目次
  1. 計算が苦手でも、投資で成功できる
  2. 【私の投資遍歴】計算できない人間が、投資を始めるまで
    1. 最初の一歩:インデックス投資との出会い
    2. テクノロジーとの運命的な出会い
    3. 失敗と発見:財務諸表に挑んだ日々
  3. 【私の投資スタイル】数字ではなく「テーマ」と「直感」で選ぶ
    1. コア・サテライト戦略:安定と冒険の両立
    2. 私の保有銘柄:すべて「テクノロジーが未来を変える」賭け
    3. 私が信じるテーマ:「計算機が人間を助ける未来」
  4. 【具体的な銘柄選びの方法】計算しない、でも考える
    1. ステップ1:「これは来る」という直感を大切に
    2. ステップ2:「自分の生活で使えるか」を想像する
    3. ステップ3:「5年後も使われているか」を考える
    4. ステップ4:買うタイミングは「今」、売るタイミングは「ほぼ決めない」
  5. 【私が使っているツール・テクノロジー】計算を代行してくれる味方たち
    1. 証券アプリ:視覚的に理解できるインターフェース
    2. 自動積立機能:考えなくていい投資の基本
    3. 音声アシスタント:情報収集の相棒
    4. AI要約ツール:複雑な情報をシンプルに
    5. スプレッドシートは使わない:代わりにアプリの自動集計
  6. 【デメリットと注意点】この方法の弱点も正直に
    1. デメリット1:財務的なリスクが見えにくい
    2. デメリット2:短期的な値動きに振り回される可能性
    3. デメリット3:「なぜ選んだか」を説明しにくい
  7. 【中級者向けコラム】「直感」は非合理ではない──認知科学的視点
  8. 【まとめ】あなたの「できない」は、新しい視点の宝庫

計算が苦手でも、投資で成功できる

「投資には複雑な計算が必要」「財務諸表を読めないと株式投資なんて無理」──そんな思い込み、ありませんか?

実は私、ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を持ち、計算と書字に大きな困難を抱えています。電卓がないと簡単な足し算もままならない。PERやROEといった財務指標の計算式を見ると、頭が真っ白になる。そんな私が、現在3400万円の資産(うち90%が株式)を保有しています。

「計算ができないのに、どうやって?」と思われるでしょう。答えはシンプルです。計算をしていないからです。

この記事では、数字に頼らず、テクノロジーと直感、そして「自分の信じるテーマ」に投資する私の方法を紹介します。財務分析ができなくても、表計算が苦手でも、投資の世界で自分なりの成功を掴むことは可能です。障がいは「できない理由」ではなく、「独自の視点を持つ強み」に変えられるのです。


【私の投資遍歴】計算できない人間が、投資を始めるまで

最初の一歩:インデックス投資との出会い

投資を始めたのは約8年前。きっかけは「老後2000万円問題」でした。将来への漠然とした不安を抱えながらも、「自分には投資なんて無理」と思い込んでいました。

転機となったのは、ある本との出会いです。「インデックス投資なら、複雑な計算は不要。市場全体に分散投資するだけで、長期的には成長する」──この言葉に救われました。

最初は月3万円の積立投資信託から。S&P500やオールカントリー(全世界株式)といったインデックスファンドを選びました。何が素晴らしかったかというと、「考えなくていい」こと。個別銘柄を選ぶ必要がなく、自動で積み立てられる。計算が苦手な私にとって、これ以上ないスタート地点でした。

テクノロジーとの運命的な出会い

インデックス投資を続けて3年ほど経った頃、私の生活に大きな変化が訪れました。スマートスピーカーやスマホの音声アシスタント、文字を音声で読み上げてくれるアプリ──これらのテクノロジーが、私の「できないこと」を次々と補い始めたのです。

買い物の計算はスマホが自動で。銀行の残高確認も音声で。投資信託の評価額も、アプリが視覚的にグラフで示してくれる。私は気づきました。「計算できない私が投資できているのは、テクノロジーのおかげだ」と。

そしてこう思ったのです。「この技術を作っている企業に投資すれば、私と同じように助けられる人が増える。その成長に賭けてみたい」──これが、個別株投資へ踏み出すきっかけでした。

