大切にすることで、少しずつ心が軽くなっていきました。
おすすめの本・映画——心に響いた作品
私の人生を変えた本3選
ここで、同じような悩みを持つ方におすすめしたい本を紹介します。
①『発達障害の私が夫と普通に暮らすために書いているノート』(ナナトエリ、亀山聡)
発達障がいを持つ著者が、パートナーとの生活をどう工夫しているかを描いたコミックエッセイ。「普通」を目指すのではなく、「自分たちなりの普通」を作るという考え方に、とても共感しました。
②『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』(村上由美)
日常生活のあらゆる場面での「困りごと」と「解決策」が網羅されています。私が音声入力に目覚めたきっかけも、この本でした。実用的なテクニックが詰まっていて、今でも時々読み返します。
③『「普通がいい」という病』(泉谷閑示)
これは障がいの本ではありません。でも、「普通でなければならない」という思い込みから解放してくれた一冊です。「普通」の正体について考えさせられます。
一人の夜に観てほしい映画
『僕と世界の方程式』(原題:A Brilliant Young Mind)
数学の天才でありながら、人との関わりが極端に苦手な少年の物語です。「理解されない孤独」と「それでも人とつながりたい気持ち」が丁寧に描かれていて、観終わった後、静かに涙が出ました。
まとめ:「できないこと」は「やらなくていいこと」になる
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
この記事でお伝えしたかったことを、もう一度整理します。
【この記事のポイント】
- 手書きメモが苦手なら、音声入力を使えばいい
- 覚えるのが苦手なら、リマインダーに任せればいい
- 計算が苦手でも、自動化すれば資産運用もできる
- 周囲への伝え方は「できないこと+できる方法」をセットで
- 全員に理解されなくても、理解者を大切にすればいい
私は長い間、「普通のやり方」ができない自分を責めてきました。
でも今は違います。
「私には私のやり方がある」
そう思えるようになってから、毎日が少しずつ楽になりました。
もしあなたが、かつての私のように「なんで自分はできないんだろう」と苦しんでいるなら、伝えたいことがあります。
あなたは、ダメじゃない。
ただ、まだ「あなたに合った方法」に出会っていないだけかもしれません。
音声入力やリマインダーは、その方法の一つにすぎません。もっと他にも、あなたに合った工夫があるはずです。
このブログが、その「方法」を見つけるきっかけになれたら、こんなに嬉しいことはありません。
あなたは、一人じゃない。
同じように悩みながらも、なんとか日々を生きている仲間が、ここにいます。
不器用な私ですが、これからも「暮らしの攻略本」を書き続けていきます。
どうか、ゆっくりしていってください。







