計算が苦手な私が、どうやって3,400万円の資産を築いたか――テクノロジーを味方にした資産管理術

「計算ができないのに、投資なんてできるわけがない」
そう思っていませんか?私もかつてはそう信じていました。ASD(自閉スペクトラム症)とSLD(限局性学習症)を抱える私にとって、数字を扱うことは苦痛以外の何物でもありませんでした。電卓を叩いても間違える、エクセルの関数は呪文にしか見えない、銀行の残高照会すら億劫で避けていた日々。
でも今、私の資産は3,400万円を超えています。その90%が株式です。
「え、計算できないのに?」と驚かれるでしょう。その通りです。私は今でも暗算はできません。でも、計算ができないことと、資産を管理できないことは、まったく別の話だったんです。この記事では、計算が苦手な私がどうやって資産管理をしているのか、使っているツールや工夫を包み隠さずお伝えします。
**結論から言えば、テクノロジーが私の「できない」を「できる」に変えてくれました。**そして、同じ悩みを持つあなたにも、必ずできます。
私の障がいと、お金にまつわる困難
まず、私の特性について正直にお話しします。私はASDとSLDの診断を受けており、特に**計算障害(算数障害/ディスカリキュリア)と書字障害(ディスグラフィア)**があります。
具体的にどんな困難があるかというと:
- 暗算がほぼできない:「342 + 89」を頭の中で計算するのは不可能
- 桁の多い数字が認識しづらい:「3,400,000」を見ても、瞬時に「340万円」と理解できない
- 手書きで数字を書くとミスが多発:「3」と「5」が似てしまう、桁を間違える
- 表計算ソフトの数式が理解しづらい:「=SUM(A1:A10)」のような式を自力で組めない
これらの困難は、お金の管理において致命的に思えました。実際、20代の頃は給与明細を見るのも嫌で、通帳記帳も半年に一度程度。クレジットカードの明細は「だいたいこれくらい使ったかな」という感覚だけで済ませていました。
当然、貯金はほとんどできませんでした。いえ、正確に言えば「貯金ができているのかどうかすら分からない」状態でした。
転機となった3つの出会い
そんな私が資産管理を始められたのは、3つの出会いがあったからです。
1. 家計簿アプリ「マネーフォワード ME」との出会い
最初の転機は、友人に勧められた家計簿アプリでした。「銀行口座やクレジットカードを連携させるだけで、自動で記録してくれる」という言葉に半信半疑でしたが、試してみることに。
これが衝撃でした。
手書きで帳簿をつける必要もない、電卓を叩く必要もない、ただ連携するだけで、すべての収支が勝手に集計される。私にとって、これは革命でした。
2. 音声読み上げ機能の発見
数字の桁が認識しづらい私にとって、画面上の「3,456,789円」という表示は、依然として理解しづらいものでした。そこで活用し始めたのが、スマートフォンの音声読み上げ機能(VoiceOver/TalkBack)です。
「さんびゃくよんじゅうごまん、ろくせんななひゃくはちじゅうきゅうえん」と音声で読み上げられると、不思議なことに理解できるんです。視覚情報の処理が苦手でも、聴覚情報なら処理できる。これも大きな発見でした。
3. 投資信託という「自動運用」の存在
そして極めつけは、投資信託との出会いでした。「毎月自動で積み立てられて、プロが運用してくれる」という仕組みは、計算が苦手な私にとって理想的でした。
個別株のように「いくらで買って、いくらで売って、利益は…」と計算する必要がない。ただ毎月決まった金額を積み立てるだけ。そして資産管理アプリが勝手に評価額を計算してくれる。
私がやるべきことは、「続けること」だけでした。
私が実際に使っている資産管理ツール
ここからは、私が実際に使っているツールを具体的にご紹介します。
メインツール:マネーフォワード ME(無料版)
使っている理由:
- 銀行口座、証券口座、クレジットカードを一括管理できる
- 自動で収支を分類してくれる
- グラフで視覚化してくれるので、数字が苦手でも理解しやすい
具体的な使い方:
- 口座連携を設定(最初だけ少し頑張る)
- 毎週日曜日の夜に、アプリを開いて資産推移を確認
- 音声読み上げ機能をオンにして、総資産額を耳で聞く
- グラフが右肩上がりになっているかを目で確認
デメリット:
- 無料版は連携できる金融機関が10件まで
- たまに連携エラーが起きる(再ログインで解決することが多い)
- リアルタイム更新ではない(1日1回の更新)
サブツール:楽天証券アプリ
投資信託と個別株の管理には、楽天証券のアプリを使っています。
使っている理由:
- 「保有商品一覧」画面がシンプルで見やすい
- 評価損益が色分けされている(プラスは赤、マイナスは青)
- 音声読み上げ対応がしっかりしている
具体的な使い方:
- 毎朝、通勤中にアプリを開いて「今日の評価額」を確認
- 個別株の騰落率をざっくり確認(細かい数字は見ない)
- 月に一度、ポートフォリオのバランスを確認
補助ツール:Googleスプレッドシート(テンプレート活用)
エクセルは苦手ですが、誰かが作ってくれたテンプレートなら使えます。
使っているテンプレート: 「家計簿テンプレート」「資産管理シート」など、検索すれば無料で見つかります。私は「入力するだけで自動計算してくれるタイプ」を選んでいます。