失敗と発見:財務諸表に挑んだ日々

最初は「ちゃんとやろう」と意気込みました。投資本を何冊も読み、PER(株価収益率)やROE(自己資本利益率)の計算方法を学ぼうとしました。

結果は惨敗です。数式を見た瞬間、文字が踊り出す。何度読んでも頭に入らない。エクセルで計算しようとしても、関数が覚えられず、何度も同じミスを繰り返す。自分の無力さに打ちのめされました。

でもある日、ふと思ったのです。「なぜ私は、自分に向いていない方法に固執しているんだろう?」

私には計算はできない。でも、「この技術が未来をどう変えるか」を想像する力はある。論理的な分析は苦手だけど、「これは来る」という直感は鋭い。ならば、その強みを活かせばいいじゃないか──そう開き直った瞬間、投資が楽しくなりました。


【私の投資スタイル】数字ではなく「テーマ」と「直感」で選ぶ

コア・サテライト戦略:安定と冒険の両立

私の投資戦略は、「コア・サテライト戦略」と呼ばれる手法に近いです。ただし、私流にカスタマイズしています。

【コア部分:約70%】

  • インデックス型投資信託(S&P500、全世界株式)
  • 高配当株式ファンド
  • 債券ファンド
  • REITファンド

これらは「市場全体」「財務優良企業」「安定収益」といった伝統的な資産です。ここは完全に自動運転。毎月決まった額を積み立て、基本的に売却しません。計算も分析も不要。ただ、時間を味方につけるだけです。

【サテライト部分:約30%】

  • 個別株(テクノロジー関連企業中心)

ここが私の「遊び場」であり「信念を試す場」です。財務諸表は読みませんが、「5年後、10年後の世界がどうなっているか」を徹底的に考えます。

私の保有銘柄:すべて「テクノロジーが未来を変える」賭け

現在、私が保有する個別株は以下の9銘柄です。

  • NVIDIA(エヌビディア):AI半導体のリーダー
  • Astera Labs(アステラ・ラボ):データセンター接続技術
  • Rubrik(ルーブリック):クラウドデータ管理
  • Reddit(レディット):ソーシャルプラットフォーム
  • Applovin(アップラビン):モバイル広告技術
  • On Holding(オン・ホールディング):高機能スニーカー(非テック)
  • Tempus AI(テンパスAI):AIヘルスケア
  • Lyft(リフト):ライドシェアプラットフォーム(非テック)
  • UiPath(ユーアイパス):RPAソフトウェア

見ての通り、ほぼ全てがテクノロジー関連です。「ハイテク偏重だ」「リスクが高すぎる」という指摘は、その通りです。でもこれは意図的な選択です。

なぜなら、コア部分で市場全体をカバーしているから。サテライト部分では、「私が信じるテーマ」に全力投球できるのです。

私が信じるテーマ:「計算機が人間を助ける未来」

私が一貫して投資しているテーマは、「計算機(コンピューター)が人間の知的作業を代替・拡張していく未来」です。

これは単なる予測ではありません。私自身の体験に基づいた確信です。

  • 計算ができない私が家計管理できているのは、自動計算アプリのおかげ
  • 文字が読みづらい私が投資情報を得られるのは、音声読み上げ機能のおかげ
  • 複雑な情報を理解できるのは、AI要約ツールのおかげ

テクノロジーがなければ、私は投資の世界に足を踏み入れることすらできませんでした。だから私は、この未来に賭けています

NVIDIAのGPUがAI開発を加速させ、UiPathのRPAが定型業務を自動化し、Tempus AIが医療データを解析してより良い治療を提案する──これらすべてが、私のような「できないことがある人間」を助けてくれる。

財務諸表は読めなくても、「この技術が5年後、10年後の世界をどう変えるか」については、誰よりも深く考えている自信があります。なぜなら、私自身がその恩恵を毎日受けているからです。


【具体的な銘柄選びの方法】計算しない、でも考える

ステップ1:「これは来る」という直感を大切に

私の銘柄選びは、直感から始まります

例えばNVIDIA。AI開発にGPUが不可欠だと知ったのは、ChatGPTが話題になった2023年初頭でした。「AIが世界を変えるなら、その心臓部を作っている会社は伸びるはず」──この直感が最初でした。

