文字を読むのが辛いあなたへ。「聴く読書」で投資情報を武器にする、私のiPhone活用術と心の処方箋

暗闇の中で見つけた光
こんにちは。管理人のりゅうぞうです。
私は現在、自閉スペクトラム症(ASD)と限局性学習症(SLD)という2つの障がいを持って生活しています。
私が自分の障がいに気づいたのは、27歳の時でした。 それまでの20数年間は、まさに「暗闇の中で手探りをしている」ような感覚でした。周りの人と同じように努力しているはずなのに、なぜかうまくいかない。「自分はダメな人間なんだろうか」「努力が足りないだけなのか」と、自分を責め続ける日々を送っていました。
27歳で診断名がついた時、正直なところショックよりも、「やっと理由がわかった」という安堵感の方が大きかったことを覚えています。それは、私が「私として生きていく」ための再スタートの瞬間でもありました。
今日は、そんな私が投資家として資産形成をする中でぶつかった「壁」と、それを乗り越えるために使っている「iPhoneの機能」、そして少しだけ「心の話」をさせてください。
投資家としての「致命的な弱点」
私は現在、妻と共に将来のために資産運用を行っており、ありがたいことに資産の9割を株式で運用できるまでになりました。
しかし、投資の世界には私のようなSLD(限局性学習症)の人間にとって、非常に高いハードルが存在します。 それは、「膨大な文字情報」です。
- 企業の決算レポート
- 日々の経済ニュース
- 投資信託の目論見書
- アナリストの分析記事
投資判断をするためには、これらの情報をインプットする必要があります。しかし、私には「文字を読んで理解する」ことに特異な困難があります。
特に、白い背景に黒い文字がびっしりと並んでいるのを見ると、文字が踊って見えたり、行を飛ばしてしまったりして、脳が情報を拒絶してしまうのです。 「読まなければいけないのに、読めない」 この焦りは、かつて学校の教室で感じていた劣等感を呼び起こすものでした。
救世主は、ポケットの中のiPhoneだった
そんな私の投資ライフを劇的に変えてくれたのが、特別な高額機器でも、有料のアプリでもありません。 皆さんが普段使っているiPhoneの標準機能でした。
その名は、「画面の読み上げ」機能です。
これは本来、視覚に障がいがある方のためのアクセシビリティ機能ですが、私のように「文字を読むのが苦手な脳」を持つ人にとっても、最強のサポートツールになります。
この機能を使えば、難解な決算レポートも、長文のブログ記事も、すべて「ラジオ」のように耳から聴く情報に変えることができるのです。
設定はたったの3ステップ
まだ使ったことがない方のために、設定方法を共有します。特別なアプリをインストールする必要はありません。今すぐできます。
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」 > 「読み上げコンテンツ」 をタップ
- 「画面の読み上げ」 をオン(緑色)にする
たったこれだけです。
使い方: 読ませたいWebページやPDFを開いた状態で、画面の上端から下に向かって、指2本でスワイプ(なぞる)してください。 すると、読み上げコントローラーが現れ、Siriのような声で文章を読み上げてくれます。
「聴く投資」がもたらす3つのメリット
私はこの機能を使い始めてから、投資情報の収集スタイルが劇的に変わりました。
1. 「速聴」で脳に情報を流し込む 読み上げ速度は調整可能です。私は「2倍速」で聴いています。 目で文字を追うとつっかえてしまう私ですが、耳からの情報であれば、高速でも驚くほどスムーズに脳に入ってきます。これは、ASD特有の「興味のある分野への集中力」とも相性が良いのかもしれません。
2. 家事をしながらの「ながらインプット」 画面を見続ける必要がないので、皿洗いや洗濯物を畳みながら、あるいは通勤電車の中で目を閉じたまま、最新の経済情報をチェックできます。 「じっと座って文字を読む」という苦痛な時間が、「家事を片付けながら賢くなる」という生産的な時間に変わりました。
3. 「老眼」や「疲れ目」の対策にも これは障がい当事者だけでなく、親世代の方にもおすすめです。細かい文字を追うのは、誰にとっても疲れるものです。耳で聴くことは、目への負担をゼロにしてくれます。
おすすめ商品:聴く読書を快適にする「相棒」たち
「画面の読み上げ」をフル活用するために、私が実際に使ってみて「これは良い」と感じたガジェットをご紹介します。
1. 骨伝導イヤホン(Shokz OpenRunなど) これが私のイチオシです。耳の穴をふさがず、骨を通して音を聴くイヤホンです。
- おすすめ理由: 私たちのような特性を持つ人は、感覚過敏を持っていることも少なくありません。耳の中に異物が入るカナル型イヤホンが苦手な方でも、これなら快適です。また、周囲の音も聞こえるので、家族の声かけに気づけますし、子供を見守りながらの「ながら聴き」に最適です。
2. ノイズキャンセリングヘッドホン(Sony WH-1000XM5など) 逆に、「周囲の音を遮断して集中したい」という時に使います。
- おすすめ理由: ASDの特性として、雑音が気になって思考がまとまらないことがあります。このヘッドホンをつけ、読み上げ機能で情報を流すと、自分だけの世界に没入でき、驚くほど学習効率が上がります。投資の分析をする「本気モード」の時の相棒です。
3. スマホ・タブレットスタンド(Lamicallなど) デスクにiPhoneを置いて読み上げさせる時、画面が見やすい角度で固定できると便利です。
- おすすめ理由: 読み上げ中、たまに図表やグラフだけは目で見たい時があります。その際、手で持たずに視線を送るだけで確認できるスタンドがあると、ストレスが大幅に減ります。
心の処方箋:「できない」を認める勇気
最後に、少し心の話をして終わりにしたいと思います。
私は27歳まで、自分が「できない」ことを隠そうと必死でした。 計算ができない、文字がうまく書けない、空気が読めない。 それらを「努力不足」だと思い込み、自分を痛めつけていました。
でも、診断を受けて気づいたのです。 「障がいがあるからといって、全てができないわけではない」と。 そして同時に、「苦手なことは、無理に自分の力だけで克服しなくていい」とも。
私が投資家として活動できているのは、計算や読字という「苦手」を、ExcelやiPhoneといった「テクノロジー」にアウトソーシング(外注)したからです。 「自分で読まなきゃ」というこだわりを捨て、「iPhoneに読んでもらおう」と決めた瞬間、世界は広がりました。
「助けて」と言えること。 便利な道具に頼ること。
これは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分の人生を「私らしく」生きるための、とても賢い戦略です。
もし今、あなたが、あるいはあなたのご家族が、何らかの「生きづらさ」を感じているなら。 どうか自分を責めないでください。あなたは一人じゃありません。
私のように不器用でも、道具を使えば投資だってできる。 そんな私の「失敗」や「工夫」の発信が、暗闇の中で手探りをしている誰かの足元を照らす、小さな明かりになれば嬉しいです。
不器用な私ですが、これからもこのブログで、ありのままの日常と、生活を少し楽にするヒントを綴っていきます。 どうぞ、ゆっくりしていってください。