具体的な使い方:
- 月末に、各証券口座の総額だけを入力
- 自動でグラフ化されるので、長期的な推移を確認
- 数式は一切触らない(触るとエラーが出るので)
コツ:
- 「自分で数式を組もう」とは思わないこと
- テンプレートは「入力欄」だけを使う
- 分からなくなったら、テンプレートを入れ直す(下手にいじるより早い)
【中級者向けコラム】音声入力でログをつける工夫
私は毎月末に「今月の振り返りログ」を音声入力で記録しています。スマホの音声入力機能を使って、「今月は○○万円増えた。理由は□□の株が上がったから。来月は△△に注意したい」といった内容を喋るだけ。
これをGoogleドキュメントに自動で記録し、後から見返すことで「なぜ資産が増減したのか」を言語化できています。数字だけを追うのではなく、文脈として理解することが、私にとっては重要でした。
視覚・数字処理が苦手な人ほど、「言葉で記録する」アプローチは有効だと感じています。
計算が苦手でも投資できる理由:投資信託+個別株の二刀流戦略
ここで、多くの人が疑問に思うであろう点にお答えします。
「計算が苦手なのに、なぜ個別株に投資しているの?」
答えは、投資信託で土台を固めているから、個別株で冒険できるんです。
私のポートフォリオ構成
- 投資信託(約70%):全世界株式、S&P500、債券、REITなど
- 個別株(約30%):テクノロジー関連企業7〜9銘柄
投資信託は「市場全体」「財務優良企業」「債券」「REIT」といった伝統的資産でリスク分散しています。毎月自動積立で、特に考えることもありません。
そして個別株では、私が信じるテーマに集中投資しています。
私が保有している個別株
現在の保有銘柄は以下の通りです(すべてテクノロジー関連):
- NVIDIA:AI半導体のリーダー
- Astera Labs:データセンター接続技術
- Rubrik:クラウドデータ管理
- Reddit:ソーシャルプラットフォーム
- Applovin:モバイル広告技術
- On Holding:高機能スニーカー(非テック)
- Tempus AI:AIヘルスケア
- Lyft:ライドシェアプラットフォーム(非テック)
- UiPath:RPAソフトウェア
「ハイテク偏重だ」と指摘する人もいるでしょう。その通りです。でも、これは意図的な選択です。
なぜテクノロジー企業に集中投資するのか
理由は単純です。私自身がテクノロジーに救われたからです。
計算ができない私が投資できているのは、まさにテクノロジーのおかげです。
- 自動計算してくれるアプリ
- 自動記録してくれるシステム
- 音声読み上げ機能
- AI要約機能
これらがなければ、私は投資の世界に足を踏み入れることすらできませんでした。
だから私は、「計算機(コンピューター)が人間の知的作業を代替・拡張していく未来」に賭けています。
財務諸表は読めなくても、「この技術が5年後、10年後の世界をどう変えるか」については、誰よりも深く考えています。自分が当事者だからこそ、テクノロジーの真の価値が分かるんです。
計算が苦手な人が資産管理で気をつけるべきポイント
最後に、同じように計算が苦手な方に向けて、私が学んだポイントをまとめます。
1. 「完璧」を目指さない
家計簿を1円単位で合わせる必要はありません。「だいたいこれくらい」で十分です。マネーフォワードが自動で分類してくれた結果を信じる。細かい誤差は気にしない。完璧主義になると続きません。
2. 「数字を見る」より「グラフを見る」
数字の羅列は理解しづらくても、グラフなら直感的に分かります。「右肩上がりか、右肩下がりか」だけを見れば十分。細かい数値は、必要な時だけ音声読み上げで確認しましょう。
3. 「手動計算」は諦めて「自動化」に全振り
自力で計算しようとするのは時間の無駄です。テクノロジーに任せましょう。私たちがやるべきことは、「継続すること」と「大きな方向性を決めること」だけです。
4. 投資は「計算力」より「継続力」と「信念」
短期売買には計算力が必要かもしれません。でも長期投資は違います。必要なのは、「続けること」と「信じること」です。私は計算ができませんが、「テクノロジーの未来」は信じています。それで十分なんです。
5. 自分の「得意」を活かす
私は数字処理は苦手ですが、「テクノロジーの本質を理解すること」は得意です。あなたにも必ず得意なことがあります。それを投資に活かせばいいんです。
まとめ:計算ができなくても、未来は築ける
「計算が苦手」だからといって、資産管理を諦める必要はありません。
私は今でも暗算はできません。エクセルの関数も組めません。でも、3,400万円の資産を築くことができました。
大切なのは、「できないこと」を嘆くのではなく、「できる方法」を見つけることです。
テクノロジーは、私たちの「できない」を「できる」に変えてくれます。そして、そのテクノロジーに投資することで、私たちはさらに豊かな未来を築くことができます。
あなたにも、必ずできます。
まずは家計簿アプリをダウンロードして、口座を連携させてみてください。それだけで、新しい世界が開けます。
計算が苦手なあなたの、その一歩を応援しています。