財務諸表は見ません。代わりに以下を確認します。

  • ニュース記事:音声読み上げで最新情報をチェック
  • YouTube動画:専門家の解説を視聴(映像と音声は理解しやすい)
  • 企業サイト:製品やサービスの内容を確認(文字は少なく、図解が多いページを選ぶ)

ステップ2:「自分の生活で使えるか」を想像する

次に重要なのは、自分や周囲の人が使う場面を想像できるかです。

例えばUiPath(RPAソフトウェア)。これは「ロボットによる業務自動化」を提供する企業です。私は事務作業が非常に苦手ですが、もし職場にUiPathがあったら、どれだけ助かるか──そう想像したとき、「これは必要とされる」と確信しました。

Redditも同様です。匿名でコミュニティに参加でき、同じ悩みを持つ人と繋がれるプラットフォーム。私自身、障がい当事者のオンラインコミュニティに救われた経験があります。「これは孤独を減らすツールだ」と感じ、投資を決めました。

ステップ3:「5年後も使われているか」を考える

短期的な株価の上下は気にしません。なぜなら、計算できないから予測できないから(笑)。

代わりに、「5年後、10年後もこの技術は必要とされているか」を考えます。

  • AI半導体(NVIDIA)→ 確実に必要
  • クラウドデータ管理(Rubrik)→ データ量は増え続ける
  • RPAソフトウェア(UiPath)→ 人手不足の社会で需要増

もちろん、外れることもあります。Lyftは競合のUberに押され気味で、株価も低迷しています。でもそれでいいのです。全部当てる必要はない。コア資産がある以上、サテライト部分は「信念を試す実験」だと割り切っています。

ステップ4:買うタイミングは「今」、売るタイミングは「ほぼ決めない」

タイミングを計算で判断することはできないので、「欲しいと思ったら買う」がルールです。

ただし、以下の原則は守っています。

  • 一度に大量に買わない:少額ずつ、複数回に分けて購入
  • 余裕資金のみ:生活費や緊急予備資金には手をつけない
  • 基本的に売らない:長期保有を前提

株価が下がっても慌てません。なぜなら、「この企業の未来」を信じて買ったから。短期的な値動きは、私には予測不可能ですし、する必要もありません。


【私が使っているツール・テクノロジー】計算を代行してくれる味方たち

証券アプリ:視覚的に理解できるインターフェース

私が使っている証券アプリは、楽天証券SBI証券です。選んだ理由は、視覚的にわかりやすいから。

  • 円グラフで資産配分が一目瞭然:数字を計算しなくても、バランスが視覚的に把握できる
  • 損益が色分け表示:プラスは緑、マイナスは赤。直感的に理解できる
  • 音声読み上げ対応:スマホの読み上げ機能と相性が良い

逆に、数字だらけの表やテキスト中心のインターフェースは苦手です。アプリ選びでは「見やすさ」を最優先にしています。

自動積立機能:考えなくていい投資の基本

インデックス投資は完全に自動化しています。

  • 毎月1日に自動引き落とし
  • 指定した投資信託に自動振り分け
  • 設定後は放置

これにより、「今月いくら投資しよう」「どれを買おう」と悩む必要がありません。計算も判断も不要。設定したら忘れる──これが私の最強の戦略です。

音声アシスタント:情報収集の相棒

個別株のリサーチには、Google アシスタントSiriを活用しています。

  • 「NVIDIA 最新ニュース」と音声で検索
  • ニュース記事を音声読み上げで聴く
  • 気になった内容をメモ(音声入力で)

書字が苦手な私にとって、音声入力は革命でした。投資日記も、すべて音声で記録しています。

AI要約ツール:複雑な情報をシンプルに

最近活用しているのが、ChatGPTClaudeといったAI要約ツールです。

  • 長文の企業レポートをコピペして「要点を3つにまとめて」と依頼
  • 専門用語を「小学生にもわかるように説明して」と変換
  • 複数の記事を比較して「共通点と相違点を教えて」と整理

これにより、読解が苦手でも、情報をキャッチアップできます。テクノロジーが、私の「できない」を「できる」に変えてくれる瞬間です。

スプレッドシートは使わない:代わりにアプリの自動集計

多くの投資家が使うエクセルやGoogleスプレッドシートは、私には向いていません。関数が覚えられないし、入力ミスも多い。

代わりに、証券アプリの自動集計機能を信頼しています。資産の推移、損益の計算、配当の記録──すべてアプリが自動でやってくれます。

「自分で計算しない」は手抜きではなく、「得意な人(この場合はテクノロジー)に任せる」合理的な戦略です。


【デメリットと注意点】この方法の弱点も正直に

デメリット1:財務的なリスクが見えにくい

財務諸表を読まないため、企業の財務リスクを見落とす可能性があります。

例えば、借金が多い企業、収益性が低下している企業──これらを数字で見抜くことは、私にはできません。

対策:

  • コア資産(インデックス投資)で市場全体をカバー
  • サテライト部分の比率を30%以下に抑える
  • 分散投資(複数銘柄に分ける)

リスクはゼロにできませんが、コントロールできる範囲に抑えることは可能です。

デメリット2:短期的な値動きに振り回される可能性

計算やチャート分析をしないため、「買い時」「売り時」の判断が曖昧です。

株価が急落したとき、「これは買い増しのチャンスか、それとも撤退すべきか」──理論的に判断できないため、感情に流されるリスクがあります。

対策:

  • 基本的に売らないルールを徹底
  • 短期売買は自分に向いていないと認識
  • 株価は見ない(週に1回程度のチェックに留める)

デメリット3:「なぜ選んだか」を説明しにくい

財務指標やテクニカル分析を使わないため、他人に投資理由を説明するのが難しいです。

「なぜNVIDIAを買ったの?」と聞かれても、「PERが〇〇だから」とは答えられません。「AIの未来を信じているから」としか言えない。

でもそれでいいと思っています。投資は自分の信念とお金を賭ける行為。他人を説得する必要はありません。


【中級者向けコラム】「直感」は非合理ではない──認知科学的視点

「直感で投資なんて、ギャンブルと同じでは?」と思われるかもしれません。でも、認知科学の分野では、「直感」は過去の経験やパターン認識に基づく高速処理だと言われています。

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンは、著書『ファスト&スロー』で、人間の思考を「システム1(速い思考=直感)」と「システム2(遅い思考=論理的分析)」に分類しました。

投資の世界では「システム2(論理的分析)」が重視されがちですが、カーネマン自身も、専門家の直感は長年の経験に裏打ちされた高度な判断であると認めています。

私の場合、テクノロジーによって日々「助けられている」体験が蓄積されています。その体験が、「この技術は必要とされる」という直感を形成しているのだと思います。

もちろん、直感だけでは不十分です。だからこそ、コア資産で理論的・分散的な投資を行い、サテライト部分で直感を活かす──このバランスが重要なのです。


【まとめ】あなたの「できない」は、新しい視点の宝庫

計算ができなくても、投資はできます。財務諸表が読めなくても、資産は築けます。

私が3400万円の資産を築けたのは、「自分にできないこと」を認め、「自分にできること」に集中したからです。

  • 計算はできない → テクノロジーに任せる
  • 財務分析はできない → 未来を想像する力を活かす
  • 短期売買はできない → 長期投資に徹する

多くの人が「正しい投資法」を追い求めますが、正解は一つではありません。大切なのは、自分に合った方法を見つけることです。

あなたが「できない」と思っていることは、実は**「他の人とは違う視点を持っている」証拠**かもしれません。私がテクノロジー企業に確信を持って投資できるのは、私自身がそのユーザーだからです。この視点は、健常者にはなかなか持てないものです。

もしあなたが、計算や分析が苦手で投資を諦めていたなら、ぜひこの記事を読んで「自分にもできるかもしれない」と思ってもらえたら嬉しいです。

投資は、万人に開かれた世界です。そして、あなたの「できない」は、決して弱みではありません。それは、誰も気づいていない未来を見つける、あなただけの強みなのです。